自因自果
人間の運命は「自因自果」です。
自分のまいた原因は自分にはえます。
自分が勉強したことは相手のものにはなりません。
自分が運動したことは相手のものにはなりません。
私たちは人のことだとやれ「自業自得だー!」「自因自果だー!」
とわかるのに、
自分のこととなるとわからないものなのですね。
それで「なんでこんなつらい目に自分は遭うのだろう?」と悩み続け
「犯人は誰だ」と犯人捜しの気持ちがでてきて、
「アイツだ」と思い込むのです。
これが私達の愚かな姿であり、
仏教ではそういう愚かな心を「愚痴の心」といいます。
「人は転ぶとまず石のせいにする。石がなければ坂のせいにする。坂がなければ靴のせいにする」
ユダヤの古い格言ですが、紀元前の昔からも人間の姿は変わらないな、と思います。
「何か悪いことが起きるとすぐに誰かのせいにする」
それが人間の本性で、どうしても自分に目が向きません。
これを書いている人も、今見ているあなたも
過去の人類も未来の人類も持っている本当の姿です。
そんな人ばかりの中で、
こういう悪い結果が来たのは自分の何が問題だったのか?
と自己を厳しく見つめ、改善していく人がいたとしたならば
それはもう「雨夜に星」のような稀な人ですから、
目立ちますし、この人についていこう、という思いにさせられます。
逆に「お前のせいだぞ」と罵る人、責める人には
「この人とうまくやっていけないな」と周りの人は辟易しますので、
これでは健全な人間関係は築けません。