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第2回美容医療の適切な実施に関する検討会を終えて

こんにちは!
気が付くと、もう11月も後半に差し掛かってしまいました。
今年も、残すところあと少しですね。

さて、夏の話に戻ってしまいますが、
8月27日(火)、「第2回美容医療の適切な実施に関する検討会」が実施されました。
今回はこの検討会のレポートをお届けします!


■美容医療業界の問題は共通認識

6月に開催された1回目の検討会では、
美容医療に関する問題について、
全体像を見て意見交換をするところで終わりました。

過去のnoteでも、1回目の様子をお伝えしているので、
興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

そして、8月に開催された2回目の検討会では、実際の医療現場でのヒアリングをもとに問題の実例や対策について話し合いました。

議題は次のようになっています。
議題1「美容医療の適切な実施に関する関係団体・有識者ヒアリング(第1回)」
議題2「違法・不適切事例の対応について」

ヒアリングは、日本形成外科学会、日本皮膚科学会、
そして、グリーンウッド スキンクリニック立川の青木律先生でした。

美容医療の問題は
「医師のモラル」と「医師の技術力」の2つに大別されます。

今回の検討会で、
大学や大学関連のクリニックの先生からは、技術力のない医者が治療をするから、合併症などの問題が起こるのであり、“皮膚科や形成外科で十分にトレーニングを積むべき”との意見がありました。

そして、もう一つ。
はじめの段階では、安い料金を見せて集患し、実際には、高額な治療費を提示するという悪徳な事例についても指摘がありました。

大学の先生方は、美容医療の情報をあまりご存知でないと思うのですが、
そういった先生方ですら、現在の美容医療で横行する悪徳商法について
ある程度、把握されているようです。

これには、僕も少し驚きました。

■医師のモラル低下

あの手この手で物を買わせたり契約させたりする
いわゆる悪徳ビジネスは、どの業界にも存在します。

そして、残念なことに医療機関も例外ではありません。

問題の一因として、医師のモラルの低下が挙げられます。

医療の専門性を悪用し、患者さんの不安や美容への欲求を利用して、
不適切な行為や治療が行われるのは、金銭的な利益を優先する結果です。

これは、医師としてというよりも、社会人としてのモラルの低下です。

よく「医者の常識は一般人の非常識」、
逆に「一般人の常識は医者の非常識」と言われますが、
どちら側から見ても非常識なやり方が横行していると思います。

医療従事者の倫理観の向上と問題を是正する取り組みが必要であり、
厚労省にも処罰や警告などを含めて対応してもらいたいと考えています。

■自費研フェスティバルに参加しました

検討会と関連した情報として、
10月6日(日)、「自費研フェスティバル2024」に登壇しました。

自費研フェスティバルは、
自費診療と自費医療経営に特化した業界最大級のイベント。
医療関係者が最新の情報を共有し、交流する場として開催されています。

僕が登壇したトークセッションのテーマはこちら。

「医師のモラル」「質の悪い美容医療」「直美《ちょくび》問題」業界Opinion
美容・医療ジャーナリストの海野 由利子さんと、株式会社SSFホールディングス 代表取締役 佐々木 威人氏と対談しました。

海野さんは、あくまで治療を受ける側、メディア側の視点からの意見をお話しされたのですが、なかなか興味深い内容でした。

治療の良し悪しを十分に確かめて患者さんに提供することの重要性について強調されていて、その視点がとても面白かったですね。

例えば、海野さんは先生から新しい施術や製品を紹介されたとき、
まずは自分が実験台になるのだそうです。

いろいろな施術パターンを試し、
その成果を見てから、みなさんにお伝えするのだとか。

確かに、美容医療で使う製品や機器について、
選択のモラル(ちゃんと選べているか)が重要というのは、
僕も同感です。

ですから聖心では、以前から新しい製品が入るとクリニック内やグループ内でモニターさんを募集して、その成果を確認しています。

もちろん、これはどのクリニックでもできることとは限りません。
ある程度大きなクリニックであればモニターさんを確保できますが、
小さなクリニックだとスタッフか身内くらいしかモニターになれないので、対策が必要になるとは思います。

自費研では、僕とは違う視点で、
質の悪い美容医療について意見を聞けたのは面白かったし、
有意義な対談になりました。


最後まで、お読みいただきありがとうございます。

最新の美容医療の情報や課題を知り確認することは、この業界で働くものとしてとても重要ですし、非常に意義があると思っています。

なかでも、最近、浮き彫りになってきた問題として直美《ちょくび》の問題があります。

直美《ちょくび》とは、簡単にいうと、初期研修を終えてすぐに、もしくは後期研修に入って1年もせずに美容クリニックの門をたたく人たちのこと。

検討会でも自費研でも取り上げられたテーマであり、
それだけ、注目されている課題といえます。

直美《ちょくび》については、
次回のnoteで詳しくお話ししたいと思います!

今回はこの辺で。
次回もお楽しみに。

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