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名取さな 1st Live「サナトリック・ウェーブ」からなすどに行った旅日記

VTuber・名取さなさんが満を持して開催した1st Live
「サナトリック・ウェーブ」
に現地参戦し、そこからコラボ開催中の那須どうぶつ王国に行って帰ってきたぼっちおじの旅レポートです。

いやもうとっっっにかく楽しかった!
職場の同僚からの冷ややかな視線を受けつつ平日に2日もの休みをとって3連休とくっつける荒業を使った甲斐がありました。

「サナトリック・ウェーブのライブレポート」でなくこういうタイトルなのは、所詮は当日の記憶を記録として残したいがための超・超・長文ダラダラ自分語り日記なので、
・名取さなへの深い考察!
・ライブ感想の鮮やかな言語化!
・限界激重感情爆発!
・読みやすく凝った構成!
とかは含有してないので期待しないでおいてください。という予防線です。あった出来事を余すことなく書いているのでまずライブの感想に行くまでがまぁ~~~長い。
こんなのを書いている間にライブから1ヶ月以上が経ってしまいました。
は?1ヶ月!?バ、バカな……。
文字数も3万6千字になっちゃいました。卒論でもこんな書いてねぇわ。


noteを書こうと思ったわけ

初めに、なんでnoteにこの旅レポートを書こうと思ったか?という話で、ここからもう長々とした自分語りが始まってしまいます。

まずはだいぶ遡り、初めて開催された誕生日イベント「さなのばくたん。 -ていねいなお誕生日会-」の感想配信にて、名取がオタクのイベントレポートを読むのが好きだから書いてほしいと言っていたこと。

推しの「これやってほしいなぁ」という要望を受けて即座に執筆してnoteに投稿し始めるオタクたちを見てフフッと微笑ましく思いながらも、同時に自分もこういうの書いてみようかなと考え、実際にやってみたんです。
しかしいざ書いてみたらまず文章力がカス、そして感受性も大体終わってて豊かな感想がさっぱり出てこなかったので、出来上がった文章のあまりのおもんなさにそのままWordファイルごと削除して永久に封印したんですね。

「家出ました。新幹線乗りました。川崎着きました。イベント見ました。とてもよかったです。明日は仕事だ頑張るぞ」

何がおもろいねんボケッ!!と声に出してそのままゴミ箱に突っ込んだことは今でも覚えています。


次に、後段の日記部分で書きますが当日昼の部が始まるまでにツイートがほぼ全くできなかったこと。

リアルタイム感のあるツイートが残せず、だったら後でまとめて書き起こした方がいいなと思ってもうツイートすること自体諦めたのと、ライブ本編が本当に良いものでこの遠征そのものもとても楽しい時間だったので、後で見返すことができる何かしらの形で残したいな……という気持ちが強く芽生えました。
ゆえにnoteに書き留めることにし、以前ゴミ箱に突っ込んだやつを本来は投稿するつもりだったアカウントを再び立ち上げることとなりました。


そして最後に、Twitterにいくら書き込んだところで友達がいないこと。

最も深刻な問題です。いくらインターネットとはいえ虚無に向かって延々と話し続けると心を蝕んでいきます。
それに文章短くまとめるのが不得手で。君ひょっとしてTwitter向いてない?
あ、今はXって名乗ってるらしいですね。でもそんなことは知らないのでTwitterと呼び続けます。

Twitterを長年続けていても未だにインターネットでの友達の増やし方が一切分からないためフォロワーが20人しかおらず(うち7割がスパム)、しかもVTuberを追うためのアカウントでもなく普段もROM専みたいなツイート頻度、VTuberや名取のこともほぼ呟いていないので、いきなり名取のイベントを実況し始めたらただの数人しかいないフォロワーがびっくりしてしまうんですね。

さらに自分のTwitter上の性格が悪すぎるという点も拍車をかけます。
良かったものは自分の中で「良かったなぁ…」という思いを噛み締めて特にアウトプットすることはせず、逆に日常起こった嫌なことや悪いと思ったものについてはすぐに書き殴ってストレス解消するという丁寧なインターネットには程遠い悪癖があり、結果どうなるかというとプロフィールからツイートを見ると何かに対して悪態しかついていない、絶対に周りにいてほしくない人になっているわけです。誰がフォローするんだよこんなのを。

あと、オタクであることがバレたら迫害を受ける恐怖と(勝手に)戦いながら生きてきた世代の老人なので、たとえインターネット上の文字であっても「自分」という人格を表に出した上で好きなものを開示するのが単純に苦手なんだと思います。だから書くことが日常の嫌なことしかない。
その結果、全てのSNSでアイコンも名前も違って誰からも特定できないし誰とも馴れ合っていない本物のオヒトリサマが誕生したというわけです。インターネットリテラシーが高すぎるのも困りものだ。

それでも、やっぱり良かったもののアウトプットこそ積極的にしなければという気持ちも根底にはあって、このnote作成に至ったということです。
とはいえ、そろそろTwitterくらいはVTuber専用のアカウントを作るべきかなぁ……とは思ってます。3~4年くらい前からですかね。

9/18 開催前日

置いといて、遠征の話に戻りましょう。なっが……前置きがね。

行程としては、
9/19早朝に地元名古屋を出発して午前中に会場に到着、1st Liveの昼の部・夜の部両方に現地参加してから赤坂のホテルに宿泊。
9/20は早朝にレンタカーを借りに東京駅に移動、そこから名取とのコラボを開催中である栃木の那須どうぶつ王国まで走り、丸一日滞在してから近くのホテルで宿泊。
9/21朝に栃木から東京までまた走って戻り、東京から名古屋まで帰ってくる2泊3日――という段取りです。
普段イベントに行くだけでここまでのスケジュールにはならないので、個人的には結構な強行軍です。まあせっかく無理して休み(しかも5連休)にしたからにはやりたいこと全部やらないとってね。


ライブ前日は定時に上がり、荷造りは当日しか準備できないもの以外は既に終えているので後は気持ちを高めつつ最終の仕上げをするだけです。

ライブではコールしたり叫んだりと喉を酷使しますが、自分は普段から喉を使わない生活をしているため喉が尋常でないほど弱く、ちょっと大声を出すと途端に喉がイガイガしてむせてしまうレベルでして、ライブでみんなやる「フッフー!」とかの裏声?もそのままでは全く出せません。
以前はライブ本番で声を出す中でコールに耐えうる喉を作っていく過程を経ていたのですが、最近事前にヒトカラに行って喉を潰しておけばライブ当日も喉が開いて調子がよくなるということに気付きまして、この日も定時上がりにカラオケに直行。
昔のアニソンとかのキーが高くなくて気持ちよく歌える曲で喉を温めてから最終的にKICK BACKとか喉に無理させる曲を熱唱するというのを2時間やって喉ガラガラになったところでできあがり。

帰宅し、事前配信で話題になっていたデオコのボディーソープで体も綺麗にして女子高生になり、もはや後は寝るを残すのみ。
自宅から会場までの所要時間が約4時間。当日は物販のスタートに間に合わせるのはさすがに無理ですが早めに行って会場付近を散策したり、現地でまたカラオケにちょっと行って喉を温めたりしたく、あとはなるべく通勤ラッシュを避けて行きたいのもあって6時前に起きて7時には家を出る計画を立てました。
普段は深夜1時~2時くらいまで起きてますがさすがにこの日ばかりは日付が変わる前にベッドに入ってしっかり睡眠時間をとります。
アラームもセットしてこれで完璧!そんじゃおやすみ!
 
 
 
 
……………寝れない………………
 
 
 
ちょっと予想だにしていなかった事態が。なんと全く寝付けない。

別に昼寝しちゃったとか寝る前にコーヒー飲んじゃったとかもなく、普段なら寝てる時間になっても目がギンギン。いやなんで?
別に遠足前にワクワクして眠れない小学生とかじゃないんですよ。割とどんなイベントの前だろうと自分の気持ちって結構フラットで緊張とかもそんなないんで。カラオケで脳が覚醒してしまったのか……?

さらにこの日、自宅の乾燥機能付き洗濯機の調子が悪く、メーカーのページが「槽洗浄機能を使うとよいぞ」と言っていたので10分コースの洗浄を始めたところ、タイマーが進みはするものの動作が異常に遅く、少し動いては止まるを繰り返してタイマーが1分進むのに1時間かかる始末。
しかし遠征から帰ってきた時に乾燥機が使えないのでは困ります。この槽洗浄で直ることを祈りベッドに入ってる間も止めずにおいたのですが、ずっと動かないくせに忘れた頃にゴロゴロと動き出してはまたすぐ止まる洗濯機が気になるわ、ド深夜でも全然終わってないのでこれ近所迷惑で怒られんじゃねぇかと不安だわでこれもまた寝付けなさの一因となっていた気がします。

そんなこんなで深夜3時半になっても寝付けず、深夜でも暑く長時間ベッドにいて蒸れた不快感で眠れないのかと考えリビングに移動、座椅子をフラットに倒してそこで眠れないか試してみて、おそらく30分ほど経った頃にようやく寝付けました。
そして6時前に鳴るアラーム。時間にして2時間弱、しっかり睡眠どころかちょっと気絶してたレベル。座椅子で寝たので体の節々も痛い。
さすがにこれじゃ体がもたないというか、睡眠時間が恋しすぎて7時までアラーム延長。さっそく幸先の悪いスタートを切ることとなりました。
 

9/19 サナトリック・ウェーブ

7時のアラームが鳴り、さすがにもうこれ以上遅らせられないので起床。朝風呂など当日の準備を行い8時に出発。もうガッツリ通勤時間やんけ……。

通勤の車に紛れ、真面目に仕事に向かうサラリーマンをかき分けて名古屋駅に向かう5連休のオタク。
そして新幹線をEX-ICで予約しようとしたらロックがかかったままになっているというまたものトラブル(おそらく前回使用時にパスワードを間違えた関係なので自業自得)。
帰りも新幹線だしもうここでロック解除しちゃえとコールセンターに電話したのも悪手で、時間かけて繋がった先で「それうちじゃできないよ」で終わるなど、最終的にロックの解除はできましたが急いでるなら素直に券売機で買っておけばよかったものをまた余計な時間がかかってしまいました。

そして新幹線に乗ろうとしたら出張するサラリーマンでほぼ満席。
3人がけの真ん中しか空いてなかったのでそこを予約して座ると、横に座ってた兄ちゃんが道中こっちに顔を向けてグーグー寝やがってました。
寝るのはいいがせめて前向いて寝ろ!しかも息くっさ!お前の4D寝息ASMRは求めてねぇ!!

