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太陽の背中



地上で7日しか生きられない生物の鳴き声が響き、夏の残暑が残る頃、この市立若桜高校では、2学期が始まった。

1学期はオンライン授業だったため、直接会うのは久しぶりだった。

??:うお!◯◯!久しぶり!!

久しぶりで耳がキーンとなりました。

そして後ろからついてくる2人の女子。



◯◯:うるさい…相変わらず純耶は元気だな。

純耶:あったりめーよ!◯◯が会いたがってたって聞いたからさ!!

◯◯:そんな事言ってません。

俺の1番の男友達である、川藤純耶(かわとうじゅんや)。


そして、

史緒里:◯◯お久しぶり☺️

◯◯:史緒里元気だったか?

史緒里:もちろん!今日の朝ね、絵梨花先輩としゃべれたの!!はぁぁ、今日も可愛い…


ここにいる、絵梨花先輩のファンである、久保史緒里です。

そして、



里実:今日も親友の久保史緒里は可愛い…


◯◯:相変わらず、史緒里の事好きだな…笑


史緒里:私たち親友だもんね☺️


里実:はぁぁぁ…可愛い…


久保史緒里大好き人間である、秋元里実(あきもとさとみ)です。

俺らは4人仲良し。


玲香:はーい、みんな席ついてー!

純耶:玲香ちゃん久しぶり!!

佑美:こら、桜井先生でしょ!

里実:若月先生おはよ!!


担任の桜井玲香先生と副担任の若月佑美先生です。


玲香:今日から二学期始まりますけど、いろいろ気をつけて頑張りましょー!

佑美:玲香、伝えることあるでしょ。

玲香:そうだ!今日から仲間が増えます!!


転校生が来るみたい。どんな子なんだろう。。





玲香:はーい、じゃあ早速呼ぶよー!!


ガラガラ

男子が騒いだ
それは、こじんまりとした可愛らしい女の子が入ってきたからだ。






ひかる:森田ひかるです。よろしくお願いします。



SHRが終わり、それからの転校生の彼女はクラスメイトから質問攻めを受けていた。

ちなみに席は、里実の隣だ。

彼女の隣なら大丈夫だろう。

そして、今日は早めに学校が終わった。

転校生ちゃんはクラスメイトと、どんどん仲良くなっていった。



転校生が来てから1週間後のHR

玲香:昨年は4組に負けた。悔しい!最後の今年は2組が優勝するぞ!!!!

佑美:あ、みんなー、一応注釈つけとくけど、今桜井先生は体育祭について話しています。


純耶:玲香ちゃん!今年は任せとけ!!昨年は◯◯と里実が怪我してたけど、今年はBIG5が揃ってる!



純耶:その疾きごと風の如し、俊足貴公子、サッカー部副主将、川藤純耶。

史緒里:その徐なる林の如し、七音のスマイルメーカー、吹奏楽部部長、久保史緒里。

里実:侵掠する火の如し、籠球の魔法使い、バスケットボール部主将、秋元里実。



◯◯:いや、お前ら恥ずかしくないんか。




純耶:動かざること山の如く、総司令塔野球部キャプテン、さらに、2組学級委員長、桜月◯◯。


史緒里:風林火山。


里実:風林火山には続きがある。
知りがたきこと、影の如し。
動くこと、雷の如し、


純耶:そして、影の如し。これは。



里実:私達のニューヒロイン、森田ひかる。

ひかる:え!わたし!?

史緒里:もちろん☺️

純耶:最後、動くこと雷の如し。これは!!

純耶:2組の全員だぁぁぁぁ!!!!



2組:うぉぉぉぉぉ!!!!!


こんな風に毎年、体育祭はガチでやってます。

学校全体が体育祭ムードになるため、2週間体育祭準備期間となり、部活がない。

◯◯:里実帰ろー。

里実:待って!ひかるも帰るよー!!

ひかる:うん!!


◯◯:あれ?史緒里と純耶は?

里実:2人でデート。

◯◯:あ、理解した。今日記念日か。

ひかる:2人って付き合ってたんだね。

里実:私の史緒里なのに…


ひかる:里実ちゃんのプク顔可愛すぎる、、



◯◯:里実、今日真夏さんのご飯食べに行っていい?

