『氷』を押し続ける人生
Francis Alys(フランシス・アリス)は芸術家だ
彼は街中に現れて突如として大きな氷を押し続けだす。
一日中一生懸命押し続けている。
氷は少しづつ縮んでゆく。
もちろん、最終的には溶けて全てなくなってしまいます。
この芸術作品の真意は
努力しても結果が何も残らないというラテンアメリカの社会状況を表現したものだとされています。
日々汗水垂らして働く人々。
努力と結果は切ってもきれないものですが、
求める結果は一体なんでしょうか。
この前会った人は「人間は稼いでなんぼ」と言っていた。
確かに稼がないと生きていけないが、少なくとも「なんぼ」ではない。
長続きせず、散ってゆく、
お金、名誉、容姿、パートナーをひたすらに追い求める人々。
これらは『氷』です。
私たちは「氷を運ぶ人」になってはいないでしょうか。
消えゆく氷を押す人生ではないでしょうか。
死ぬ前に、『私が押していたものは氷だったのか!』
と気がつく時には時すでに遅し。
誰が「氷を押す人生は幸せだった!」というでしょうか。
もっと大事なものを押す必要があるのです。
大事なものとは永く続くもの。
今苦労して押していることが全て報われるものです。
報われることが当然すぎて、報われることすら気にならない境涯です。
永く続くものを求めることは人間として当然のことだと言えるのではないでしょうか。
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