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Ubie Discoveryのドキュメント基盤をNotionに統合したら、みんなでNotionを使い倒す文化が生まれて透明性が爆上がりしました

どうもこんにちは。 Ubie(ユビー)株式会社のUbie Discoveryでプロダクト開発エンジニアをやっているtatsuroroこと中村達郎です。

95%リモートワークで最高のチームワークを生み出すための仕組みづくり」でも紹介しましたが、私は入社以来、情報の透明性を維持・推進するチームで改善活動を続けています。
その活動の一環として、2022年前半にUbie Discoveryのフロードキュメント置き場をDocBaseからNotionに移行し、ドキュメントをNotionに統合するプロジェクトを推進していました。
その経緯や詳細と、統合の結果起こったことについてご紹介します。

ドキュメント置き場を統一したい機運が高まったので、ガッとやることにしました

Ubie Discoveryには透明ガイドというガイドラインがあり、それに基づいて「ストック情報はNotion、フロー情報はSlackとDocBase」という運用を2年ほど回していたのですが、フロー情報は日々増え続ける一方でストック化や情報の整理がなかなか進みませんでした。ゆえに情報を探すコストが留まることなくうなぎのぼっており、「情報の透明性が低下してそう」「事業成長のボトルネックになりかけている」という声が高まっていました。
2022年3月頃のことです。

社内のガイド記事に記載しているフロー/ストックの定義

さすがにまずいということで、透明性推進チームで改善するプロジェクトを立ち上げ、組織全体にアンケートを取って現状の調査を開始。
課題の分析・掘り下げ・改善案の検討を進め、「ドキュメントを気軽に書けて、かつ整理・配信しやすい状態」の実現にフォーカスしました。
そこで、一番シンプルな解決策であるNotionへのツール統一が現実的かどうか調査・検討したところ、ちょうどNotionが機能強化を進めていた頃だったのもあり、色々工夫すればなんとかなりそうなことがわかってきました。

検証時のタスク達

以下は社内にアナウンスした内容の転載です。


  • 人的OKRで情報が整理しづらい、探しづらいという課題を掘り下げた結果、NotionとDocBaseに情報が分散している & 主にDocBaseに書き溜められているのが現状で、過去の意思決定の流れをノーコンテキストで追いづらいことがわかった

  • 当初、重要な情報は適宜Notionへのストック化がされることを想定していたが、先の透明性アンケートの結果、DocBaseからの転記コストが重く、ストック化が進まないこともわかった

  • なので、情報を公開する場を一元化することでDocBaseからの転記コストを解消するのがまず有効そう。それによりNotion上にドキュメントが溜まっていくので、適宜ドキュメント群を整理し、リンクしていくことで意思決定の記録を追いやすい状態にできうる

  • 検証と調査の結果、Notionで一定フロー情報を扱えることもわかり、統一の目処が立った


こうして「DocBaseを廃止し、フロー情報もストック情報も Notion上に置いて一元化」の方針で進めることを決め、推進することになりました。

2023年現在、様々な企業がNotionを活用している状況ではあまりにも当たり前に聞こえますね。 ただ、当時としてはまだNotionデータベースへの知見も少なく、Markdownで記事を書いてブログのように積み上げるドキュメントツールへの親しみも深かったため、移行はそれなりにチャレンジングではありました。

移行開始、テキストだけなら話は簡単だけれど

DocBaseに溜まった記事群を、情報の価値を保ったまま Notionへ移すのはなかなか大変そうでした。 コメントやタグなどのメタデータをNotionデータベース上でどう扱うか、DocBaseで権限を管理して閲覧制限していたドキュメントをどうするかなど、いくつか解決しなければならない課題が。 なかでも特に大きかったのは、記事内の画像やスライドなどの添付データをNotionでどう表示するかでした。

DocBaseからのエクスポートでは、Markdownもしくはjson形式で記事が出力され、画像などのバイナリデータはハッシュなどが付与されたファイル名で個別に出力されます。記事内からは、DocBaseのドメインでファイルへのリンクが記載された状態になりますが、DocBaseは廃止予定のため、このリンクは使えません。かといって、単純にGoogle Cloud StorageやAWS S3などに置いたのでは、社内の機密情報に対するセキュリティが担保されない。
ではどうするか。