車内で「#名取さな1stLive」のハッシュタグを見て現地せんせえによる「物販列がいい匂いしてる」という情報に笑ったりしながら東京駅に到着。
これまであまり使ったことのない東京メトロへの不慣れな乗り換えルートに苦戦しつつ、六本木駅ではなく赤坂駅へ。

9/19を休みにするのは3月の「ばくたん」で本ライブが発表された瞬間から決めていたことですが、終演後に名古屋まで帰ってこようと思えば普通にできてしまうので最初は木曜だけ休みにするつもりでした。
しかしながら体力的に翌日立っていられる自信がなく、力技で金曜も休みにしてライブ当日は東京で宿泊することに結構ギリギリのタイミングで決めたんですね。
その関係で六本木のホテルが全然空いてなかったりあっても超高いところだったりして、値段と距離的にここなら大丈夫だろうと決めたのが赤坂のカプセルホテルでした。
歩いてすぐとか電車で直通とまではいかないですが、会場には徒歩30分で着く近さなので、到着してすぐ荷物を預けて出かける分には場所的に悪くないだろうと。
それが後の悪夢に繋がるとも知らず……。

赤坂のホテルに到着し、スタンディングライブということで必要最低限の持ち物だけにして、荷物の大半はあらかじめホテルに預かってもらい身軽にしておきます。
スマホ、ペンライト、タオル、交通系ICだけ持って準備完了!
EX THEATER ROPPONGIに向け、いざ出発!!

 
 
……ところで、当日の東京の昼間の天気は曇り模様でしたが時折晴れ間が見え、太陽が照りつけるとあわや真夏という様相を呈していました。
要するにクッッッッソ暑かったということですね。

東京駅から赤坂駅へ移動し、そこからホテルまで少しだけ外を歩く段階であまりの暑さに既に汗腺がかっ開いて汗がダラダラ止まりません。
これまずくないですか!?心の中のCEOがデカめの声を上げています。
9月中旬だからってちょっと……いや、かなり甘く見ていた。

全ては言い訳ですが、ホテルを予約したのがちょうどノロノロ日本をうろついたデカ台風が去って涼しくなったくらいでして、もうそこまで暑くならないだろうと完全に舐めていたタイミングだったんですね。
そして赤坂の街は照り付けるConcrete Jungle……


六本木へ歩み始めるも、ものの数分でTシャツは汗でベッタベタ。
止まらない汗をタオルで拭いつつ途中に点在するコンビニで涼んで汗が止まってから再出発、を繰り返し進んでいきます。というかこうでもないと進めない。暑くて干からびそうとはこのこと。
こんな感じの牛歩なので移動時間は30分どころではなく、しかも途中からコンビニや日陰のないゾーンもあり……こうなるともはやどうしようもない。

ツイートなんてしてるどころではなくなったというのはここのことで、いい匂いのせんせえ方ごめん、会場に汗臭いおっさんいたらそれは俺だ、もはや女子高生ではなくなってしまった……と申し訳ない気持ちもあり(ただ昼の部終演後にTシャツ嗅いでみたけど臭いとは感じなかったと一応釈明)、なんでケチってタクシー使わなかったんだとか、荷物なら会場近くでコインロッカー探せばよかったじゃんって後悔も合わさって、完全に自爆なんですがこの時点で若干心が折れかけてました。

とはいえイベント特有の会場付近で徐々に同じような服装のオタクが観測され始めるあの非日常感を久々に味わうとなんとなく気分も上がってくるってもんです。
そして12時半ごろ、なんとかEX THEATER ROPPONGIへ到着。

入場前になんとか残せた唯一の写真

まさかの予定より1時間半遅れ。こうなると計画もへったくれもあったもんじゃありません。
とりあえずは物販に向かい、もう人がはけており待ち時間ゼロだったので、当日販売のみのアルバム「Sanatric Waves」のみサクッと購入して退散。
事前にアナウンスがあったとおり宮地さんをはじめとする那須どうぶつ王国のスタッフの方々もいらっしゃっていて、普段であれば「明日なすど行くんですよ~」くらいの会話をしに行く程度の社会性は持ち合わせているはずなんですが、赤坂からの移動でそれをやるための体力すらも残っておらず、チラチラと様子を窺いつつも(無理だ……)とガチめのコミュ障が発動してしまい、結局なすどグッズの購入はできず……。
まぁ明日なすど行くしどうせ買えるやろとタカをくくってた部分もありはしましたが、そもそも現地でもう売ってるよなんて誰も言ってないし結果的には新グッズはなすどでは購入できなかったんですけどね。


そしてアルバムの購入後、カバンがなくてしまえないしこれ片手にライブに参加するわけにもいかないので、コインロッカーに仕舞っておくかと会場2階のコインロッカーに行ったのですが――

ここで少し前の発言を思い出してみましょう。
 
”スマホ、ペンライト、タオル、交通系ICだけ持って準備完了!
  EX THEATER ROPPONGIに向け、いざ出発!!”


会場のコインロッカーは要・現金300円。
今自分が持っているお金は交通系ICのみ。


詰んだ………。


ただでさえゼエゼエなのに泣きっ面に蜂とはこのこと。そして原因が自分にしかないのでただただ情けない。
そのへんのせんせえにお金借りるか?ライブ中預かってもらうか?
ってなことを本気で考えましたが知り合いなんていないしどれも現実的ではありません。あとは交通系ICが使えるコインロッカーを探すしかない。
そんな都合よくあるものか……と思いながらもスマホで検索してみると、向かいの六本木ヒルズにあるとの情報が。そんな都合よくあるものか……。

しかし六本木ヒルズ、出不精のオタクが寄り付くような場所ではなく、土地勘のない場所でお目当てのコインロッカーを探し当てるのも一苦労。
だいぶ頭も混乱していて、実際はコインロッカーも場所によって使えるのが現金か交通系ICか違ったのですが、なぜか「現金も交通系ICもどちらも使える」という思い込みをしており、当てずっぽうで入った建物のコインロッカーを総当りして、結局また時間がかかってしまうというアホの極みをやってしまいました。
アルバム片手にヒルズ中をふらふら彷徨うオタク、情けなさすぎる。

なんとかコインロッカーにアルバム1枚だけをポンと入れたところで既にエビ(公式インフォメーションTwitter)が入場開始をアナウンスしており、もうバタバタです。
急いで入場口に向かいましたが、呼び出しペースはかなりゆっくりで、この分だと自分のA999という超かっこいい番号が来るまではまだまだ時間がかかると踏み、朝食のシリアルしか腹に入っておらずさすがに体力的に不安があったので近くのコンビニへ。
栄養ゼリーを買って腹にかき込んでチャージ完了!(自分は少食なのでこれで十分+イベント時いつもやってることなので慣れっこですが他の人がやって腹ペコで倒れてもいけないので真似しないでね)


再度入場口に行くとかなり番号が進んでいて、自分の番号のゾーンもできていたので並び、番号を呼ばれて入場、エスカレーターで会場入口へ下っていきます。するとフラワースタンドの数々!
毎回の「ばくたん」でも思うんですが、こうやって自分の愛や想いを一つの形にして伝えられる方々は本当にすごいし、その心意気が尊い。実際に作られた方のレポートもnoteで読ませていただいて、時間も手間もお金もかかることなんだというのを知って余計に。
あのスタンドの一つ一つにストーリーがあるんだ……。

じっくり見たいところでしたが今回はスタンディングライブ、そこまで重視していないとはいえ位置取りもあるのでささっと軽く撮影だけして進んでいったのですが。
ふと視線の隅に入った、名取のイベントでは見たことのない、顔写真が飾られた異質なフラワースタンド。
何だ……?と思って見てみると……あ、厚木那奈美さん!?

そう、おそらく見た人みんな驚いたであろう「厚木那奈美さんファン一同」の皆さんからのフラワースタンドでした。そ、そういうのもあるのか……。
最初こそ驚きましたが、よく考えるとこれって素敵なことじゃないですか?自分の好きな人の好きな人、推しの推し。そのめでたき日をこうやってお祝いしようとする気持ち、なかなか持てるものじゃないんじゃないかな。
これだけで厚木さんとファンとの間に築かれた関係性や信頼関係が伝わってきますよね。


そしてついにライブ会場へ入場。Aの中でも最後の方だったので体感8割ほどは埋まっており、左後方のバーの前あたりで待機。なすどやどくラジのCMを見ながら開演を待つのでした。

開演前は声を出す人もほぼいなかったので、どくラジのCMで「けつラジなるよ!」って叫びたかったんですが陰キャオタクにそういうファーストペンギンめいた度胸を出すことは叶いませんでした。

というか名取の単独イベントでの声出しは今年2024年の「ばくたん」が初で会場も分散していたので、こういう一つの空間でコールはどうなるのか?自分はちゃんとできるのか?とか、スタンディングライブの経験はまだ2回目かつ超久々だったんですが個人的に1回目に思い出したくもない嫌な記憶があったりして、本当に大丈夫か?とか、それでもやっぱりライブが楽しみだとか、いろんな考えが頭を巡る中で開演を待っていたんですが……

今にして思えば、心配した全ては杞憂に過ぎませんでした。

昼の部

いろりによる開演前の注意事項も終わり、バンドメンバーも登壇。
そしてステージに上がってきた名取が最初に歌ったのが……

「惑星ループ」

さすがに声が出た。

正直に言うと、予想外ではなかった。より正確に言うなら「理想」だった。
名取さなのこれまでの音楽を総括する意味でもこの歌は絶対ライブのどこかでは歌ってほしかったし、なんならライブ一発目で歌ってくれたらこんなに盛り上がることはないぞ!と開催前から思っていた。
脳内で何回も見た、ステージに上がって大歓声を浴びる名取が、少しの静寂の後に惑星ループを歌い出す光景。それが目の前で現実として起こっている。これは本当に夢じゃないのか?

