#9 2023年の振り返りと2024年の抱負
noteを始めてから今年で3年目,毎年,年始に去年の振り返りと来年の抱負を書いています.誰かに書いている体ですが,一番の読者は自分です.「この時はこんな活動をしていたな」,「こんなことに苦しんでいたな」と当時の気持ちを思い出せるのでたまに見返しています.
今年も印象に残ったトピックを取り上げて思い出を振り返ってみました.
学会発表&卒業式(1月~3月)
遠い昔の出来事の様です.3月中旬頃,学部の卒業研究を引っ提げて学会(卒業研究生用の緩めのやつ)に出ました.新たに立ち上がった研究室だったため実験装置の組み立てや研究室運営やらが忙しく,研究のスケジュールがかなり遅れていました.
この期間は毎日早起きして,電通大と農工大,工場と実験室と研究室の間をバタバタ行き来していました.10分単位でタイムマネジメントをする能力が少し身についた気がします.
思い返すと,良い教育をしてもらったなと思います.研究計画の立て方,工作機械の使い方,研究の進め方や考え方、論文の書き方,発表資料のまとめ方など多くの事を学びました.間違いなく自分の基礎になっています.
院進のタイミングで東工大に入学をしたので,学会が終わるとすぐに,引っ越し&卒業式と入学式でした.引っ越し作業と新居でのいろいろな手続きが本当にストレスでした.ここら辺の社会性はいまだにないです.
修士の研究(4月~
修士(東工大)では月面基地建設のための接合法の研究をしています.学部(電通大)の頃に研究をしていた金属3Dプリンターでの異種金属積層とは技術的にも分野的にも関りが深いので,学部の頃の学びが活きています.
世間的には宇宙建築はまだまだ実現可能性が低く,SFっぽいイメージがあります.宇宙建築賞に取り組んだときに,それらのイメージを払拭するような実現可能性を挙げるような提案をしたいと思ったのが研究のきっかけです.
念願叶って(半ば無理やり)何とか研究で月面基地で使用する材料や接合法,施工方法を考えています.メインである接合法についても何か新しいアイデアを提案できるよう模索しています.
月面基地は現在構想段階なので,「自分の計画が社会的にどのくらい意義があるのか?」,「需要があるのか?」を比較したり,予測するのが難しいです.しかし,実現していないからこそ世界へのインパクトは大きいと思いながら研究をしています.
金属材料や接合技術は幅広い産業で利用されています.宇宙建築や核融合など大きな計画のために開発された新素材や新技術が日常のテクノロジーに使われるのが自分の分野の一つの面白さなのだと思います.
CanSat(4月~10月)
東工大の授業でCanSatに取り組み,その延長でアメリカのブラックロック砂漠で開催されたARLISSに出場してきました.
去年のnoteでは、モノづくりサークルに入りたいと書きました.高専でモノづくりサークルに所属していなかった後悔と,年齢が上がるにつれ同世代とワイワイ何かを作るという活動がしづらくなっている感覚があったからです.
飲みニケーション的な目的のない会話や繋がりが苦手な自分にとっては,何か一つの目的に向かって同じ志を持つ友達とチームで活動するのが心地よかったりします.皆ものすごくモチベーションが高く,大会前1か月くらいは毎日集まって夜遅くまで作業をしていました.
体力的にはかなりきつかったですが,自分の作ったものを試験する時はアドレナリンが溢れるので精神的にはものすごい健康でした.
個人としては(チームとしてもおそらく?)そこまで,大会の結果にはこだわっていませんでしたが,無事に大学の名に恥じない賞を獲得することができました.
※東工大のニュース記事が投稿されたら追記します.
NGSL学生研究員(4月~)
11月に開催される宇科連(航空宇宙系の学会)に向けて以下の二つの研究テーマで論文を書きました.
【ロケットによる環境リスク低減を目的とした施策案とその評価】
【「成長する宇宙産業」にかかわる人材基盤の強化に向けた提言】
どちらも共著で,理系的な論文ではないですが,研究課題を見つけ一つの論文として完成させることは良い経験になりました.
研究課題の見つけ方,論文としてのまとめ方など多くの気づきがありました.(TAとして学部生に教養卒論の指導をしているので経験が活きています)
宇科連は地方に住んでる友達(中学~高専までの8年間共に過ごした友達)やオンラインでしか付き合いのなかった先輩などに出会えるので,同窓会みたいで楽しくもあり刺激をもらえます.叶うのなら毎年参加したいです.
大学での研究だと技術ベースのミクロな部分の課題を追うことになります.宇宙政策を考える機会があることで,産業をマクロな視点見られるので新たな研究テーマが見えてきたり,興味が拡大していくような気がします.引き続き活動は続けていきます.