DocBaseからエクスポートしたファイル達

Wordファイルに変換してインポート

Notionのインポート機能は複数ファイル形式をサポートしていますが、Wordファイルのインポートであれば画像も記事内にインポートできました。 これならMarkdownからWordファイルへの変換スクリプトを書いて手動で一括インポートする案が実現できそうです。

Notionの手厚いインポート対応

社内のセキュリティエンジニアとも相談した結果、今回はMarkdownを一度Wordファイルに変換した上で、Notionのインポート機能を使って手動でインポートする方針を取りました。
Google CloudのIdentity Aware Proxyという機能を活用して、GCS上の画像にセキュアにアクセスする案もありましたが、Notionデスクトップアプリで画像を表示できないデメリットがあり、ブラウザでの利用を強いることになるため、見送ることに。

完全自動化は諦めてコツコツ移行を実施

実現の目処が立った時点で社内にNotion移行プロジェクトをアナウンスし、同時にDocBase記事のインポート作業を進めていきました。
pandocを利用してMarkdownをdocxに変換するスクリプトを書き、Wordファイルを大量に生成。合わせて記事のメタデータをNotion DataBaseにAPI経由で追加するスクリプトも書き、随時Notionへデータを流していきます。

楽しいスクリプト構築

インポート作業は手動でやるしかなく、地道にドラッグ&ドロップしていきました。
最初の検証時は、1000件を一括でも50分弱で終わったため、「これなら余裕〜」と思っていたのですが、いざ実際にインポート開始してみると、インポート中にエラーで落ちてしまう事態に。
しかも2022年5月当時はエラー詳細の説明も無く処理に失敗してしまい、失敗した時点でそれまでの進捗は無になってしまう仕様。(なぜ、、、)
後々「ファイルサイズが5MBを超えているとインポートに失敗する」ことを突き止めたことで多少効率は改善したものの、突如502エラーで落ちることもあるため1000件まるっと投げて放置したりもできず、50件〜100件くらいを少しずつインポートしながら、エラーが起きるたびにどのファイルに問題があるのか特定していきました。
地味に大変でした。

インポート中の画面

なおエラーの詳細表示については、要望を出したところすぐに対応してくれました。 Notionさんありがとうございます、、、!
(できればどのファイルでエラーになったのかもわかると嬉しい)

フィードバックをスピーディに反映してくれるの最高です

その他、メタデータ補完に一部手作業が必要だったり細々とした苦労はありながらも、移行プロジェクトは検証開始から約2ヶ月ほどで完了しました。
移行した記事数は全部で1万1千件ほどでした。

おわりに: Notionを各所で活用する機運が生まれると共に、新たな課題も

移行プロジェクト開始をアナウンス後、すぐにUbie DiscoveryのみんながスムーズにNotionにドキュメントを書き溜めてくれたので、ドキュメント置き場の移行自体はとてもスムーズに完了することができました。
おかげで当初の目的であった「ドキュメントを気軽に書けて、かつ整理・配信しやすい状態」の実現は、ほぼ達成できたと思っています。

Notionのフロードキュメント置き場イメージ

ドキュメントツールが集約されたのと時期を同じくしてNotion自体のアップデートも活発になった結果、Notionを今まで以上に活用しようという機運が生まれたのも嬉しい変化でした。
Ubie Discoveryのメンバープロフィール一覧や組織全体で使うOKR管理ツール、一部のチームのスクラムカンバンなど、以前は個別のツールを利用したり内製していたものが徐々にNotionに集約されていき、情報管理コストの削減につながりました。

一方、「Notionにあるのはわかっていても、検索してもほしい情報にたどり着けなかったり、古いドキュメントを見つけられない」といった声も以前より目立つようになりました。
原因としては、ドキュメント置き場の更新頻度が上がったことでタイムラインを追うような探し方が難しくなったこと、もうひとつは検索結果が自分のコンテキストといまいちマッチしづらい点がありそうです。
検索に関しては2022年9月ごろにNotionの検索機能が強化されてある程度は改善されましたが、まだまだ検索が辛いという意見は社内に多く、ベストプラクティスを模索中です。フィルタビューの活用や構造の整理、古いドキュメントのアーカイブなど、やれることは色々ありそうです。
(Notion 日本語検索のさらなる性能向上にも期待しています)

以上、職種に関わらず組織課題に向き合い改善していける、Ubie Discoveryカルチャーの実例をお届けしました。
「面白そう」「体験してみたい」と思ったあなた、ぜひカジュアルにお話ししましょう。お待ちしております。


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