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世界初!セリューションを使った豊胸手術

いよいよセリューションを聖心美容クリニックにも
導入することになったわけですが、
すんなりといったわけではありません。
実際に、セリューションの治療をスタートするには
多くの準備が必要でした。

今回のnoteでは、聖心美容クリニックがセリューションの治療を開始し、
ついに世界初の手術を行ったお話です!

幹細胞を使った豊胸は可能性がある!
2007年、聖心美容クリニックでのセリューションの導入が決まりました。
実をいうと、脂肪幹細胞を使用した豊胸手術は、
東大の吉村浩太郎先生らによって2003年から開始されていました。

吉村先生といえば、大学の立場にいながら、
美容医療をアカデミックに追求する先駆者。
国立大学の最高峰でもある東大で美容を扱う吉村先生が、
幹細胞を用いた豊胸に着眼したのだから、
「セリューションを使った豊胸は間違いない!」と
僕は確信していました。

しかし、僕がいくら確信していても、
周囲が動かなければ実現できません。

2007年といえば、世間では「幹細胞」などほとんど認知されていない時代。
周囲にとっては、「幹細胞って何?」状態です。

そもそも、「脂肪組織の中に幹細胞がある」と、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のZukらによって報告されたのは2001年のこと。
杉町先生の電話で、僕がセリューションを知ったのが2004年です。

再生医療法が施行されたのが2014年11月ですから、
周囲が全く追い付いていない状況でした。

「聞いたことがないし、やめておいたほうがいい」と
反対意見が多かったのは事実です。

それでも、僕は幹細胞の可能性について熱く語り、
「再生医療は必ずのびる」「「これは面白いことになるよ!」
と一生懸命に説得。
ついに、「やってみよう!」と言っていただけるまで、頑張ったのです。

施設外倫理委員会を立ち上げる
セリューションを用いた豊胸手術を開始するにあたり、
まず、日本の幹細胞や再生医療の現状がどうなっているのか。
また、厚労省はどのように考えているのかなどを
把握する必要があると思いました。

そこで僕は、杉町先生の紹介で、
厚労省の医政局に話をうかがいに出向きました。

そこで分かったのは、
再生医療については、国でも法律を整える準備はしているけれど、
適用範囲は明確になっていないこと。
国も再生医療の全容をまだ十分に把握していないこと。
美容外科の自由診療に法律を適用するかは不確実なこと。

厚労省からこのように回答を受けて、
僕は、これからどうなるかは分からないけれど
いずれ再生医療、幹細胞の治療は広く普及するだろうし、
必ず法律ができて制度化されるだろう。
それを見越して、今からきちんと準備をしておくべきだと思ったのです。

そこで立ち上げたのが、施設外倫理委員会(倫理審査委員会)です。
「施設内」はよくありますが、本当に厳密な審査は「施設外」。
院外の先生たちに、本当に聖心がセリューションを使った豊胸手術を行うことが妥当なのか、厳格に審査していただこうと思いました。

倫理審査委員会設立にあたっては、多くの先生方にご協力をいただき、
適正に審査を受け、無事に審査を通過。
晴れて、セリューションを使った豊胸手術ができることになったのです。

世界初の症例!記者会見を開く
こうして、聖心美容クリニックのセリューションを使った豊胸手術が
始まりました。

前述した通り、脂肪幹細胞を使った豊胸手術は
既に東大の吉村先生の症例がありますが、
セリューションを使った脂肪由来幹細胞による豊胸手術は
聖心がなんと世界初です!

これには、周囲も喜んでくださり
大々的に取り上げてもらおうと、
メディアを呼んで記者会見をすることになりました。

この記者会見の様子は、偶然にも政治家の汚職事件の報道と重なってしまい
大きく取り上げていただけず、残念だったのですが、
とてもよい思い出となっています。

研究論文がAPSに掲載!
さて、セリューションを使った豊胸手術を行ったからには、
「論文」を書かなくてはいけません。
「何かやったら、論文を書く」
これは、もう九州大学時代に僕の中に仕込まれたDNAのようなもの。

サイトリのドクターと共同で実施した、セリューションを使った
「脂肪組織由来幹細胞による豊胸術」20症例をまとめた研究論文「Autologous Cell-Enriched FAt Grafting for Breast Augmentation」を、
世界的に権威のある美容外科専門誌「Aesthetic Plastic Surgery(APS)」
に投稿しました。
 
2010年12月に投稿して、2011年4月30日に受理。
こんなにも早くアクセプトされたことに、正直、驚きましたが、
無事、2011年12月発行の「Volume35 Number6」に掲載されました。
 
これによって、僕たちの研究結果のエビデンスが世界的に認められたことになります。
 
このことを皮切りに、アジア圏内はもちろん、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)やカナダのトロントで開催されたASPS主催の
「Plastic Surgery 2010」など、積極的に海外でも講演や発表を始めました。
 
セリューションという、一つの医療機器を使った症例に過ぎずませんが、
それでも、脂肪幹細胞を用いた豊胸手術の可能性を
世の中に少しでも広めることができたと思っています。

セリューションシステム

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今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
 世界初の症例をつくれたこと。
これは僕にとって誇りであり、大きな自信にもつながりました。
 
本当にたくさんの先生方や関係者の皆さんのお力添えがなければ
辿りつけたかったと思います。感謝です!
 
セリューションと出会ったことで、
ワクワクすることがいっぱい増えました。
この気持ちを忘れず、医療と共に邁進したいと思っています。
 
次回のnoteでは、脂肪由来幹細胞を使った豊胸手術について、
もう少し、詳しくお話ししますね。
また読んでいただけたら嬉しいです。

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