里実:いいよ笑

ひかる:里実ちゃんってお姉さんいたの?

里実:料理美味いの、ひかるも来る?

ひかる:え、でも、

里実:いいよいいよ笑

◯◯:里実は真夏さんにめっちゃ甘えんぼだから笑

里実:こらっ!いろんな人に言うな!笑




秋元家



里実:お姉ちゃん!ただいまぁぁ!!

◯◯:真夏さんお久しぶりです。

真夏:お帰り☺️、あら!◯◯君と噂のひかるちゃん?

里実:そう!ひかるだよ!


真夏:めっちゃ可愛いわね☺️


俺らは真夏さんの手料理を4人で食べました。

ちなみに今日のメニューはそうめんに真夏さん特製の肉じゃが。これが俺は大好きなのよ。



ーーーーーーーーーー



◯◯:真夏さんごちそうさまでした!

ひかる:ありがとうございました!

真夏:2人とも気をつけて帰るんだよー

里実:◯◯、ひかるを家まで送って行きなさい。

◯◯:もちろんだよ。任せとけ。

◯◯:森田さん、ちょっと待ってて、


隣の家に入ってった◯◯


里実:あ、◯◯の家私の隣笑

ひかる:幼馴染なの?

里実:なんだかんだで17年一緒よ笑

◯◯:森田さん行こっか。


ひかる:里実ちゃんのお姉さんも可愛らしい人だったね。


◯◯:そうなんだよね、あざといとか言われてるけど、可愛らしい人なんだよね笑


ひかる:うんうん笑…そういえば体育祭不安だなぁ…私スポーツ苦手だし…



◯◯:大丈夫、俺らがいる。里実も純耶も史緒里もクラスのみんなもいる。森田さんなら大丈夫。

ひかる:◯◯くん、ありがとう。

色々な話して、ひかるの家に着いた。

◯◯:じゃ明日から頑張ろうな!おやすみ、ひかる。

名前を呼んだ後、颯爽と自転車に乗り去っていった。

その場で立ち尽くす私。

脳内再生される◯◯くんが呼んだ私の名前。

バタン!


ひかる:名前呼びはずるいよ…

突然の名前呼びで、ものすごく照れたひかるだった。


その日の夜は、なぜかなかなか寝付けなかった


ーーーーーーー


体育祭まで残り10日。

様々な練習をして、1日終わった。

◯◯:今日も疲れたー、里実、ひかる帰ろー。

里実:ひかる帰ろー、

あの日以来、◯◯はひかると呼ぶようになった。


??:◯◯くん。

◯◯は声をかけられた。



◯◯:ん?うわぁ、ど、どうもー。

??:そんなに嫌かね笑

◯◯:いや、ソンナコトナイヨ…



里実:◯◯帰ろ。



??:あら、今日は幼馴染ちゃんと…その子は?

◯◯:転校生のひかる。

ひかる:は、はじめまして…

美月:初めまして、4組の山下美月です。よろしくね。

ひかる:よろしくお願いします。

里実:私たち、予定があるので。帰ります。


美月:相変わらず、幼馴染ちゃんは私に冷たいのね。


里実:ふん…


美月:あ、転校生のひかるさん。


美月さんは私の耳元でこう言った。





美月:私と◯◯の関係、邪魔したら許さないからね。森田ひかるさん。







◯◯くんと里実ちゃんと目の前を歩いているけど、私は美月さんに言われた事が引っかかっていた。



◯◯:ひかる?ひかる!?

ひかる:んへ!?



里実:大丈夫?なんか深刻そうな顔してたけど…

ひかる:あ、さっきの山下さんのことをちょっとね…



里実:あ!?あいつのこと考えてたの!?それ人生の時間損してるわー。


ひかる:そ、そんなに?


◯◯:里実はどうやら美月のこと好きじゃないみたいなんだ…


そこから、里実によるマシンガントークは止まらなかった。



◯◯:そういえば、ひかるは何やるの?


里実:まあ、応援団参加は決まってるし…


ひかる:決まってるの!?


里実:私が今決めた笑笑


◯◯:あ、里実、放送委員決まった?


里実:相変わらず決まりません…


◯◯:ひかるどう?

