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長いキャリアを見据えての決断

New Yorkに来て3週間が経ったところで、

ホームリンクがなくなった。

悪い予感がした

僕がここに来る前から、
チームのオーナー
リンクのオーナーがうまくいっていなかったらしい。

ある日の練習後、急に搬出作業が始まり、尋ねると
色々揉めた結果チームがホームリンクから追い出される事になったと。

その週のホームゲームは中止になり、次週からは車で1時間30分のところにある別のチームのリンクを借りて練習をすることになりました。


頻繁にミーティングが行われ、

監督からは

「とりあえず、財政的な心配はしなくていい」

と伝えられました。


ただ、チームは週末の試合が延期になったりでチケット収入もなく、

給料は「来週まとめて払う」というお知らせ。

この悪い流れの中でなんとなくこれから起こることは予想がつきました。

「今のうちに準備しておこう」

そんなふうに、誰に言われたわけでもないけれどこの家から出る身支度を済ませました。


そして残念ながら、想定した通りになりました。


「今週末のアウェイ戦には行かず、Pittsburghに帰ってくれ」

そう言われたのは練習開始前のリンクの上


ここまで身の入らない練習は初めてでした。


アメリカで挑戦してみて

言いたいことはたくさんあります。

「試合でアピールしたかった」

「もっと下手な奴もいる」

「アジアリーグの方が難しいシュートが来るのに」

いくらでも自分の中で言い訳が出てきますが、
自分の中ではわかっています。

「実力不足」

ここでは誰もが何者でもなく、ECHL出身でも、SPHL出身でも、誰もがカットの対象。

どの選手も、経歴なんて関係なく、今日を必死にプレーしています。

ここまで何をしてきたかではなく、ここで何をしたか。

僕は無名の選手の中に埋もれた、無名の選手の1人です。


ギリギリまで違うチームへの移籍もトライしましたが、
やはり今年の成績を考慮するとどのチームもリスクは取りません。


SPHLのチームで怪我人が出たという報告や成績不振によるカットが発生しそうという情報もあり、
数時間前までは各チームとやり取りは進めていましたが、

海外でプレーしたいと思って貯めていた、4月には三桁あった預金残高はあっという間に底をつき、
このままでは来季の挑戦もままなりません。


本来であればPittsburghで仕事をしながらチームを探す予定でしたが、何故か急にチームと連絡がつかなくなってしまったため、

今季のアメリカ挑戦はここまでとし、明日の飛行機日本帰国する決断をしました。


これから

この挑戦から多くのことを学びました。


十分だと思った資金はあっという間に溶け、現地では想像以上に厳しい待遇が待っています。

(一年間ここでプレーできる前提で収入を見込んでいたことも要因です)

選手としての立場が弱く、チームの負担になることを避けるために未払いの食費催促もしなかったため、

結果的には三週間分受け取ることができませんでした。


今季は金銭的な面でのストレスを多く抱えたシーズンとなりました。

来季同じ過ちを繰り返さないよう、少し早いですが一旦シーズンオフに入り、日本で仕事をします。

そして4月にはまた、裏側で熱狂しているあのリーグに行けたらと思っています。


ここまで応援してくださった方々、

思うような結果を出すことができず、シーズン途中での帰国となってしまい申し訳ありません。

来季のことも考慮した結果、
このような決断をさせていただきました。

決してここで止まるつもりはなく、これは来季以降に成功するために必要な期間だと信じています。


道のりは長いですが、決して諦めるつもりはありません。
今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。

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