エンジニアリングデザインプロジェクト(4月~)
自分は現在,工学院 機械系のエンジニアリングデザインというコースに所属しています.その授業の一つとしてエンジニアリングデザインプロジェクト(EDP)に参加をしています.企業に与えられた課題に対して,デザイン思考を使ってプロダクトをつくるというものです.
CanSatは技術的なところに壁がありましたが,こちらでは社会課題を解決するようなテーマで,チームでプロダクトアイデアを練るのがメインの作業なので違ったところに壁があります.
未だ社会で顕在化されていないニーズを探るために.「人が本当に望んでいるものは何なのか?」,「どのようなプロダクトがあればどんな人の何が良くなるのか?」など,対象者にインタビュー(これが結構難しい)したり,業界について勉強しながら日々考えています.
この経験が将来何に活かされるのか楽しみです.人類が宇宙に住むようになった時にデザイン思考を活かして商品開発ができたら面白いなとか妄想しています.
宇宙建築ゼミ(11月~)
宇科連にて,建築学科で宇宙建築を研究している学生と出会い,ASE‐Lab(宇宙系の学生のオンラインゼミサークル)で宇宙建築ゼミ主催することにしました.立ち上げた理由としては,主に3つです.
宇宙建築学サークルTNLが休止してしまったので,宇宙建築について語れる学生コミュニティが欲しい(短期)
博士に行く可能性を考え,研究テーマを見つけるためにも視野を広げたい(中期)
将来の自分のキャリアのためにも,日本に宇宙建築産業が生まれるように学生の宇宙建築を盛り上げておきたい(超長期)
去年,コロナ禍で縮小し細々と活動を続けてきた宇宙建築学サークルTNLがついに休止をしてしまいました.上の世代には活動的な先輩方がいますが,同年代や下の世代には中々見当たりません.将来日本が宇宙建築をやるためにも火を消してはいけないと思いました.
宇宙建築ゼミの残し方,TNLの残し方についてはまだ迷い中です.(どなたかご助言頂きたいです)
各自が担当するゼミの内容は自由にしています.宇宙都市計画,建築学,社会学,デザインなど自分が想定していなかったテーマも生まれているので興味が広がって面白いです.
オンラインのゼミなので人が減っていくことも想定していましたが,今のところ順調に人が増え続けています.
ちなみに,担当したゼミの内容は以下のnoteにまとめました.研究に関連する内容でもあるので,一石二鳥ですね.
2023年の総括
院試勉強で比較的ゆっくりと過ごしていた去年とは対照的に2023年はやらなければならないこと,やりたいことが溢れた忙しい一年でした.自分の実力以上の問題に立ち向かうこと多く,日々頭を悩ませていました.
とはいえ,目標もなく暇を持て余していた高専時代の自分からの贈り物だと思うと自然と頑張れました.
大学での研究,NGSLでの宇宙政策の研究,CanSatでの開発,EDPでのプロダクト考案&インタビューと日々,頭のモードを切り替える作業が大変でした(リフレッシュできていた部分も大いにありますが).
去年に比べるとハードワークが増えたように感じます.身体や精神への負荷にあえて鈍感になって気が付かないようにしている気がします.身近な人には少し心配されます.ただ現状,大きな病気になることも,病むこともなく健康に過ごせているので,自分のコントロールは年々上手くなってきたのかなと思います.
若く健康なうちは,全力で動いていきたいです.QOLとかワークライフバランスとかはもう少しおじさんになってから考えようと思います.
2024年の抱負
2023年の年始のnoteでは,具体的な目的は立てていないですね.ただ,自分が何かアクションを起こす前には必ずざっくりとしたサクセスクライテリア的なものは定める癖はつけていこうと思いました.
博士に行くかどうかも少し悩んでいるので,自分の中でのクリア項目を満たしているかどうか?どうしたらあと一年で満たせるのか?を考えていきたいと思います.そのためにも博士の先輩,研究者との接点も徐々に増やしていきたいです.
2023年は,オンラインでゼミを開いたり,論文を書いてみたりと少しずつ意識してアカデミックな活動を増やしました.2024年も引き続き自分の専門性・個性が社会でどのように評価されるのかを考えながら行動していきたいです.
2024年はもう少し研究に軸足を移していきたいです。同時に自分のキャリアについても深く考える1年にしたいです.
具体的に書くとこんな感じ
キャリアについて考える
自分の専門性でお金を稼ぐ経験をする
英語でのコミュニケーション力を上げる
研究に力を入れる
後輩指導やファシリテーションについての力をつける
今年はちゃんと元旦に書き上げることが出来ました。少し成長しているかも.