里実:ひかる、私と一緒に放送委員やらない?人手不足で…


ひかる:私喋るの苦手だよ…?


里実:大丈夫!私がいるから任せて!


ひかる:じゃあやろうかな!


里実:ありがと〜ひかる大好き!笑

里実はひかるのことを、めっちゃ強く抱きしめた。


ひかる:く、く、くるじぃ、、



そこからひかるは、応援団の練習や、放送委員の仕事などで多忙な時間を過ごしていた。


里実:◯◯団長ごめん、仕事あるから先帰っててー

◯◯:団長やめい笑、いいよ待ってるよ。

里実:相当時間かかっちゃうからさ、

◯◯:んー、わかったー、じゃあなー




すると、

美月:◯◯、今暇なの?



◯◯くんは山下さんに声をかけられていた。


なんと言っているか、わからないけど、なんか仲良さそう。


私、森田ひかるはなんだか、もやもやした。




里実:ひかる、元気ない?


ひかる:ううん、そんなことないよ!


里実:絶対にうそ、顔に書いてあるぞ〜


ひかる:元気ないっていうか…ちょっともやもやする感じかな…



すると里実は



里実:◯◯のことでしょ😏

ひかる:そ、ソンナコトナイヨ…


里実:明らかに動揺したね、今日は逃さないからね。


里実から逃げられる気がしなかったひかる。


ひかるは、観念して言うことにした。


里実と帰る帰り道に、◯◯への気持ちを全て言った。


私の気持ちはもやもやしてる。
好きなのかわからないけど、◯◯くんが他の人といるともやもやする。


里実は真剣にひかるの話を聞いていた。


里実は今、ひかるの気持ちを全部聞いて、今日は解散になった。



その夜


もしもし…

私の親友のために一肌脱いで欲しいんだけど…いい?

さすが笑

明日からとりあえず、◯◯の近くにいて欲しいな。

いつも強く当たってごめんよ笑

じゃ、まあ明日ー

プツっ

次の日


里実:ひかるおはよー!

ひかる:さとちゃんおはよー!


私はさとちゃんと呼ぶようになった。

次の瞬間、私の心はとても鈍痛に襲われた。




◯◯と美月が2人で歩いていた。





私は立ち止まってしまった。

里実:ひかる?どうした?


ひかる:ううん、なんでもないよ、行こっか!


しかし、私はさっきの光景が離れないまま、学校に着いてしまった。




最近の私はよく◯◯くんを目で追いかけるようになった。

どうしても、◯◯くんが美月さんといるのがチラついてしまう。


里実:ひかる!?ひかるがアナウンスのところだよ!


ひかる:あ、ごめん!



こんな調子です。




今日も◯◯くんは美月さんと帰るみたい。


やっぱり…美月さんとの方がお似合いだよね…


私はなぜかわからないけど、落ち込んだ。


里実:ひかる帰るよ!今日はこの2人もいるから。

そこには、純耶と史緒里もいた。

純耶:ひかるちゃん帰ろ☺️いろいろ聞きたいこともあるし!

史緒里:ひかるー今日は逃さないぞー笑

純耶:早速だけどよー、ひかるちゃん◯◯の事好きだよね?


ひかる:え!?そ、ソンナコトナイヨ…


史緒里:だって、◯◯が他の女の子といると?

ひかる:もやもやする。


史緒里:特に美月ちゃんだと?


ひかる:悔しいくらい、もやもやする。



史緒里:やっぱりね。


純耶:◯◯とひかるちゃんお似合いだと思うんだけどなー



史緒里:ひかるちゃん、◯◯が取られちゃうよ。さっき、話聞いてたけど、美月ちゃん、◯◯の事絶対狙ってるよ。



里実:ひかる、◯◯取られちゃうよ?いいの?


ひかるは俯き、立ち止まった。




純耶:ひかるちゃん?



ひかる:いやだ!!◯◯くんのこと取られたくない!!今までの人生で1番好きになった人だから!!



里実:よし、よく正直になれました笑


純耶:俺らひかるちゃんの味方だからな!!


史緒里:◯◯とお似合いなのは、絶対ひかるだから!


ひかる:3人ともありがとう…明日から頑張るね!じゃまた明日ね!!