刹那、「コールできるかな」なんて思っていた自分は消え去り、全力で叫んでいた。なんてつまらない心配をしていたんだろう。
曲の始まりの瞬間から「名取さなの空間」がそこにはあった。

もうかっこつけた言い方はやめようか。めちゃくちゃ嬉しかった!めちゃくちゃ盛り上がった!めちゃくちゃ叫んだ!最高最高最高!!
周りのせんせえも絶叫してました。そりゃ無理だよな、オタクが一番好きなやつが出てきちゃさ……。最終話のサブタイトルが作品名とか、VTuberの3Dお披露目の配信タイトルがデビュー配信のタイトルのアレンジとか、そういうのと一緒だよこれは。

イントロでハイ!ハイ!とオタクが声を上げている時点でもうあの空間は「名取さな 1st Live」として完成していた。空気が変わる瞬間を全身で感じる気持ちよさよ。初っ端から全力で声出しもできて、本当に前日あらかじめ喉を潰しておいてよかったな。
もうこの段階で、猛暑の中汗だくで心が折れてあーだこーだなんてくだらないことは頭から消えていました。


そして名取が映されているステージ上のスクリーン。
スクリーンに映った名取を見ることはもちろん承知の上ですが、こんなにくっきりはっきりと姿が見えるとは思ってなくて、本当にあのステージの上に立っているんじゃないかとすら。
なんか通常のスクリーンの上にまたスクリーンが重ねられてて?そこがくっきり見える?ような?技術的なことはさっぱりですがおかげで実在感が半端なかった。
VTuberの音楽ライブは現地初参加なので他と比べてどうこうという話ではないですが、ひょっとしてこのステージ上に業界最先端の技術の粋が集められているんではないのか?個人勢の初ライブで……?
TRIBALCON、恐ろしい会社……。そんなところが名取に力を貸してくれてるのがありがたいことですよ。

スクリーンというと位置もすごくよかった。VTuberであってもバンドと同じ横並びの位置にいるのがライブの一般的な形かなと思うんですが、バンドより上にステージとスクリーンを設けることで名取を見上げる形になって、多分これなら背の小さめの人でも名取の姿が全く見えないことはなかったんじゃないかな。
事前の配信でみんなが見られるよう工夫する的なことを言っていたとおり、このへんは本当名取らしい気遣いが溢れてるなぁと感心するばかりでした。ある意味、バーチャルとリアルの融合が行われるライブの一つの「正解」の型がここにあったんじゃないかと。
これは決して過言ではないと確信しています。

そして何と言っても!生バンドの音ヤバすぎる!ここまでの迫力とは。
名取が事前にあれだけ熱弁していた理由がよく分かりました。ああも言いたくなるってもんだ、そりゃ。
また自分の話をすると、これまでにライブに行った経験はそこそこあるんですけどそのほとんどがアイドルアニメ作品のライブで、そうするとまず生演奏ではなくインストで歌唱する形になるんですよね。あと一応大物バンドのドーム公演もあるけど、遠すぎて生音どころではないし。
EX THEATER ROPPONGIみたいなライブハウスに近い環境で聴く生バンドってこうなるんだ……!
後ろの方だったのでバンドの皆さんの細かいパフォーマンスまでは見えてないんですが、素人には全く分からないであろう技巧で気持ちよさそうに演奏してる姿は良きものでしたね。一つの道を極めんとする方々の姿ってかっこいいんだ。
バンマスの樋口さんのドラムの豪快な叩きっぷりも本当に気持ちよくて、素人目にはむしろ豪快すぎて「そんなに強く叩いたら壊れちゃうよ!」と思いながら見てました。ドラムって頑丈にできてんだな。

2曲目は「ファンタスティック・エボリューション」。
名取がこのライブのために3ヶ月連続でリリースした楽曲の1つ目で、「これ序盤で来たらアガるやろなぁ」とみんな思っていたのがそのまま具現化したような盛り上がり!これこれ~~~!!
曲を作ったやしきんの器用さはこれまでに聴いた楽曲でもよく存じているつもりではあったけど、ほんとこの人何でも作れちゃうよな。
せんせえ達が名取に安易に「かわいい」とか言わないのと同様に、「やしきんさんを解放しろ」ってお決まりのフレーズも方便で言ってるだけなので今後とも定期的に監禁されてくださいね。

そしてオープニングブロック最後の3曲目は「PINK,ALL,PINK!」。
この曲の登場も、名取とファンの両方が待ち望んでいたものでしょう。モモーイこと桃井はるこさんに、初めての誕生日イベントのために制作していただいた特別な曲。
社会情勢により叶わず本来ならばこの曲に乗るはずのなかった文脈が乗ってしまいましたが、今年の初の声出しの「ばくたん」でそれも払拭され、改めてこの曲の「ライブでみんなで盛り上がれる曲」という本当の姿を取り戻せたような気がして嬉しかったな。


MCが始まり、こうなると普段のさなちゃんねるになります(なってしまいます)。今年の「ばくたん」でも見た、普段の配信をそのままリアルに起こしたような、飛び交うファンコメとそれに応える名取。
ものすごい異様な空間だったと思うんですが、これがバーチャルYouTuber名取さなのライブなんだよなぁ……。
バンドメンバーの皆さんにどう映ったかは分からないですがすいませんこれがいつも通りなんです……。


4・5曲目は「だじゃれくりえぃしょん」と「アニマルま~る」で、またやしきんさんやないかい!
やしきんさん作のおなじみの曲とおニューの曲を並べつつ、どっちも生バンドによって普段と違う装いになってるのが面白い。というか印象が全然違ってびっくりする。
名取が事前に「生バンドだと知ってる曲でも全然違って聞こえる」と言ってたのはこれだったんだと身に沁みて実感することとなりました。
特にだじゃくり、お前なんかめちゃくちゃゴキゲンだな……?


次は「ごほうびトキメキモード」と、カバー曲「わたしたちのクエスト」。今度はミツキヨさんゾーン。
前月の「さなちゃんねる夏祭り2024」でブルアカの曲があったけど今回はどうだろう……と思ってましたが来てくれました。
バンド演奏されるという要素によって「この曲はどうなんだ?」というセトリ予想が難しくなると同時に、その曲が来るとバンドアレンジによって新鮮に聴こえるのがまた楽しい。
特に「わたクエ」は今年の「ばくたん」後夜祭でこの曲で盛り上がってるのをTwitterで見てすっごい羨ましかったので、自分も会場で一緒に盛り上がれてめちゃくちゃよかった(語彙)

そして突如訪れた新曲、「ノーゲスト、イン、ザ、テアトロ。」
新曲3曲を引っ提げてのライブだったのに当日また増えることあるんだ……。
歌詞の意味を咀嚼するとかそれどころじゃないのでとにかく現場では突然の新曲にドキドキしながらペンライトを振ってましたが、名取には珍しいしっとりした曲で、「聴かせる」ことを意識した曲であり名取もそのように歌っていることは伝わってきました。
照明に空か海かが投影されているようですごく幻想的だな、すごい技術が出てるんだなと思っていたんですが、後から聞くと会場のスモークが照明に照らされてああなっていたようでした。狙ってかどうかは分からないけどいい演出だ。


からの「オヒトリサマ」!ライブでアガる曲なのは分かってましたがいざ来るともうなんというかブチ上がりでした。
ジャケットアートみたいに照明とペンライトで真っ赤に染まった会場でハードロックを激しく歌う名取さな、少し前には想像もしなかった。
かっこいいんだな、おまい……。

MCを挟み、「アンハッピーリフレイン」と「八月、某、月明かり」。
恥ずかしながら自分の知っている曲の守備範囲が非常に偏っており、どちらも初見の曲でした。
が、前者は「パラレルサーチライト」から散々分からされている名取の音域の高さのさらに先にあるような歌唱で、後者は一つの楽曲としてものすごく好みだったので圧倒されながらもノッて聴いていました。特に「八月~」は歌詞カードを見ながら聴いたら絶対歌詞が刺さるだろうなという確信がこの時点でありました。
いつも思うんですが、名取がイベントで歌うカバー曲っていつも選曲センスが良いので、たとえ知らない曲が来たとしても後で絶対聴いてみようと思うんですよね。


さらにまた来た新曲「ソラの果てまで」。
予告にない4曲目が増えただけでびっくりしたのに5曲目まで来ることあるんだ……。
久々に名取が作詞した曲ということで、とはいえ「ノーゲスト~」と同じく歌詞を咀嚼するどころの話ではなかったですが、どこか遠くまで突き抜けていくような爽やかさを生バンドの迫力で全身に叩きつけられた感覚が気持ちよかった。
ライブは終わってほしくないのにCDは早く帰って聴きたい!(二律背反)

ライブも終盤、名取が一回やってみたかったという観客がスマホで撮影可能なパートに入り、「パラレルサーチライト」が始まります。
この曲の世界観、披露された「ばくたん」や歌詞の内容どおりの「可能性」を感じる曲で大好きなんですが、バンドアレンジでまた違う可能性を感じさせてくれました。めっっっっちゃキーボード良い!
ペンライトをあんまり振りすぎるとすぐ腕が使い物にならなくなるしまだ夜の部もあるので全体的に控えめに振ってたんですが、この時ばかりは気付いたら右手を高く上げてペンライトをブンブンしてました。今振らないでいつ振るんだよ!!
そして左手はスマホを掲げて撮影してるので普段使わない筋肉を使いすぎて途中からプルップルしてました。

ここで録画した映像、自分と思いたくはないが間違いなく自分と思われるオタクが上げている奇声がたっぷり入っていたのでネットに公開はせず宝物として大事にしたいと思います。
ただせっかくなのでこのnoteのトップの画像には動画からのスクショを使ってみた。

ライブ本編最後の曲は「足跡」。
この曲については――夜の部の方で綴ることとします。


「足跡」が終わり、名取もバンドメンバーもはけていったところでアンコールの声が上がりますが、暗くなった瞬間からアンコール言ってる人がいて「いや早えよw」と思いながら自分も加わります。
このアンコールもライブといえばのお決まりですけどそれもしばらくはできてなかったので、また言えるようになってよかったなぁ。
しばらくしてバンドメンバーが再登壇し、あとは名取を残すだけになったところでアンコールが「名取」コールに。これも個人的にできて嬉しかったポイントでした。
今年の「ばくたん」でもスクリーンによってはやってたみたいなんですが自分のとこは違って、後で知って「私だって名取コールしたかった!」となったやつなので。会場が1つであることの強みですね。

まあ勝手にエモい感じになってたのも名取には「アコギ」に聞こえてたとかいうオチがつきましたが。そう聞こえたとしても言う必要あった?とは思ったものの、会場中から本当にアコギコールされたのはさすがに笑った。
傍から見ると異様な光景でもこれが成り立つさなちゃんねるが好きなんですが、ただ名取の手綱の上手さに頼るだけではなくリスナーとしてもこれが成り立つような節度を保っていかなければならないと後で思い返して身を引き締めました。
しかし、こうしろと言われたり事前にネタ振りがされたりしたわけでも、ましてや意思疎通ができるわけでもないのに観客のこの一体感、すごいけどマジで何?


