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コー·フリッピンの現状について

シーズン開幕戦、昨季のファイナルで敗戦した宇都宮相手に試合を支配する活躍を見せ、勢いそのままに開幕一ヶ月を駆け抜け絶好調だったコー·フリッピンが11月の代表ウィーク明けから調子を落としている。

上記の様な感じで認識している人が多いと思う。
実況解説もそのような事を言っているのでなんとなくそういう認識が一般化しているが

コーが調子を落とすきっかけになった試合は
代表ウィーク前の広島戦 

広島80-73琉球の試合だと思う。

この日は明らかにノンシューター扱いをされ比較的フリーで3ポイントを放ち1/3。数字だけ見るとそこまで悪くないが、あからさまなノンシューター扱いに対しての怒りのドライブが密集地帯に突っ込む形になりバッドショットを連発。
広島はコーの外角を捨て5対4で守備を構成。キングスの最重要ポイントをインサイドを守り流れを渡さない意図が感じ取れた。
であればキングスが取れる作戦はコートを広く使う事。広島のインサイドの人口密度を下げ、散らばってもらう事でインサイドにスペースを確保したい。その為には外角に強い選手が必要でコーはそれに該当しない。
この日は前半の7分のみの出場時間となってしまった。

■敗戦よりもコーのチーム練習に時間を取れなかったのが痛手

広島戦の敗戦は仕方のない部分はあるが
昨シーズンからの宿題であるコーへのノンシューター扱いに対しての対策の時間が取れずシーズン再開になってしまったのはキングスにとってはかなりの痛手である。3週間以上の試合間隔がありシーズン序盤で大きな修正を加えられるタイミングはここしかなかったが、代表活動で16-17日間ほど費やし、さらに休養の為の時間も考えるとほとんどコーの為のチーム練習は出来なかったと考えてもいい。
実際代表ウィーク明けの滋賀戦、その翌週の強豪島根戦も平均7分程度の出場時間になってしまっている。コンディションが上がらないというよりもチームでコーの形、アンサーを用意してあげれてないのが実状ではないかと思う。

コーひとりの為にチーム練習に時間をかける事かと思う人もいるかもしれないが、ハンドラーが少ないキングスにとっては死活問題であり、岸本を助けてあげられる存在はやはりコー·フリッピン以外いないのだ。

■対戦相手はコーの外角の弱さを琉球の弱みとしている

広島が見せたコーの外角を捨て5対4で構成する守備を他チームもやり始めてきた。琉球のインサイドはBリーグ随一の強力さがある為思い切って外角を捨てインサイドを守るのは正直な所、対戦相手にとっては好都合でもあるのだ。
現時点での琉球対策としてはこれが模範解答なのかもしれない。

コーもこの現状を打破するために色々と工夫をしている。
守備リズムを無視した物凄いスピードでミートアタックしてみたり、密集地帯に入り込んで、強い踏切で空中戦しかけてみたり、背中で相手を抑えてみたり(ジェイル)色々試している。
今は上手くいっていないことも多いが今取り組んでる工夫が終盤戦やCSでの引き出しとなって効いてくると私は信じている。

■ネクストレベル コー·フリッピン

まとまったプレータイムが貰えなかった千葉から琉球に移籍してきて信頼を勝ち取りチームの重要な役割を担ってきたコーは日の丸を背負う選手にまで成長した。
正直な所、私はコーがキングスに移籍してきた当初「間違った獲得」「過大評価だ」と思っていた。プレーの強引さ、判断のミスが主な理由だったがだシーズンが深まるにつれてどんどん良くなっていく彼のプレーに魅了され、スラムダンクの安西先生の「どんどん良くなっていく君のプレーを~」と同じ気持ちになっていた。


そんな一皮むけたコーではあるがスカウティングの進んだ移籍2年目は苦しんでいる。
推測ではあるが彼はアスレチックな選手なぶん、今まではその能力で何とかなってしまっていたと思う。そのためポジションの割には間違った判断のまま、プレーを続けてしまうきらいがある。まだまだプレーと判断の引き出しが少ない状態だ。

ただ勝負勘や野生の勘みたいなものはやはり持っていて、重要な場面でのスティールは彼の固有スキルだし、相手からすると絶対にやられたくない場面で決定的な仕事をする能力はある。
勝負所でのスティールからのダンクはもはやお家芸と言ってもいい。

コーが次のステージに行くためには
正しいタイミングで正しい引き出しを開けられるか

が重要になってくる。
幸いキングスにはかつて同じ様なシチュエーションにあった田代、岸本、今村がいる。彼らと一緒にプレーしてるなら改善するのは時間の問題だろう。

これが改善すればいよいよ止められない選手になる。

すべてを過去にするネクストレベルのコー·フリッピン。

多分それはそんなに遠くない未来にやってくる。



たつまる



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