ひかるが家に入った後、残った3人は顔を見合わせて、ニヤッと笑いました。



そして、ある人はとある女の子に電話をかけました。




もしもし。

ひかるが自分の気持ちに気づいた。

多分もうちょいだから。

本当に感謝よ。ありがとうね。

ひかるは体育祭の日に告白させるから作戦成功へ頑張ろ。

いつもありがとうね。んじゃまたね。

プツっ





ひかるは◯◯への気持ちに気がついた。


そこから数日経ち、体育祭の前日になった。



前日練習が終わり、ひかるはある人に声をかけられた。





??:ひかるさん?



ひかる:あ…山下さん…


そこにいたのは美月だ。



美月:明日体育祭本番だね。




ひかる:はい…そうですね…


美月:男子は本気でやるから余計カッコよく見えちゃうんだよねー笑




美月:ひかるさんも注目してる男子とかいるんじゃ無いの??


ひかる:いや…

美月:あ、ひかるさんは◯◯か!


ひかる:え…?



美月:◯◯かっこいいもんね。




すると美月はいきなりこう言った。






美月:明日の体育祭終わり、私告白するね。








家に帰り、まだあの言葉が脳裏から離れない。

明日、山下さんが告白する…?


考えすぎて、あまり寝れないひかる。


日付は変わってしまい、体育祭当日となる。

体育祭当日

登校中、◯◯と里実に会った。



里実:ひかるおはよ!!


ひかる:うん…おはよ…


里実:どうした?元気ない?


ひかる:あ…ううん、大丈夫だよ!



すると、◯◯が口を開いた。



◯◯:ひかるおはよ☺️


ひかる:お、おはよ…


久しぶりな感じがして、ものすごく照れてしまったひかる。



里実:ひかる、顔真っ赤すぎる笑笑



ひかる:え!?さとちゃんったら…ソンナコト…ナイヨ…



登校が完了し、とうとう体育祭が始まる。

2組の全員は円陣を組む事にした。


純耶:よっしゃぁぁぁぁぁぁぁ!!今日は待ちに待った体育祭だぁぁぁ!!!


史緒里:2組の力見せるぞ!!


里実:お前ら準備はできてるか!?

みんな:おお!!!!!!



純耶:玲香ちゃんも一言!

玲香:よっしゃ!今日は負けないよ!!

佑美:みんな怪我には気をつけて、120%で戦いましょう!

みんな:おお!!!!


純耶:よし、学級委員長、一言頼むぞ。



◯◯:よし、みんな、まずは安全第一、若月先生も言ってるけど、本当に怪我には気をつけましょう。でも、本気で挑んで、本気で楽しみましょう!!ひかるが転校してきてからクラスの仲間で楽しむ行事は初めてだ!本気で行くぞ!!!!みんな手を繋げ!!

そして、◯◯くんは私の隣に入り、私の手を握ったのだった。



9月の暑さのせいかもししれないけど、◯◯くんは顔を真っ赤にした。



もちろん、私も真っ赤だ。





史緒里:気合入れていきましょう!!



◯◯: 空まで届け!2組の力!



純耶: 本気、絆、ONE TEAM!!


里実:ウチらは2組、駆け上がれ!!


◯◯:よっしゃ行くぞ!!


Three!Two!One!


全員: Let's Go!!!!!




体育祭開幕へ。





開会式

◯◯が生徒代表として、選手宣誓。



早速第一種目。


本気の100m走だ。

3連覇を目指す純耶。


史緒里は神に祈ってる。


史緒里:純耶が史上初の3連覇達成しますように、、




よーい、パン!