アンコール1曲目は「モンダイナイトリッパー!(Mitsukiyo Remix)」。
やっぱアガるなぁこれ!すっかり名取のオリ曲の代表格ですもんね。sasakure.UKさんの原曲とMitsukiyoさんのリミックスとバンドアレンジが組み合わさって最強。終盤に来ると盛り上がるタイプの曲が終盤に来ると盛り上がります(あたりまえ体操)

そしてアンコールの名取は衣装を少し変えてライブTシャツのアレンジで登場。そりゃライブだもんな、これも絶対やりたかったんだろうなぁとニコニコしちゃった。似合ってるぞ。


そして次の曲のイントロをエンドレスで流しながら(これ大好き)告知を含めた最後のMC、最高の演奏を見せてくれたバンドメンバーの皆さんの紹介が終わり、昼の部最後に披露されたのが「いっかい書いてさようなら」。

いやこれもさぁ!終わりに相応しいエンディング曲すぎて最後に流れたら問答無用で「あぁ、いいイベントだったなぁ……」ってなっちゃうやつ!
これもまた生バンドだと今年の「ばくたん」で披露された時とはだいぶ違う印象になる曲でしたね。
すごく好きな曲なんですが、「ライブだし絶対に来るだろ!」というタイプの曲ではないと思っていたので、最後の最後で来たらそりゃうおっちゃいますよね。

極めつけのラスサビの銀テ発射!そりゃ銀テをパーンッてやりたいよなぁライブやるんだったら!公演ラストならではの最高の景色だった!
自分がいたところが銀テが飛んでくるギリギリのところくらいで、空中でキャッチできて「よっしゃあ!!」って声出ちゃってました。
これがホール以上の会場になってくると銀テなんて本当に一部の人のところにしか行かないですからねぇ。


昼の部を全て歌い終えた名取に目一杯のありがとうを送りながら、名残惜しくも大満足の昼の部が終了します。
銀テが十分行き渡っていたのか前方から余った銀テが回されてきたので、自分より後方の人へ要らないか希望を募ってリレー。受け取ってくれた人が笑顔でこっちまで嬉しくなります。
なにこの優しい世界。でも馴れ合いじゃないよ。


退場も始まり、「これで本当にまだ半分なのか…?」という驚きを覚えながら歩き出します。しかしここで元より懸念していた事態……ライブの楽しさが麻酔となって忘れさせていた異変が痛覚として現れ、私の脳が危険信号を送って訴えかけてきます。
汗による体臭でも睡眠不足による睡魔でもなく、それは足腰の限界でした。

なんかもうとにかく痛い!
普段椅子に座った生活ばかり送っており腰が曲がってしまっているので、ライブ中ずっと背筋を伸ばしてまっすぐ立っていた+腕以外はほとんど身動きが取れなかったことによる腰の痛み、そしてライブ中足をほぼ微動だにせずにいて凝り固まった足の痛みのW処方。
立っているか銀テをリレーするだけならまだ耐えられたんですが、退場口に歩みを進めた瞬間に結構「これはヤバい」と確信する程度の痛みではあり、これを何とかしなければ夜の部を耐え抜くことはできないと判断し、先程見たところ休憩できるスペースも多そうだった六本木ヒルズへ避難。

昼の部のうちに雨が降っていたようで、日も大分落ちたのも手伝って外にいても過ごしやすい気候になっていたので、屋外にあるベンチでストレッチして体のダメージを和らげることにのみ集中することに。
周りにちらほらいる自分と同じライブTのオタクはそれぞれスマホをいじったりして時間を潰しており、えっ君らストレッチしなくていいんだ……いいな……と思いながらひたすらに体を伸ばしていました。
まあ自分の不摂生に過ぎず、そもそもライブで立ちっぱが続くと足腰がヤババのバなのは別に最近に限った話でもないっていうね。


長時間ストレッチをし続けたことによって体も大分楽になり、昼の部出口で受け取ったmouse様チラシとなすど割引券、ZONe ENERGYを入れるカバンがないので再びアルバムを入れたコインロッカーへ。えっ割引券!?
こういう場でチラシをもらった経験は数あれど動物園の割引券をもらったのは初めてです。いや今後もあるか?それだけせんせえがなすどへ足を運んだ証明でもあるけど、これもまた素敵な縁だよな~。
そして一瞬ロッカーを開けて荷物を入れ直し、再度同じ金額を払ってロッカーを施錠。金に糸目はつけねえ。

そんなこんなであっという間に夜の部の入場時間も近づき、さすがに昼の栄養ゼリーだけでは倒れてしまうので再度コンビニへ。
同じ栄養ゼリーと今度はツナマヨおにぎりを食してチャージ充填100%!(真似しないでね)
入場口へ向かいますが今回のチケットは一般販売分で番号もCの最初の方、そう慌てる必要もないので列に並ばず列近くの空きスペースで再度ストレッチ。周りでこんなことやってるの自分しかいねぇ……。
いいもんライブの恥は掻き捨てって実際思ってるし事前配信でも名取言ってたもん!

そしてCの入場の番になり再度入口へ。このへんは特筆すべきところもないのでカット。開演前の「けつラジなるよ!」はやっぱり言えませんでした。そして夜の部が始まる!

夜の部

夜の部の1曲目は「ファンタスティック・エボリューション」で、2曲目は「惑星ループ」。昼の部と入れ替わった形に。順番が代わっただけですごく印象が変わるのが驚き。
ものすごく分かりにくい感覚的な例えだと思いますが、「惑星ループ」は「”名取さな”の1st Liveの1曲目」、「ファンタスティック・エボリューション」は「名取さなの”1st Live”の1曲目」という属性をそれぞれ持った曲な気がしていて、その役割を昼と夜で交代させたのかな、とか思ったり。
そういうのもあってなんとなく「惑星ループ」は昼しかやらないかもと考えていたんですが、昼と夜どちらも参加できる人ばかりではないですからね、両方ともやってくれました。
隣のせんせえが夜の部で初参加っぽかったですが、おそらく昼の部から一切の情報を遮断してたんでしょうね、「惑星ループ」のイントロが流れた瞬間に絶叫して狂う瞬間が横目に見られて非常に良かったです。

3曲目が「ライアーダンサー」。
ボカロ系統(だよね?)には滅法弱く、初見の曲でした。
コールが楽しい曲でしたが、それゆえに曲を知らない人ばっかりだったらどうしよう……というのは名取も危惧していたようで、モニターでもちゃんとわかりやすく演出されていたので初見でも2番からはしっかりコール入れられて助かりました。
初披露の曲でも2番からBメロにPPPH入れるのがオタクだからな。

4曲目が「私論理」、5曲目が「夜を待つよ」。
ボカロ関係ともう一つ特に弱いジャンルが他のVTuberの曲で、これまた未履修でした。
しかしどちらも聴かせる感じのチルな曲だし曲そのものがべらぼうにいいので聴き入ってましたが、名取と親しい娘やよく名前の出てくる娘の曲は有名どころくらいは押さえておかないとな……と反省しきり。
どちらもシティミュージックというのか?音楽は詳しくないので間違ってたらアレなんですが聴いていると夜景が浮かんでくるような曲で、「夜の部」の選曲なんだな、というのが聴いていてすぐに伝わりました。

6曲目は「オドループ」。
これもまた知らな……知ら……いや……いやこれ!これ聴いたことある!!
サビまで辿り着いて全てを思い出し全てを理解しました。この女が我々を、会場を踊らせようとしていることを。
カバー曲でも特定のジャンルに偏ってないあたり、本当にライブで盛り上がる曲や歌いたい曲を考えてセットリストを組んだんだなというのが感じられます。

そして、昼の部を体験した誰もがそろそろ思ったことでしょう。
「セトリ変わりすぎじゃね……?」と。

あらかじめ昼と夜でセトリが違うというのは明言されていたことですが、そうは言っても普通は数曲違う程度じゃないですか。
ましてや名取にとってはこれが初ライブだし、共通の基本フレームをブロック分けした中で何曲か入れ替わってるくらいだろうと。
ここまで違うとは誰も予想しないでしょ……。
全体のセトリを見ると昼夜で共通の曲はあっても出番の場所が違ったりで完全に同じ曲はないんですよね。
これ、昼と夜で別のライブをやってるようなもんでは……?
やりたいことを全部やろうとした結果なんでしょうけど、それを本当に全部やる女、すごい。


ここからはまたスマホで撮影可能なブロックに突入し、またプルプルの左手でスマホを構えながら始まったのは「弱酸性ラジオブレイク」。
ラジオのテーマソングとして毎週聴いてますが観客として聴くのは初めてで、バンドアレンジでまたなんというか……ベースが……エロい。
これもあちこちにコールが入る曲で、「ばくたん」後夜祭の映像を見てこれも声出ししたいなぁと思ってたので楽しかったです。

曲中で読まれるお便り、最後の5通目で聞き慣れない単語が。
「何だ?ライブ用のオリジナルか!?」
と身構えていると、聞き覚えのある太鼓の響きが………


やりやがった!マジかよあの野郎ッ やりやがったッ!!


まさかの「おしりぷり音頭」とのマッシュアップ。
そして「そういえばいなくね?」とは薄々思ってたけどまさかの舞台袖から法被を着て和太鼓を叩きながら再登場するドラムの樋口さん。
な、何だこれは……(困惑)
大の大人が全力で悪ノリした結果だそうですが絶対これ企画会議で話し合ってる時めちゃくちゃ面白かっただろ。
やりたいこと全部やるにしてもやりたい放題やるとは聞いてないぞ。

ってかドラムやる人って和太鼓やれるんだ……。
ギターと三味線くらい別物の気がするが……。


戻るな―――――!!

本当に面白かった。完敗です。
おかげでラジオブレイクにドンカラカッカって太鼓の音がないと物足りなくなるようになったんだけどどうしてくれんのこれ。
バンナムの人がこのライブ見てて何かの間違いで明日からラジオブレイクが太鼓の達人に追加されねぇかな。

後でアーカイブ確認したら樋口さんオドループ明けにはもういなくなっててワロタ。後から見るともう全てがおもろい。
インサートされる無人のドラムのカメラが伏線なんてことある?


撮影パートは終わり、「ノーゲスト、イン、ザ、テアトロ。」へ。
高低差ありすぎて耳キーンなるわ!(フット後藤)
カバーも多いライブでしたがオリ曲の数もいつの間にか半端ないことになっている名取さななので、オリ曲だけでこんな落差を作れるんですね。
コラボやコンピレーションを抜きにしてオリ曲数20は大手企業の歌うまVTuberより多いぞ。

2回目だったので昼の部よりもじっくり聴くことができたように思いますが、確かに歌詞は名取がMCで言っていたように暗く重たい、少し陰鬱とも言える内容でした。
しかしながら本当に曲のタイトルがピッタリで、誰もいない劇場の舞台で一人歌い続ける画が浮かんでくるような、暗さよりも美しさが勝ると感じました。ちょっとだけ「プリパラ」の「0-week-old」がよぎったのは自分だけでしょうか。


続いては「アマカミサマ」。
個人的には今回のライブのバンドアレンジで一番原曲と印象の変わった曲です。これまでの曲だと「かっこいい」「オシャレ」と感じるものが多かったですが、これは言うなればリミックスに近いような。
当時の「ばくたん」で初披露された際は、初期のオリ曲にポップな曲調が続いていた中で一風変わった透明感のある曲が来て、名取の違った一面を見せたと思った曲でしたが、それから時間も経った中でこの曲自体もまた違った一面を見せてくれたようで嬉しかったです。


夜の部もラストスパートに入り、まずは「パラレルサーチライト」から。
終盤で来ると盛り上がる曲が終盤で来ると盛り上がる、みんな知ってるね。

からの………


お、

「面影ワープ」!?

えっ!?

うわああああああああああああああ!!

