再生医療の今後の動向はどうなるのか?
こんにちは!
穏やかな気候が心地いいですね。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
聖心美容クリニックは、エクソソームリッチ豊胸術に、
Mia Femtech(ミア フェムテック)、ファスト美容、エクソソーム点滴など
新しいプロジェクトが続いています。
前回までは、エクソソーム治療についてメインにお話ししてきました。
エクソソームの大きな可能性を感じていただけたと思います。
そして、今回はこれまでの再生医療と、今後の動向についてお話しします。
■セルセラピーからセルフリー・セラピーへ
2000年に入ったころから幹細胞治療が注目されるようになり、
2006年にiPS細胞の作製に成功した山中伸哉教授がノーベル賞を受賞したことで、
日本は一気に再生医療の実用化に向けて底上げされていきました。
日本で再生医療法が発足されてから久しくなりましたが、
そのなかで研究や臨床実験が進み、iPS細胞の可能性はますます広がっています。
iPS細胞が応用される範囲は、再生医療や新薬の開発、病気の原因究明などさまざまです。
多くの方がiPS細胞の力を受けられるといいのですが、
臨床まで時間もコストもかかり、この治療が一般化するのは、現段階では難しいでしょう。
広く恩恵を受けられるようになるのは、もっと、ずーっと先のことになりそうですね。
一方で、聖心美容クリニックでは、もともと人間に備わっている脂肪幹細胞を使って豊胸手術や発毛治療に活用し、一定の効果を得ています。
幹細胞上清液に含まれるサイトカインや成長因子、エクソソームは細胞を含まない治療なので、「セルフリー・セラピー」、対して細胞を含む治療を「セルセラピー」と呼んで区別されています。
2000年以降、はじめの10年間は「セルセラピー」がメインでしたが、
次の5年でサイトカインなどが使われるようになりました。
トレンドを見ても、特に美容系の再生医療は有望で、多くの企業が参入したいと考えています。しかし、企業はスピーディに製品化して市場に売り出したいと考えていますし、時間がかかり過ぎるとビジネスになりにくい。
その点、セルフリー・セラピーは細胞が含まれていないので製品化しやすく、
何かと利便性が良いメリットがあります。
たとえば、幹細胞培養上清液であれば、凍結して一定期間保存でき、自然解凍して使えます。また、技術によってはフリーズドライや常温も可能ですから、治療への応用もしやすいのです。
特に、エクソソームの製品化は近年、増えていますので、
世の中にもっと取り上げられていく流れができると思います。
今後は臨床に製剤がはやく使われるようになり、再生医療が加速化するのではないでしょうか。
植物由来のエクソソームを研究開発しているメーカーもあり、すでに製品化し、販売し始めている段階です。
■国も認めるエクソソームの効果
現在のところ、エクソソーム製剤は医薬品ではなくて「研究用試薬」という扱いです。
しかし、エクソソームは治療効果が高そうだと、厚生労働省も注目しており、
今後、薬剤と同等に近い扱いをする方針だと既にPMDA※から発表されています。
聖心美容クリニックで豊胸術やAGA治療、エクソソーム点滴治療に使用しているStemSupにはサイトカインやエクソソームが豊富に含まれています。そこから、極力エクソソームだけを抽出した場合、今後は医薬品と同等の効果ということで、EV(細胞外小胞)製剤のような位置づけになるようです。
それだけ、エクソソームの効果が高いと、国が認めているということですね。
現段階では、StemSupがどこにどれだけ効くか明確になっていません。
聖心美容クリニックでは臨床を通して、
積極的にエクソソームの効果を検証していくことになります。
医療の発展には挑戦がつきもの!
苦労も多いですが、それが楽しいし、未来につながるのです。
※独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
山中教授のノーベル賞受賞や再生医療に関する法の整備を背景に、
日本の再生医療は大きく発展し、高い技術を誇ります。
エクソソーム治療もそのひとつで、
その技術は世界のトップレベルにあるといっても過言ではないでしょう。
エクソソームの研究はこれから、ますます発展していくでしょうし、
無限の可能性が期待できます。
次世代の美容をエクソソームが変えてくれるかもしれません。
より安全で、より効果的な美容医療を目指して、僕たちも研究を続けていきたいと思っています。