圧巻の走りを見せて、純耶が3連覇を成し遂げた。





里実:体育祭って男子がカッコよく見えるよね。


私たちは放送委員があるため、炎天下の下ではなく、テントの下にいた。



ひかる:かっこいいね…




次は男と男の意地のぶつかり合いの、騎馬戦だ。


しかし。





まさかの騎馬戦、2組の大将騎馬である◯◯の騎馬はあっけなく負けてしまい、2組は1回戦敗退となった。



ちなみにライバル視している4組は優勝した。



お昼休憩となり、いつもの5人でご飯を食べる事に。


真夏:里実ー!あ、いたいた☺️

里実:お姉ちゃん!!☺️



相変わらず真夏に対して、デレデレな里実。



真夏:みんなで食べるだろうなって思って、みんなの分作ってきたから☺️


◯◯:真夏さん神すぎる…



真夏の弁当パワーを補給して、午後の部へ。

私は急いで教室へ向かった。


すると、話声が教室から聞こえた。


??:ねぇ…◯◯くん…



聞き覚えある声だ。



私は驚いて立ち止まってしまった。

私はドア越しに教室の中から聞こえる声を耳を傾けた。


??:私…◯◯くんの事が好き…


え。

今、好きって聞こえた…



◯◯:それは本気なの?美月。



耳に届いたのは、大好きな彼の声と、聞きたくない名前だった。





その瞬間、私の何かが壊れた。



その場から一目散に走り出し、その場から逃げ出した。




私は急いで、資料を取って、放送委員の仕事へ向かった。



どうしてもあの2人が教室にいたのがどうしても引っかかってしまった。

告白終わってからじゃないの、、、



するとそこに、



◯◯:ひかる?


大好きな声が耳に届きました。








ひかる:あ…◯◯くん…



◯◯:ひかる、どうした?元気ない?



ひかる:ううん…大丈夫だよ。



◯◯:そっか…ならいいんだけど…

ひかる:◯◯くん…さっき誰かといた?





◯◯:え、1人だったよ?





彼は私に嘘をついた。




ひかる:え、◯◯くん、ほんと?さっき…山下さんと一緒にいなかった?


◯◯:…


ひかる:山下さんの方がかわいいもんね。山下さんの方が◯◯くんとお似合いだもん。



そう言ってひかるはその場を去った。


背中から聞こえる、ちょっと待っての言葉に振り向くことはなかった。



??:里実…どうしよう…


里実:え、どうしたの?


??:今、ひかるちゃんと◯◯なんだけど、言い合いみたいになってる…私のせいだよ…



里実:大丈夫。これも計算通りよ。私に任せて。


里実:ひかるー!


ひかる:さとちゃん…どうしたの?


里実:そういえば、台本変更になった!午後からこっちで!!


ひかる:ありがとう。


里実:午後の部頑張るぞ!!



午後の部はまず特別プログラムから始まる。


部活対抗男女混合リレーだ。


アンカーに史緒里、里実、◯◯、純耶が選ばれている。


毎年この4人はアンカーに選ばれて、真剣勝負をしている。



◯◯:今年は波乱の展開すぎるだろ笑


純耶:俺が転んで、サッカー部は3位…


里実:私がバトンミスをしてしまって、バスケ部は2位…



史緒里:まさか、吹奏楽部が勝つとは思わなかったな笑笑



今年の部対抗リレー優勝は吹奏楽部でした、





午後も2組は負けていた。


しかし、最終種目は選抜クラスリレー。

まだ一発逆転も狙える。



ひかるは放送担当。



台本をチェックした。




全選手の紹介みたいのが書いてある。



放送委員はこれを読むのが伝統行事となっている。



だから台本も分厚い。


ページをめくっていくと、◯◯の欄があった。


しかし、◯◯の欄はほぼ真っ白。


そこにはこう書いてあった。



◯◯の欄は、ひかるのアドリブに任せるよ!!
あなたが思ってる気持ちを全て言いなさい☺️




ひかる:えっ!?ちょっと待って!?



私は里実の方を見た。




里実はひかるの視線に気が付き、ウインクをしてきた。


そして、最終種目クラス選抜リレー。

全選手を紹介していく。



◯◯は最後に紹介だ。


ひかる:2年2組、アンカー、桜月◯◯。野球部の正捕手として、野球部の総司令塔に君臨する彼。


ここからひかるのアドリブ。

ひかる:彼は、私からしたら太陽みたいな存在です。クラスをまとめ、野球部をまとめ、常に彼は全体を引っ張り、みんなを照らしてくれます。私は転校してきてから、彼の背中姿をずっと見ていました。


ひかる:彼は私にとって、沢山の人々を輝かせる太陽です。太陽の背中をずっと見ています。彼に照らされている方々は多い。私もその1人です。だから、太陽に1番近づきたいです。



私の心は、言葉へと変換された。




ひかる:これからも私を照らすような存在でいてください。このリレー絶対に勝って。



ーーーーーーーー






純耶:おーい、聞こえてるかー


史緒里:まあまあ、元気出して、



里実:意外とカッコよかったじゃん。



俺は負けた。



あと数センチで抜かせそうだったのに。



あんな発言までして、負けた…


ーーーーーーーー

時は戻る。

◯◯:ひかる!!このリレーに勝利してやる!!俺が太陽なら、ひかるのことずっと照らし続けてやるよ!!



