味が見える世界で生きています。
私は、食べたものの味が”見える”世界で生きています。
スピリチュアルでも、超能力でもなんでもないです。なんというか舌で感じた刺激を視覚的に脳内で勝手に変換されている感じでしょうか。この説明でもよくわかりませんね。
他の人の感覚を聞いたことがないのでわかりませんが、私は味を味覚と視覚の両方で捉えています。
こういった感覚を持つ人は他にもいるようで、『共感覚』と呼ばれるらしいです。共感覚の一般的な(?)例としては、文字に色がついているように感じること。こうした文章の文字や単語に対して、元の文字が黒であっても何色であっても別の色がついているように感じます。例えば、
あ い う え お
赤 黄 橙 朱 紺
私の場合はこんな感じ。何色に見えるかは人によって異なりますが、こういった色が元の黒い文字に重なって頭の奥に同時に見えるのです。
同じように、食べ物だけでなく飲み物も味を視覚的に感じます。もしかしたら食感がないだけ、よりクリアに感じているかもしれません。
例えば、カフェオレ。これは表層にこげ茶色の苦みがあり、それが薄まるにつれて白いミルクのコクが下から支えるように感じます。これがブラックコーヒーになると、上の方のざらざらとした苦みが中部・下部に行くにつれてオレンジ色の甘味と酸味が増えていきます。ちなみに美味しくないコーヒーだと上の苦みが水彩絵の具のように下にいくにつれて、薄くなるだけです。これが俗にいうコーヒーの「深み」なんだろう、とヴィジュアル化された味を見つめながら思ったりします。
上とか下とか書いていますが、私は脳内で味を地層のように変換しています。「上の方にこの味がある、下のこの赤い味は何だろう?」美味しいものを食べたときには考えます。もしかしたら「この茶色い味は○○で、これが隠し味だ!」とか「この店では赤い味の○○を入れているから美味しいんだな」とはわかれば、料理上手になれていたかもしれませんが、残念ながらそんな器用なことはできません。活かせていないのがもったいない気もします。
世の中にはいろんなタイプの共感覚者がいるらしいのですが、私は他の4つの感覚が全て視覚に変換されるタイプのようです。文字に色がついて見えるもののように「視覚→視覚」もありますが、聴覚、嗅覚、触覚、味覚が自動的に視覚に変換されます。
もちろん、だからといって元の感覚が消えて、全て視覚に集約されている訳ではありませんよ。音も臭いも味も触感も全部普通に感じています。今タイプしている指先の感覚や、キーボードを叩く音も聞こえています。
ただ、それらの五感の一つ上のレイヤーに、ヴィジュアル化された感覚が薄っすら乗っかっている、という感じなのです(”感”という字が多すぎてきもち悪いですね)。
なんにつけても、そういったレイヤーが重なってくるので、もしかしたら他人よりノイズが多い世界で生きているのかもしれませんね。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?