Seattle/Portland にて大学生キャンプを始めた理由 その①思考の変換
2014年母校の大阪商業大学にアシスタントコーチとして赴任し活動してきた記録を紹介します。
その第1回は「Seattle / Portlandにて大学生キャンプを始めた理由 その①思考の変換」です。
赴任当時の大商大バスケット部は、関西2部(西田赴任後3部にもなった)。
大学のバスケット界は、その先がプロか就職というのもあって東高西低的要素が強く、高校の全国レベルで活躍した選手は関東の有名大学に進学し、その次に関西の大学に進学するという傾向にありますが、その関西でも2部や3部だと、全国を経験している選手は少ないし、全国を経験したチームに所属していても主力メンバーだった可能性は低くなります。
という事で、そこから勝ちあがって行く為には、過去の経験で分が悪い相手を倒して行く事が求められますが、その為の体力やスタミナをアップするトレーニングをしても選手達にとっては単にしんどい練習をさせられるだけと捉えて心身ともに疲れる選手も増えるし、分が悪い相手と戦う時(大きなトーナメントの大会で)仮に体力や技術で勝っている部分があったとしても「自信」の違いで勝てなかったりする。
そんな問題を抱えてのスタートとなります。
そこでその問題を払拭する為に考えたのが「思考の変換」をする事でした。
その為にSeattle/Portlandでのキャンプをスタートしました。
興味があるバスケットボールからアメリカの日常に触れる事で、日米で何が違うのかに気づき、その違いを理解しやすくなるだろう。
そんな活動を毎年行う事で、選手それぞれに「思考の変換」が始まり、勝つ為にどうしたらいいのかを考えるようになったり、ハードなトレーニングにも自らトライするようになったり、自分の努力に合った自信がもてるようになり、戦略や戦術の大切さを理解できるようになる。
そんな事が、これまで分が悪いと考えていた対戦相手とも十分に戦えるようなリームになるのではないかと考えました。
実際アメリカに行ってみれば、アメリカ人はアメリカ人なりに高さやパワーやスピードのハンディを抱えながらプレイしている選手もいるし、仕事や学校に行ったり、ゲームをしたり、家族で食事に行ったりと日常の生活もやってる事も日本と大きくは変わらない。
それに国が違っても1日24時間は同じ。
そんな事にも気づかされる。
だからこそ、何が違うのかに注視しやすくもあり、勝てるヒントは日米の違いにある事に気付く選手が増えてくる。
のちに選手達の力と成長のお陰さまで関西1部昇格を果たしましたが、その時の選手の思考は、西田が赴任した当時と変わっていました。
自主トレーニングをする選手が増え、自分が何をする事がチームにプラスなのかを考える選手が増え、選手同士間で努力と成長を認めあえる価値観が生まれ、ゲーム中の選択がよりよくなりました。
因みに練習時間は90分、休みは週2回、オフは約2ヶ月半です
練習量を増やしたり、リクルートで過去に素晴らしい成績を収めた選手を獲得したり、強化予算が増えたりしたわけではなく「思考」が変わった事で「行動」が変わった結果だと思います。
人は脳を持ち考える力を備えてます。
その脳から生れる思考をどのように使うのかが、行動に変わり結果に繋がる。と思います。