ラインアウトの終了(解消)とは?
という質問を頂いたので解説します。
ルールブックに基づいた文言も使用するので、聞き慣れない単語もありますが補足を入れていきます。
1.ラインアウトの形成とは?
まずは、ラインアウトの形成に関して、「終了(解消)」に関係する部分を抜粋して書きます。
太文字は特に関係してきますので覚えておいてください。
①ラインアウトは、※マークオブタッチ上で形成される。
※アシスタントレフリーが示す、ボールがタッチにでた場所。ここにスローワーがセットします。
②各チームが、⬆︎のマークオブタッチと平行に、お互い0.5mずつ離れて自陣側に、5mラインと15mラインの間に一列にセットする。
2.ラインアウトの開始とは?
終了の話なので、一応開始にも触れておきます。
ラインアウトの開始は、スローワーの手からボールが離れた時です。
3.いつラインアウトが終了(解消)するの?
ここからが本題です。
ラインアウトが終了(解消)するのは、大きくは2つです。(厳密にはもう少し多いですが、よくあるシチュエーションということで…)
1)ボールまたはボールを持っている選手が、ラインアウトの外に出た場合
2)ラック、モールが形成され、その中にいる選手全員の全ての足が移動してマークオブタッチを越えた場合
これを理解していると、ATでもDFでも正しいタイミングで動くことができます。
(⬇︎我がクボタスピアーズの”先生”こと岸岡選手もこう言っています。)
以下でそれぞれ起こりうるシチュエーションを解説していきます。
1)ボールまたはボールを持っている選手が、ラインアウトの外に出た場合
よくあるシチュエーションは下記の通りです。
①直接ハーフにパス。リップした選手がそのまま持ち出す等
これはわかりやすいですね。最も多く見かける状況だと思います。
下の写真のようにキャッチしてすぐ、もしくは着地してからパスをします。
または、モールを作るフリをしてレシーバーの位置にいた選手が手渡しで受け取って持ち出す等もありますね。
②5mラインから15mラインの間から外に出た場合 (=ロングスロー等)
ロングスローで直接バックスの選手が走り込んだり、ラインアウトのレシーバーの位置にいた選手がキャッチする状況が多いです。
また、他の状況としては15mラインを越えてリフトした時にもラインアウトは解消となります。
2021年10月23日に行われた日本対オーストラリアの下記写真で、そのような状況があったので参考資料として載せます。実際の映像に関しては、Jsportsのアーカイブや自身の録画が残っていたら見てみてください。
こちらの写真ではオーストラリア7番のフーパー選手が元々あったマークオブタッチを越えています。
本来、ラインアウトモールの敵側に回り込んで行くことはオフサイドの反則となりますが、ラインアウトは解消しているのでOKとなります。
※因みに、AT側が意図的に出るつもりがなくても、15mギリギリでリフトをしてバランスが崩れてバックリフターが後ろに動き15mラインを越えてしまったら解消となります。そこをめざとく狙っているDFもいるので気をつけましょう。
2)ラック、モールが形成され、その中にいる選手全員の全ての足が移動してマークオブタッチを越えた場合
前置きが長くなりましたが、ここからが質問に該当する部分の回答となります。
とはいえ、書いてある通り、ラック、モールに参加している選手全員の足がマークオブタッチを越えたらラインアウトが終了(解消)という事なので難しい事はありません。ゆっくり読んで下さい👍
簡単に書くと下図のようにモールを作っても押せずに停滞していたり、その場で崩れてしまった場合は、後ろのラインに下がっていた選手は参加することができないと言う事です。
停滞してしまった場合は、頑張ってモールを押し続けるか、早めにモールから出るorパスアウトする、もしくはレフリーからユーズイットコールが出るまで粘ってから使う。
どの選択をしようとも、その時モールに参加している選手の誰かがパスアウトもしくは持ち出すなどのアクションを起こす必要があります。
質問者さんがなった状況としては、拮抗したモールでつい早めにバックスラインから参加してしまったと言う事だと思います。
これを読んでくれれば、次はベストなタイミングで参加できるようになっていると思います。
似たような状況で起こりやすいのは、モールを組もうと思ったが崩されてその場でラックになってしまい、パスアウトをしようとして9番が上がってきてしまった。というのが反則を取られやすいので注意してください。
まとめ
繰り返しますが、ラインアウトの解消に関してはまずは下記2点を頭に入れましょう。
1.ラインアウト(5m~15mの間)からボールorボールを持った選手が外に出る
2.ラック、モールがマークオブタッチを完全に越える
以上です。
ありがとうございました。