大好きだけどちょっっっと予想だにしてない曲が急に来た!!
するとどうでしょう、オタクは死んでしまいます。

マジかぁ………………。

イントロで「!?」となり、半信半疑で「まさか」「そんなはずがない」と思っていたものの、Aメロが始まって本当に「面影ワープ」なんだと確信すると泣きそうになってしまった。

Twitterやnoteでの感想とかを見てるとこれまでカバーで出てきた曲は知っててもこの曲は知らない人が多そうな感じが見受けられた感があって、逆に自分はこの曲以外がほぼ初見だったので人のことは何も言えないんですが、それは置いといて自分本当に思い入れ深いんですよこの曲。
我慢できないのでちょっと早口で語らせてもらうと、P.A.WORKSが制作したオリジナルアニメ「花咲くいろは」の第2クールのOPになっている曲です。アニメのあらすじとしては母子家庭で育った女子高生の緒花が、母親が男を作って夜逃げしてしまったのを機に、母と疎遠だった祖母が女将をやっている老舗の温泉旅館を頼ることになりますが、住み込みで旅館の従業員として働くことを条件にされてしまいます。緒花は慣れない仕事や新しい環境、人間関係、微妙な関係のまま離れてしまった彼、様々な壁にぶつかりながらも少しずつ成長していく……という、笑いあり涙あり青春もあれば恋もあるNHKの朝ドラみたいなアニメです。

これが放送された2011年の春が自分も緒花のように新しい環境にちょうど身を置いた時期でして、しんどいことも辛いこともたくさんあったんですが、折れそうになっても挫けずに前を向く緒花に勇気をもらった、自分にとってもすごく大切なアニメなんです。
色褪せない名作なのでぜひ多くの人に見てほしい。←おいなんかYouTubeで無料配信始まったらしいぞ!全人類さん見よう!

「面影ワープ」はその第2クールなので7~9月の真夏の放送時の主題歌で、作中でも季節は夏だったんですが、それもまた現実とリンクしていて不思議な気持ちになる曲なんですよね。
もう戻らないあの夏、あの日々、あの青春。胸の奥底に染み付いた記憶を振り返る、ノスタルジーがほろ苦いエモ曲です。

そんな魂のアニメの魂の曲が来るとはさぁ……思ってないじゃん……?びっくりしちゃうじゃんか……。
後から振り返ってるからこんな文章量ですが会場ではもう頭空っぽで叫んでペンライト振るしかできなくなってました。
名取の選曲センスはいいよね~とは言ったけどさすがに良すぎにも限度ってもんがあるぞ。


そして、「オヒトリサマ」で迎えたさらなる最高潮の盛り上がりのままの勢いで「ソラの果てまで」を伸びやかに歌唱し、未来へずっと広がっていくような光景を見せて本編は終了します。

またアンコールが起こり、もうこのあたりで喉もかなり終わってましたが、アンコールはしたいので休み休みアンコールしてました。でもちゃんと言っててえらい。


アンコール1曲目は「さなのおうた。」でした。
そうだよな、ここで来るよな!これがないと締まらないよな!という納得感。名取初のオリジナルソングかつファンメイドの作品という今となっては特殊な立ち位置の曲で、包み隠さずストレートにリスナーへの感謝を伝える、誕生日イベント「ばくたん」4回中3回ラストに歌っているアンコール常連中の常連曲。生バンドライブでもしっかりアンコールで来てくれました。
イントロが流れただけで……ってとこはありますよね、名取を追ってると。
この曲も声出し解禁でコールができることにより双方向性の曲になれたのが嬉しい。

「ばくたん」だとイベントを笑顔と感謝で締めくくる曲ですが、今回はバンドアレンジも加わっていつも以上にテンションが上がり、フィナーレに向けた助走にもなっているのが印象的でした。

 
 

そしてアンコール2曲目。
夜の部ラストであり、またサナトリック・ウェーブのラストでもある曲は「足跡」。ちょっとここでの出番があまりにも良すぎて感無量だったので昼の部のレポートでは省かせてもらいました。

このライブに向けて「ファンタスティック・エボリューション」「オヒトリサマ」「足跡」の3曲がリリースされ、どれも甲乙つけがたい名曲なわけですが強いて言うならこの「足跡」が一番好きなんですよね。
これまで辿ってきた道のりを夕焼けの帰り道になぞらえて振り返り、今の自分に繋がっているこれまでの歩み全てを認めてあげながら、また明日へと歩き出す。
過去と現在と未来を線で繋いでいくような曲だと思っています。

これ以上ないほど素直な気持ちで感謝を歌う「さなのおうた。」、そして、自分の「これまで」を胸に抱いて、そして明日からの「これから」を歩き始めていく「足跡」。
アンコールにこの2曲が揃ったことで、感謝だけではなく、今回の1st Liveだけの話でもなく、「今日までいろいろあったけどこのライブがやれてよかった」と言っているような、観客にもそう問いかけられているような、そんな気持ちになりました。
考えすぎかな?でもそんなメッセージだったらいいなと思ってます。

「足跡」は特に曲のアウトロが好きで、ここに入ると何度聴いても条件反射で泣きそうになってしまってこのライブも例外ではなかったんですが、今回ばかりは主役を差し置いてこっちが泣くわけにはいかんと堪えました。
ラスサビで銀テが降ってくる奥に見た、ステージで歌ってる名取の姿、最高に誇らしかった。ずっと忘れんぞ。


全ての歌唱が終わり、これで自分が舞台からはけたら本当にこのライブが終わってしまうからと曲を終えたがらない、退場したがらない名取。それがなんだかいじらしくて微笑ましい。
いきなり無茶振りされたウェーブなんかをしつつ、今度こそ名取が退場していきます。その様子に自分も会場中のせんせえもみんな「ありがとう」を送っていました。叫んでいました。
言いたいことはこうやって文章に起こせばいくらでも出てくるんだけど、もうその場ではありがとうとしか言いようがないんだよな。

こうして興奮冷めやらぬ中、夜の部も終演を迎え、名取さな 1st Live「サナトリック・ウェーブ」はその幕を下ろしたのでした。


最高のライブだった……。
なんというか、名取の今やりたいこと、見せたいこと全てを余すことなく詰め込んだという感じで、2021年に開催の「ばくたん」のような強い意気込み、勢いを感じたライブでした。
「名取さな」の楽曲にこだわりすぎず、歌いたい曲、盛り上がる曲、チャレンジャブルな曲……と、オリジナルとカバーを混ぜ込む塩梅。
「ライブで◯◯な曲」という役割を持たせた新曲3曲、名取からのメッセージが込められたさらなる新曲2曲。
セットリストをガラッと変えて飽きさせることのない緩急ある構成。
名取さなが音楽をやるとこうだぞ、と突きつけられたのがここまでのものと予想できた人がいるだろうか。
気が早いにも程がありますがもはや2nd Liveを期待せざるを得ない自分がいました。というか会場にいるみんなそうだったんじゃないか?
ただ一つだけお願いするなら次こそは土日で頼む……!いろいろ事情があるのはわかるんだけど!そろそろイベントの平日開催は現地参加できなくなるかもだぜ!時間とか立場とかなんかいろいろ的に!


それはさておき、昼の部の痛みにさらに夜の部の分が上乗せされたら今度こそ命はないという覚悟をしていたのですが、死の淵から蘇ることで強くなる戦闘民族だったのか退場を始めても体の痛みはさほど感じず、心の底からの充実感と満足感によってむしろ体が軽いくらいでした。「足跡」の最後なんてしっかりジャンプまでしたからな。
名取さなのライブはまだ癌には効かないが少なくとも腰痛に効くことは証明しました。

これで次の日が仕事であれば新幹線の時間もあるので余韻もそぞろにそそくさと帰りださなければならないのですが、有給であれば話は別、もはや恐れるものはありません。俺は無敵だ(筋肉痛を除く)
本当に休みを取っておいてよかった……。やったぞ過去の自分、お前の勇気が未来のお前を救うんだ。

帰路につく他のせんせえ達を横目に見ながら、なんとな~く会場付近をブラブラしてみたり、入場口近くに上がって腰掛けてみたり、現金レジのみだから自分は買えない物販列を覗きに行ったり……。
夜風が少し涼しくて、でもやっぱりまだ夏だなと思う蒸し暑さで、その間も頭の中ではさっきまでやってたライブの光景がフラッシュバックしていて、耳にもまだライブの音が残っているような。
夜に開催するライブの終演後の空気ってどうも切なくて好きだな。

あとしっかり馴れ合い禁止なので、ありがちな「わ~〇〇さ~ん!」とか言いながらオフで集まったメンツが輪になって……みたいなグループが本当にいないのも心地よさに一役買ってたかな(ちくちく言葉)。
絶対いるよな、よくわかんないけど集まって輪になってる謎の連中。


とはいえ明日のなすどへの出発も早く、ずっとここに残っていては体を休める時間も短くなっていく一方なので、頃合いを見て会場を後にし、六本木ヒルズのコインロッカーから荷物を取り出して赤坂のホテルへ出発。
昼のように汗だくになることもなく、ライブの楽しさが忘れさせていた足腰の痛みを徐々に感じながらも来た道を徒歩で再び帰っていったのでした。


もうなんか脳がバグっていて色々な感覚が麻痺しており空腹感も全くと言っていいほどなかったのですが、「何か食べたい」という感覚よりも「何か食べておかないと絶対にヤバい」という理屈を頭の中で上回らせ、ホテル近くにあった某牛丼チェーンに寄ってプレーンカレーをライス少なめチーズトッピングで食してお腹いっぱいに。我ながらなんて省エネだ。
あ、牛丼っていえば思い出すのがさぁ……(発作)

酒でも一杯飲みたいところではありましたが、睡眠の質を少しでも悪くしたくなかったので我慢してホテルにノーアルコールチェックイン。
そのまま自分の部屋のベッドに倒れ込むと、今日あったいろんなことが頭の中を駆け巡り………


………いかんいかん!これ寝るやつ!
こんな状態で寝落ちでもしたら全てが台無しです。とりあえずは館内着に着替えて大浴場へ。
そう、赤坂のホテルにした一番の理由は距離の問題ではなくこの大浴場に入りたかったからなのです。イベント終わりに入る大浴場なんて妖精の泉と同義ですからね。
ちなみにここで最初間違えて女湯に入ろうとしたことは誰にも秘密です。うっかりレンタカーではなくパトカーに乗るとこでした。出入口がICカードで制御されるタイプで本当に助かった。
気を取り直していざ入浴です。平日だけあって人もおらず、体を綺麗に洗ってから湯船にDIVE IN!

あ゛ぁ゛~~~~~!゛゛

と声が出ました。たまらん。
バラバラの体がくっついていく感覚がありました。今の今まで自分の体ってターンX状態だったんですね。誇張抜きでこれは生き返る……。
ここまでいろいろあった、大変だったことも楽しかったことも全部ひっくるめて最高の一日だったなぁ……という全てを赦す凪のように穏やかな精神状態。
心も体もリフレッシュして自室に戻り、ソシャゲのデイリーだけ終わらせるとちょうど日付も変わったところ。
長いようで短いような深い思い出になる一日を終え、また次の日も最高の一日にするためにすぐに就寝したのでした。


9/20 なすど遠征

消灯してから5秒で即落ちし、9月20日。
朝6時にばっちり起床成功。前日の睡眠時間2時間で体力限界でもちゃんと起きれるもんだと我ながら感心していたら何か体に違和感が……?

