magnolia
その香りがマグノリアの香りだなんて知らなかった
密やかな甘さの中にどこかしら尖った、いや違うな、表現に難しい謎めいた香りを、わたしは長いことそこからは見えない何かしらの花の香りと思っていた
「この香りは…」と言いかけたわたしの隣で、彼女は「マグノリア」と短く答えた
「夜に香るのよ」
真昼の空の下で彼女は言った
月の裏切り
月は裏切っちゃいない
ただ君が月のせいにするだけだ
そして夜
マグノリアが香る夜
裏切ったのは君
もっとも裏切られたのは僕ではないが・・・
その香りがマグノリアの香りだなんて知らなかった
密やかな甘さの中にどこかしら尖った、いや違うな、表現に難しい謎めいた香りを、わたしは長いことそこからは見えない何かしらの花の香りと思っていた
「この香りは…」と言いかけたわたしの隣で、彼女は「マグノリア」と短く答えた
「夜に香るのよ」
真昼の空の下で彼女は言った
月の裏切り
月は裏切っちゃいない
ただ君が月のせいにするだけだ
そして夜
マグノリアが香る夜
裏切ったのは君
もっとも裏切られたのは僕ではないが・・・