会場からは冷やかしの声。

そして俺は最下位でバトンをもらった。




しかし



◯◯:負けたぁ…



かなり落ち込んでいる。




そこにひかるがやってきた。



里実:じゃあ我々はこの場から離れますか!


教室に◯◯とひかるだけ。




ひかる:◯◯くん、お疲れ様。



◯◯:いやー。負けちゃった、、ごめんよ、、



ひかる:でも最下位から2位まで持って行ったのはすごいよ!


◯◯:あんだけ言ったら決めたかったよね笑





ガラガラ。


ドアが開いた。



そこには山下美月が立っていた。



美月:あ、タイミング悪かった。ごめん。

ひかる:山下さん…


ひかるの顔は完全に曇った。



すると、里実が現れた。


里実:美月、今までごめんよー(T . T)



里実はいきなり美月に抱きついた。


まさかの里実の対応で驚いている。

里実:実は美月は仲間でしたー!!


ひかる:え、どゆこと?


里実:今回、美月は◯◯とひかるをくっつけようの仲間でした!!!



美月:いやー、ひかるちゃんに嫌われてたのは辛かったよー(T . T)


里実:じゃあ我々もお邪魔虫なのでいきますか☺️


美月:そうしよそうしよ☺️



2人はいなくなった。




◯◯:こりゃ俺らやられたな笑


ひかる:そうだね笑


外の夕焼けを2人並んで見ている。



◯◯:ひかる。そのまま聞いて。



◯◯の顔が真剣な眼差しになった。




◯◯:ひかる、俺のことを太陽のような存在って言ってくれた。でも、そんなことなかった。俺にとっての太陽はあなたでした。


◯◯は一息置いて、ひかるの方を向き、こう言った。




◯◯:森田ひかるさん、自分を照らしてくれてありがとう。そんな貴方を好きになりました。






◯◯:純粋に隣で笑い合いたい。そんな女の子に出会う事ができました。森田ひかるさん、俺と付き合ってください。







ーーーーーーーーー





美月:里実、良かったの?これで、


里実:うーん…まあ、ひかるが幸せになるんだもん。


美月:自分を犠牲にしての相手の幸せか…


里実:まあ、ひかるが彼女でも、幼馴染という特別な存在は私だけだから。大切な親友と幼馴染の幸せを願うだけよ。



史緒里:里実ー、どうだった??


里実:上手くいきそう。今頃付き合えたんじゃないかな?



純耶:里実、自分の気持ちを押し切って、よくがんばりました。


里実:ありがとう…






私は、大好きな幼馴染への想いを、今日の風に吹き飛ばすことにしました。





ーーーー


ひかる:私でいいの??



◯◯:うん、ひかるがいい。

顔を真っ赤した2人。


ひかる:よろしくお願いします、◯◯くん。



そう言うと



太陽が振り返って、温もりを分け与えてくれた。


肌と肌が触れ合う暖かさ、夏のはずなのに暖かく感じる。



体育祭が終わり、今度は高校3年生にとって大きな行事がいっぱいやってくる。


修学旅行に文化祭。



これから沢山の思い出を作っていこうね。



私にとって彼は太陽の存在だった。



私は太陽の背中ばっかり見ていた。


私なんかじゃ届かないと思ってた。



太陽が取られそうになったとき悔しかった。


でも今はこうして、私のことを照らしてくれている。



私の未来を照らしてくれる。


この太陽となら、私の人生はずっと日向だ。

陰なんか作らせない。

私はこれからもずっと太陽の温もりを感じていくだろう。





これからよろしくね。私の太陽さん。


                  END

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