ケ、ケツがとんでもなく痛てぇ!!しかも右だけ!右足の付け根とケツだけが異常に痛い!
大浴場でも体はほぐしてたんですがちょっとここだけ致命的に足りてなかったみたいです。
付け根だけ痛いから右足のパーツだけ取り外してメンテナンスしてぇ……とか考えながら身だしなみを軽く整え、昨日の帰路にコンビニで朝食用に買っておいた一本で満足できるというバーで腹ごしらえしてチェックアウト。朝の赤坂から再び東京駅へ。

赤坂にもレンタカー屋はあったんですが開店が8時で、もし8時ちょうどに出発しても3時間の移動時間を経ると到着は11時。
なすどの開国は10時ですから、閉国までの丸一日を過ごす計画としては1時間の差は大きいので、7時から営業の東京駅のレンタカー屋に開店から行ってすぐ出発、10時のオープンから楽しんじゃおうという計画です。

そう、計画では。
 
 

……で、東京駅で案の定迷子になってしまいました。
全然わからん!!地下鉄から来たけど八重洲って誰?東西南北ってどこ!?

方向音痴ではないと思ってたけどちょっと今日から認識変えた方がいいかもしんない。
地図があるのを見つけるたびに立ち止まって自分の位置と向かう方向を確認しながらやっとの思いでレンタカー屋へ到着。終始ケツも痛くて泣きそう。
東京駅はアプデでミニマップつけるなり目的地をアイコンで表示するなりした方がいいと思います。

諸手続きを済ませ、車に乗り込んだところで時計は7時30分。まぁまぁ、まだ全然許容範囲内です。
昨日のライブでもらったZONe ENERGYも1本ドリンクホルダーにセットして、これで燃料の心配はありません。
急いでいたのでスマホとナビをBluetoothでつないで音楽をかけるのはどこか途中のSAかPAでやることとして早速出発。
東京駅の地下駐車場が首都高に繋がっていて、出発から直でそのまま高速道路に出られるみたいです。なんか昔のロボットアニメの秘密基地から発進するみたいでかっこいいな!
首都高って以前旅行で同期の運転で乗ったことはあったんですけども、自分で走るのは初めてなのもあって結構ワクワクでしたね。
走りにくくて苦手という声を聞いたことはあるけど言うて運転歴もそれなりにあるんだからまぁ何とかなるでしょう。
ゲートを通過していざ首都高へリフトオフ!


いや首都高怖すぎ!!!!


何が怖いってまず高速道路に入るための加速レーンの距離が短すぎる。
走行車線が横目に見えたと思ったら前方ではもうレーンが終わってるので、車線に車がいないorちょっと空いてるor優しい人が減速して空けてくれることを祈りながら当てずっぽうで走行車線に移るしかない。
もしかして首都高って死んで覚える系?当方ライフ1しかないしコンティニューもできないのでちょっとユーザーフレンドリーではないかなと思うんですけど……。

無事に乗れはしたもののいきなりこれまでの高速道路では未体験な場面に遭遇し、今の何!?怖!!と心臓バクバクでずっと一人でキレてるのか怯えてるのかわからんリアクションとってたんですが、東京のビル街の中を走っていく風景を見てると本当に首都高を走ってるんだという田舎者らしい感動はありましたね。

そのうち「あ、ここなすどバスツアーで走ってた覚えあるな」という道に出て、東京の中心地へ向かっていく反対車線の混雑具合を見て「これが毎日は大変だなぁ」と他人事の感想を抱きながら埼玉方面へ抜けていくと、いつしか道も3車線に広がっており……は、走りやす~~~い!
ユーザーが高速道路に求めてるのはこういう設計であってさっきのワンミス即死の高難易度じゃないんだよ!
ということで走りやすくなったところで途中のSAに寄ってBluetoothも接続し、名取さなプレイリストとZONe ENERGYの給油で気分を上げながら那須方面へとひたすら北上していきます。


出発からちょうど3時間、10時30分に那須どうぶつ王国へ無事到着。
やっぱ自分で走るっていいね!特段車好きとかドライブ好きというほどではないですが、車がないと生活できないところに住んでいるので運転は苦手ではないし、なにより知らない道を走るって刺激的で楽しいですからね。
一度バスツアーでなすどには来ていますが、同じ道でも自分でハンドルを握って運転して来るというのはなんというか新鮮で受ける感覚が全く違ってきて、やはり自分で経験してこそだなと強く感じました。

もちろんバスツアーはバスツアーの良さやメリットがあってのものですけどね。ぶっちゃけ次来るなら誰かに運転をお願いしたい、金を払ってでも。

ここでパシャリ、旅の足になってくれたヤリス君。
初めて乗りましたが悪くなったアクアって感じで結構好きかも。


世間は3連休前の平日だったので「おいおい一番乗りか~?」くらいのノリを予想していたのですが駐車場は既にそこそこ混雑しており、「大人気コンテツン過ぎんか……?」と若干ビビりました。
カップルや子連れのファミリーからご年配の夫婦、幼稚園の遠足まで客層も様々。あまりに自然にやっていて忘れがちですが県民に愛されている施設とコラボしてるんだな……と実感。

天気は快晴ではないあいにくのお天気ですが曇りによる照りつけの無さ、山の上の湿度の低さも手伝って、昨日の灼熱地獄と比べるとまさに天国。逆にあいにくなお天気で助かったくらいでした。
ちらほらライブT姿のせんせえも見かけましたが、自分のTシャツは汗でギトギトなのでお留守番、ただせんせえの証は何か付けておきたかったのでリュックにライブグッズのみっちりもちもちマスコットをつけて準備完了。
アソビューで予約していたコラボチケットでいざ入国!うおおおおおおおおおおおおおおおおお

 
まずは入ってすぐにあるおみやげ屋のコムリーにて、「やっぱライブで売ってた新グッズねぇわ…」という当たり前のことを確認し、一旦退店してリスの森へ。

「リスを見る」ではなく、「リスの住むところに入る」という体感型の鑑賞ができるところがこんな入ってすぐにあるのがなすどの特徴であり魅力ですね。すぐ足元をリスが人間なんて気にもせず走っていて最高!

なんでこんな体勢で寝てるかはわかりませんがこの後さらに4匹くらいのしかかってきて決壊してました。こんな人生がいいな。

あまりに犬。
最近バブも生まれてめでたいホッキョクオオカミさん。
この頃はまだバブが出てくるのが終わりがけの時間のみだったので絶対帰りに見ようと思ってたら普通に忘れました。

熱帯の森でバブのどらやきとご対面……と思ってたらもうどう見てもバブではないイケメンがいた。
これがどらやき……いやどらやきさん?なんだよね?
しかし何度見てもポケモンすぎる、どう進化したらこんなデフォルメの効いたデザインになるんだ。

あ、ども

わんにゃんリビングでワンさんとニャンさんに触ったり、ミーアキャットやペンギンを見たりしつつ、タウンエリアとファームエリアを繋ぐバス乗り場を見ると名取コラボラッピングバス(ナンバー38の方)が待機していたのでパシャリ。
なんか、さも当たり前みたいに動物園に馴染んでるよなこの女。

カビパラ(液体)

前回訪問時は雪の中温泉につかっていたカピバラ一行。
今回は初めて触ることができてけっこう感動。意外とゴワゴワしてる!
自分は背中をさすってやるくらいでしたが飼育員のお姉さんが撫でると即座にコテンとなり全てを委ねるカピバラ。
お前の種族これでやっていけてるのか、野生で……。 

ここがあの女の次のイベント会場ね!

ということでかなり最速の部類で下見に行ってきました。本番行けるかどうかはまだわかりませんが。チケット的にもお金的にも……。
バスツアー、バーベキュー、イベントステージ。そして待ち受けるであろう巨大迷路を楽しみにしています。
今度はZONeじゃなくてキッコーマンの烏龍茶が配布されるのかな?


前回行ったなすどの経験からお昼時のレストランは混雑することはもう分かっており、6時に食べた一本で満足できるバーしか腹に入っておらず11時過ぎの時点でちゃんと空腹になっていたので、人が少ないうちに早めの昼食を取りにレストランのヤマネコテラスへ。
またこれも前回の反省というか、次来たら絶対やるぞ!と決めていたのが「那須和牛カレー」を食べることでした。

というのも、名取の配信で「ツシマヤマネコ米を使ったカレーを食べると寄附になる!」とあらかじめ聞いていたので前回はカレーを注文する気マンマンで行ったのですが――その日付は2023年11月25日。
自分の住む地域ではそろそろ本格的に冬が始まりそうというくらいの空気でしたが那須の山の上はすっかり冬、その日は時折吹雪いていて完全防備でないと自分のような秋気分の軟弱者は凍死待ったなしの天候だったのです。
バスツアーで受付してくれたお姉さんは「多少肌寒い」と言っていましたが……なんだろう、こっちの言葉とちょっと違ったりするのかな?

で、前回のヤマネコテラスは吹雪いている中、昼のピーク時に外で20分ほど並び、メニューを注文する頃には手はかじかんで鼻水ダラダラの有り様。
並び始めた頃はカレーを注文するぞと意気込んでいたものの、いざレジの前に立った自分が注文したのは「トチブーラーメン」でした。心が弱ぇんだ。

そんなこんなで弱い自分と決別するリベンジ戦となったヤマネコテラス。
多少涼しいとはいえじっとりする暑さでラーメンを頼む必要もないので潔くレジでカレーを注文!そしてびっくりするくらいすぐ出てくる! 

着丼!うっひょ~~~!カレーの中にはどでかい豚とゴロリと転がったザク切りの野菜ィ!カレーもしっかりスパイスの効いた大人の味。弾力がありつつも柔らかいトロトロの豚とカレーを一緒にかき込むとご飯が進むゥ!
美味すぎてSUSURUさんが出てしまいました。いやこのカレーお世辞とか抜きにめちゃくちゃうまくないか!?肉はでかくて柔らかくて肉厚、野菜もシャキシャキで最高。
野菜って個人的にはそれ単体ではそこまで好まないんですがカレーにつけて食べるとうまいよね。ご飯が進む進む。
あっという間に完食ゥ!ごっさまです!←あっ、またSUSURUさんだよ
 
雪辱も果たせたところで店から出ると、相変わらず外はあいにくの…… 

あっ、あいにくのお天気ィーーーーッ!!

いつの間にかめーちゃくちゃ雨降ってました。どうやらベストタイミングの昼食だったみたいです。
予定ではこのままファームエリアに移動するつもりで、なんなら自然道を通って行ったっていいと思ってましたがさすがにこれはバスでしか行けないのと、向こうに行くと屋根もほとんどないので、一旦雨の勢いが弱まるのをタウンエリアの全天候型施設で待つことに。
ところで「土砂降り」ってめっちゃ「ドシャア」って降ってる感じの響きしてるよな。

お前がカレーを食べるのをずっと見ていたぞ

次第に小雨になってきたのでバス待ちの列に並んでファームエリアへ。
バスは3台が稼働しており、2台到着したところの1台目に乗るところだったんですが、2台目が名取コラボバスだったので「こっちに乗りたいです」って言って名取バスに乗せてもらおうと思ったんですがチキンが発動してそのまま1台目に乗りました。


ファームエリアに到着するとニュージーランドファームショーが……雨天により残念ながら中止になっていました。
が、その代わりにまだ一人前になっていない牧羊犬の練習の様子を見せてくれて、逆にレアなもん見れたんでは?というお得感。
不慣れだけど頑張っててめっちゃよかった。 大きくなれよ未来のスター!

女は海(述語もでかすぎる鳥)

そのままファームエリアをブラブラし、時間は13時過ぎ。
カレーを食べてそれほど時間も経っていませんでしたが足腰に疲れも溜まってきていたのと、少食といっても別に食べようと思えば食べられてしまうので、休憩がてら名取の中継配信でも話題に出ていた炭火焼ベーコン串を食べにBOCCAへ。こんなもん字面の時点で既にうまいだろ。 
 

ベーコン串とご対面!うっひょ~~~!焼けたベーコンと炭火が混ざり合った匂いが嗅覚を刺激してたまりませ~~ん!←あっSUSURUさんだ
噛みつくと滴り落ちる肉汁、程よい焦げ感、空腹でもないのにバクバクと食べ進んでいって止まらない。字面だけじゃなくて本当にうまい……。
そして喉が乾いたので自販機でドリンクも購入。買ったのはもちろん~?
 

ドクペ!
車だからアルコールは飲めないけどゴキゲンすぎる昼下がり。
ちょっと頑張って来た甲斐があったよな…!とかなり満足感に浸りました。

ナスドシロモップ

その足でウサギさんを触ったりラクダさんを見たりしながら、こちらも最近バブが生まれたヴァレーノーズブラックシープのところへ。しかしバブはいませんでした、残念。
大人の羊たちにエサをあげ、さらに前の人たちが落としていったエサを恥ずかしげもなく拾って羊にあげてしまう高度な貧乏プレイも見せていきます。

そしてファームエリアの入口近くへ戻るともうすぐバードパフォーマンスショーのブロードが始まるというアナウンスがあったので観覧エリアへ。
ファームエリアに着いてからというもの雨どころか雲間も消えて太陽さんがコンニチハしており、ジリジリとした暑さの中観覧エリアで座って待つのは正直キツかったですが、持ち合わせていた折りたたみ傘でなんとか直射日光をしのいで待つことができました。サンキュー傘、サンキュー日陰。
こんなご時世だし性別とか関係なく晴れ雨兼用の傘持っててもいいのかも。

そしてブロードが開演。
前回のなすどでも観覧しましたが目と鼻の先をワシやミミズクなどの大きな鳥が飛んでいくのはいつ見てもすごいパフォーマンス。
前回は公演の後半ではハヤブサの空中獲物キャッチを見ましたが、今回は内容が違ってヨウムのオリビアがお客さんの質問に答えるというもの。
また違ったパフォーマンスが見られたのも満足です。


ブロードが終わり、そのまま観覧客がバスの乗り場へ並んでいって長蛇の列になっていたので、ラッシュを避けようとまたファームエリアをブラブラして動物を見たりアイスを食べたり、しばらくして乗り場へ戻ってくると先ほどと同じくらいの列が並んでいました。そっかぁ。

かなりレアな、男子トイレから眺めるアルパカ

閉国時間も徐々に迫ってきているので観念してバスの列に並びます。そんな中、名取のライブTを着たせんせえが元気に自然道へ歩いていく姿が。
自分はブラブラしているだけといっても着実に体力は消耗していっていたので、すっかり自分の頭の中から自然道を通って帰るなんて選択肢は消え去っていました。行きでこそ自然道を通る気もありましたが、もしこの状態で行ったが最後そのまま自然に還っていたことでしょう。
 
バスは4台に増えて相変わらず忙しそうに運行しており、ようやく自分が乗れる番になると今度は名取バスではない2台が来ていたところで、自分はギリギリそのウェーブの最後に乗れるかどうかというところだったので、次に必ず来る名取バスに乗るためにも「自分は次のに乗ります」と言って待つつもりだったんですがチキンが発動してそのまま来ていたバスに乗りました。
こうして名取バスに乗るという実績は解除できずに終わりましたとさ。


タウンエリアに戻ったところで時間は15時30分、閉国まではあと1時間。
午前中に見た動物たちをもう一度見に行ったり、見忘れた動物に会いに行ったり、「アニマルま~る」CDやトートバッグなどのコラボグッズ、おみやげを買ったりしながら残りの時間を過ごします。

お、お前プルプルしてるけど大丈夫かそれ……
ほら言わんこっちゃなーい!

閉国のその時間まで園に残るのはやっぱりチキンでできないので、16時20分ごろに名残惜しくも出国。
到着から数えること約6時間、全く飽きることもなくのんびりとして充実した時間を過ごすことができました。
動物園とか水族館にずっといられるタイプの人間でよかった~!

完走したカフェ&ストアラリーの台紙。
BOCCAでもらったマヌルネコのシールの端が少し切れてますがこれレアなやつを手に入れた感じがあって逆に嬉しくない?
穴のずれたエラー5円玉のほうが価値があるみたいな。


最後に記念撮影もして、那須の広大な風景も写真に残してバッチリ!
そろそろ帰るか~!と思いながらその少し横を見てみると……


ナンバー37のほうのバスが駐車場に戻ってきていました。
昨日は六本木まで行って、今日も一日走りっぱなしだったもんな。
お疲れ様。


そして那須どうぶつ王国を後にし、後はホテルに帰って寝るのみ。
……と思ってホテルへ向かおうとしたところだったんですが、なすどから30分程度の街中から離れたホテルに17時に着いてもさすがに時間を持て余すのと、ホテルは食事なしの素泊まりで周りに飲食店もないので夕飯は食べに行く必要もあり、それに何よりも今日も今日とて一日歩きっぱなしでまた大浴場に入りたかったので銭湯を検索。
少し距離はありましたが那須塩原市の健康長寿センターが銭湯をやっていたので、方向転換してそちらへ向かうことにしました。


1時間強走った17時45分に到着。
街中は山の上ほど涼しくはないものの、到着した頃にはもう真っ暗で日の短さに秋の訪れを感じつつ入館。入浴料500円。さすが公共施設、お安い。
行政の長寿施策の施設だし平日夕方だしで自分以外はご高齢の方のみ。とはいえちゃんとした銭湯だったので疲れはしっかり取れました。
今日は体はバラバラになっていなかったものの、ふと見えた右足の人差し指がものすっごい内出血して爪が青黒くなってることに初めて気付きました。痛みは全くなかったんだけど普段の運動不足が祟って実は体が悲鳴を上げてたんでしょうか。ちなみに1ヶ月経った今でも真っ黒です。大丈夫か。

脱衣所の至るところに「ドライヤーで体を乾かすな」だの「窓を開けっ放しにするな」だの注意書きがあったのも歴史を感じて染み入りました。実際にそういう問題が起こらないと注意書きって貼られないからな。
そして椅子の数に対してドライヤーが少ない。髪を乾かす必要がないお客さんが多いからな。

銭湯から出て後はご飯ですが、このへんでそろそろラーメンでも行っとくか!とラーメン屋を検索。
このへんならではの名店を探すのもアリだったんですが、土地勘のないところで駐車場のない店に行く億劫さが勝ったので確実に駐車できる店へ。

着丼!うっひょ~~~以下略!
チェーン店だったけど別にチェーン店の味は認めない面倒なラーメンオタクではないので問題ありません。
地元になくて初めて行く店なら俺にとってはオンリーワンなんだよ!


満腹になったところでいい時間……というか到着時間が割とチェックインの予定時間ギリくらいになっていたので今度こそホテルへ。
変になすどに近くせずに最初からこのへんでよかったなと思いつつ、結果論なので来た道を逆走して北上していきます。
まぁまぁこれも旅の醍醐味だしそもそも一人旅だから誰にも迷惑はかかってない。一人って気楽!誰とも楽しさをその場で共有できないけどね。ただネットでも友達いないから後だろうが結局共有できないけどね。


来た道を戻るということは山へ戻っていくということ。
そして山に入った途端、一本も電灯がない真っ暗闇。マジで怖い。
自分の前方に車がいたからハイビームにもできなかったし、ハイビームじゃないと20メートル先も見えない。そしてカーブで前の車が見えなくなるとまた真っ暗闇。怖すぎるだろうが!
首都高とは違う意味でまた恐怖を感じながらのドライブになりました。なんでこんな朝から夜まで恐怖のドライブを味わわないといかんのか。
なすどからの行きにも通った道で、その時からひょっとしてとは思ってたんですけどね……。

そしてさらに脇道に入っていったところのホテルに到着。
名前にホテルとついてたのでこう呼んでいますが実際はこのあたりに多いペンションとの合いの子みたいな感じで、遠征はビジホばかりの自分にはなかなか新鮮な宿でした。たまにはこういうのもいいね。かといってドミトリーなんかは絶対無理だけどね。


さすがにこの日ばっかりは途中のコンビニで買ってきたビールとつまみで一杯やりました。
この2日間の行程、やりきった……充実していたなぁ……としみじみ。
まだ足もケツも痛いし足の爪は内出血してるし壁が薄くて隣の部屋の声が全部聞こえるけどそんなことはもうどうでもいいんです。
19日の夜の部が終わって以降、ほとんどやっていなかったネットサーフィン……というか1stライブやなすどコラボのハッシュタグ閲覧を肴にうんうんとなりながら酒を飲み、翌日は帰るだけでそこまで急ぎもしないのでちょっと夜ふかし。2本目も買っときゃよかったな。

9/21 帰路

そして3日目はゆっくり7時過ぎに起床。
宿泊プランになかった朝食も用意できるということでありがたくいただき、8時前に出発。車には2本目のZONe ENERGYをセットして準備完了、再び東京へ向かって走り出します。雨も降ってたので安全運転。
この日は自分にとっては5連休の真ん中でしたが(マウント)世間では3連休の初日、昨日とは逆に東京方面から北上してくる反対車線が激混み。
さすがホリデーシーズンだな、意外と都会人(とかいんちゅ)も車持ってんだな……とか思いながら運転していると、東京に近づくにつれ下り側の車線もかなり混雑してきます。
そして東京へ戻るということは再び首都高に乗るということ。またこのワンミス即死の高速道路が自分を苦しめるのでした。
統括すると、

首都高なんて二度と乗るかボケ!!

の一言に尽きます。
怖すぎなんだけどマジで!誰だよこの道路作ったやつは出てこいよ!とずっとキレながら運転してました。
ナビが「およそ◯km先、◯◯方面です」と案内はするけどどっちの車線から分岐するのかは教えてくれないからどこを走ってればいいか分からないし、急に右方面に行けだの言うから合流したくてウインカー出しても全然入れてくれないしで散々。

極めつけが高速の出口で、
1. 本線に合流した先が右側車線
2. 出口がその300メートルくらい先の左車線側にある
3. 300メートルの間に右から左へ3車線変更する
の3HIT COMBOは本当に死を覚悟した瞬間でした。
なにこの構造?「Detroit: Become Human」でカーラとアリスがコナーから逃げるためにハイウェイを横切るシーン思い出したわ!
リアル即死QTEは何らかの法に問えるだろ。

首都高にほとんどの精神力を持っていかれ、もはやヘロヘロで給油してからレンタカー屋へ返却。ちなみに給油するまでも失敗はありましたがもう書きません。
とはいえ無事にレンタカーを借りてからの行程を無事故無違反ノーコンティニューで帰ってこられました、ありがとうヤリス君。

時間はまだ12時過ぎで別にまだ東京で何かやろうと思えば全然できる時間でしたが、都会を観光することにいまいち楽しみを見出だせないタイプなのと、今最もやりたいことがとにかく家に帰ってのんびりすることだったので、特にどこにも寄らずそのまま新幹線で名古屋に帰り、また電車を乗り継いで自宅に戻ってきたところで時刻は15時過ぎ。
ここに私のサナトリック・ウェーブは無事に完結を迎えたのでした。

サナトリック・ウェーブを終えて

最後に、ライブを振り返っての所感で終わりたいと思います。
とはいってもライブが成功か失敗かなんてもはや論ずる意味すらありませんから、ここではこのライブを振り返って自分なりに感じたとりとめもないこと――正直ライブには関係ないようなことを書き起こしてみます。
まとまってないままなのでぐちゃぐちゃだし言ってること変だろうけど許してほしい。大丈夫、何言ってるか一番わかってないのは俺だ。


一つは、「今」の開催でよかった。
「今」の開催がよかったな、ということ。

思えば名取さな初の単独イベントがまさに開催されんとした2020年3月、誰しもが予想もしていなかった事態によって世界中のあらゆる催しが中止、休止、ひどければ廃止に追い込まれました。

「おうち時間のコロナ特需でVTuber配信が人気!」なんて言説もありましたし、実際それは否定できない事象ではあったんでしょうが、リアルイベントに関しては情勢の変化や出演者の体調如何によって開催の可否が容易に左右され、主催者側が高いリスクを抱えることとなり開催のハードルがぐんと上がったのもまた事実。
そもそも観客を入れることができないのであっては、心情的にも興行的にも開催する意味そのものを見出せなくなることに無理はありません。
実際、この時期に起こっていたVTuberのリアルイベント開催の波もせき止められて停滞してしまい、本来ならば開催できていたイベントはもっとあったはずでしょうから、さらにそのイベントに連鎖して生まれるかもしれなかったイベントの芽も摘まれてしまったことは想像がつきます。

であるならば、歴史にもしもなんてありませんが、このコロナ禍がなければVTuber業界全体のリアルイベント開催の流れはもっと加速し、その波に乗るように「名取さな 1st Live」がもっと早く、何年も前に開催されていた可能性もあったんじゃないかと考えています。
もしそうならば、名取の持ち歌、技術、心持ち、いずれもこの「サナトリック・ウェーブ」とは全く違った1st Liveになっていただろうと。

名取さなのことですから、もしライブを開催することとなったとしたら期待に応えようと全力を尽くしたことでしょう。
それはそれで絶対に楽しいライブになっていたことは想像に難くなく、そのifを否定したいわけではありません。

しかし、自分としてはこの2024年9月。
悔しい結果に終わったことがあっても、それでも活動を止めることはせず数々のイベントを制作し続け、その間に出会った様々な信頼できる方々との仕事や作品作りを重ねた末に、これまでの全てをぶつけるようにして出来上がったこの「サナトリック・ウェーブ」がこれ以上ないほど素晴らしかったと言えるからこそ。
「この」1st Liveを「今」見られたことをとても幸運に思えるのです。

それは、「足跡」でこれまでに無駄なことはなかったと歌っているのと重なるようで、
歴史にもしもはないからこそ、活動開始から6年半が経ったこの「今」である必要があったのだと、
ただ一つの正史である「今」にこんな最高のライブが見られてよかったと、そう心から思いました。



そしてもう一つ。
ライブのMCで名取は、VTuber活動を始めてから音楽をやるつもりはなかったことと、その理由として「音楽は歌が上手いVTuberがやるものだと思っていたから」だと明かしました。
おそらく、会場でMCを聞いていた人のほとんどが「そんなことない」と思っていたでしょう。しかし、そう考える資格は私にはありませんでした。
なぜかというと、名取が語ったことは、以前自分が抱えていた思いとほとんど同じであったからです。

以下、ライブレポートの部や所感の一つ目で長々書いたことを自らひっくり返すようで恐縮な、ネガティブな内容になってしまうので注意です。



今でこそ名取の開催するイベントに勇んで参加する自分ですが、それこそ名取初の歌動画である「惑星ループ」が公開されたような頃は、名取が音楽的な活動をすることが決して嫌というわけではなくとも、「名取の歌最高!もっと歌ってほしい!」と思うほどポジティブに捉えてはいなかったと覚えています(念押しですが、昔の話です)。

それは名取に限ったことではなくVTuberをどう見ていたかという話で、そもそも自分はVTuberを「動画投稿者」や「配信活動者」――いわゆる普通のYouTuberの延長線上の存在として視聴しており、そのためか「VTuberが歌う音楽」にさほど興味を持つことができませんでした。
VTuberの楽曲に精通していないというのは主にこのあたりが理由です。

音楽活動をするVTuberがいるのはいいとして、それは単に歌をやりたい人がやっているからであって、皆が皆そのように活動する必要はない。むしろ、そうなってほしくないとさえ思っていたかもしれません。
ですので、ライブで名取が語った言葉はまるで自分の当時の考えを見透かされたかのようでした。
おそらくこういう意見は私だけのものではなく当時から多少はあり、名取本人としてもいろいろと思うところがあったのでしょう。

とはいえVTuber市場の急成長に伴う大手VTuberのタレント化、アイドル化の波は凄まじく、実態と自分の感情が乖離してついていけないと感じていたこともあって、2019年の秋頃にはVTuberを追おうとする気もかなり冷めかけていました。
そしてそんな頃に告知された名取の初の単独イベント「さなのばくたん。 -バースデイ・サナトリウム-」も、あの名取がここまで、すごいな、めでたいなという気持ちはあったものの、内心では「あぁ、名取もこういう風になっていくんだな……」と勝手に萎えて、確かイベントへの応募もせずにいたはずです。

こうやって文章に起こすと我ながらしょうもないへそ曲がりのクソッタレだなという感想しか湧きませんが、とにかく当時はそんな感じでこのままフェードアウトしていくんだろうと考えていました。


そして2020年3月、新型コロナへの対策を理由に「さなのばくたん。」は開催寸前に中止を余儀なくされ、名取はイベントの代わりとなる配信を行いました。
いっぱい準備して誰よりも開催を心待ちにしていただろうに、悔し涙を見せながらも気丈に振る舞い、来場してくれるはずだったお客さんを喜ばせるために用意していたパフォーマンスを見せる名取を見て、私は頭を殴られたかのようでハッとした感覚を覚えました。

自分が子供みたいに捻くれていた間に、得意ではないと言っていたパフォーマンスを見せるための努力が重ねられていたのだと。
その原動力は、リスナーみんなに喜んでほしいからというシンプルな理由であったのだと。
その「みんな」に入っていたはずの自分は、ついていけなくなったと零しながら、ただ後ろを振り返っていただけだったのだと。
これまでの自分が恥ずかしくなりました。そしてこんな考えは改めなければならないと強く思った瞬間でした。

そこからはタレント化が云々という話は捨て置いて、過去の歌動画などまで含めた、現在まで続く名取の歌唱やイベント開催などの活動を素直に応援できるようになった気がしています。
いわば、自分のしょうもない、半ば意地みたいに凝り固まっていた考えが、名取の本気の取り組みによって動かされたんですね。

そして音楽が得意ではないと言っていた名取がそれからもイベントで時折歌唱するのを見て、私は十分すぎるほど魅力的だと感じましたし、昔の自分が考えていたような、歌唱活動をするのは名取の言う「歌が上手いVTuber」がやっていればいい……と思うことはもうありませんでした。

音楽とは芸術の一種であり、競技のように点数によって明確に順位のつくものではなく、そこに個人の好き嫌いはあれど優劣はないはずです。
もちろん一般的な感性として上手いと思われれば思われるほどそれを好きだと思う人間も増えやすいものでしょう。が、必要なのは上手であることよりも、魅力的だと感じる人間がいるかどうか。そしてそれが一人でもいれば、その音楽は音楽として成り立つものなのではないかと思います。
それこそアイドルや声優なんかがオタクにとっては分かりやすい例ですよね。彼らの大半は別に歌唱力で一番になろう、歌で天下を取ろうと思って業界に飛び込んできたわけではありませんが、その音楽に惹きつけられるファンがいるということは、音楽で人の心を動かすのは「歌が上手いから」という単純な理由だけではないと既に証明されているのと同義です。

確かに歌が上手いVTuberが歌う歌を楽しむことに何も不自然なことはありません。
歌が上手い人が歌を上手く歌い、それが人を魅了する。誰でも分かる、ごく当たり前のことです。
しかし同時に人間は、筋書きのないドラマも好むものです。

VTuber界隈においても、例を挙げるなら古よりあるMinecraftコラボ、事務所間の垣根を超えた交流、FPSゲームなどを題材とした大会でのチームプレイなど、運営している人間の思いも寄らない形で生み出された予定調和のないドラマによってVTuber界隈が盛り上がってきた場面は、VTuberのオタクなら誰しもが見覚えのある光景だと思います。

そして、音楽は苦手だ、自分が歌うなんて歌に本気で取り組んでいる人に対して失礼だ……なんてずっと思っていた人が、数年間の活動を通して「自分なりの音楽」を表現することに向き合い、その集大成を大きなステージで披露する。
名取本人が言っていたとおり、昔は本人すら予想していなかった光景であり道のりです。さらに、そこに至るまでに名取が開催してきた「ばくたん」で、(文字数がさらに倍になってしまうので詳しくは語りませんが)我々は一人の人生を垣間見ました。
それらを経たからこそ、そこから続く道を進んでいった先にこの1st Liveという光景が広がっていたことが、最高の筋書きのないドラマだったんじゃないかと思うわけです。

名取がライブで自ら高らかに宣言したように、これからもこの道は続いていきます。
ならば、続いていった先には何が待っているのか?
それをまた楽しみに待とうと思います。
そこに至る筋書きなんて誰も知らない、最高の「今」がまた更新される、その時を。

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