今年も行って良かったかも
桜:「えぇ〜今年も行くの?」
部屋中に聞こえる程の大きな声
毎年必ず2月になると連れて行かされる場所がある
それは"節分祭"
行っても別に豆撒きくらいしかやらないし寒いから正直行きたくない...
親は行けば良かったってなると言うのだがいつもそんなことは無かった。
行きたくないぃ!!
――――――――――
車で30分後
結局親に言われて来てしまった私
桜:「あ〜寒いし人多い早く帰りたいよ...」
見渡す限り人の大混雑な模様
しっかりと歩くのが難しい程に人が...
そのせいか親とはぐれそうになる
そうして人混みに苦戦しているとカップルがイチャイチャしているのが目に入った
桜:「(いいなぁ、私もああやって2人でお出かけとか行きたいな。親とじゃなくて)」
そんな事を考えて虚しくなり親の方を向くと既に居なく実質迷子になった
とりあえず電話を...出ない
仕方がないのでメッセージだけ入れてもう自由に行動することにする
「どうしようかな、とりあえず歩こう」
そうして歩いては写真を撮り歩いては撮る事をしていると
「あれ、もしかして川﨑さん?」
桜:「ん?あれ〇〇くん?何でここに居るの?」
「それはこっちのセリフでもあるよ」
桜:「私は親に連れてこられたんだ...〇〇くんは?」
「僕?僕はまあ...今日暇だったんから何となく来たかな。てかそれより親見えないけどどこにいるの?」
桜:「...はぐれちゃった テヘッ!」
「テヘッ!じゃないけどな 何してるのよ」
桜:「わざとじゃないんだけど」
「そっか、じゃあお互い暇だし一緒に回らない?」
桜:「ふぇ?良いの?」
「うんいいよ、それに親探さないと大変でしょ?」
桜:「そうだね、ありがとう!」
「はは、じゃあ寄り道しながら探そうかな」
そうして親を探すついでに2人で露店を見て歩くことになった
だが、祭りに来る人が先程より多くなってきたため歩きにくくなってきた
桜:「人が多い、歩きずらい...あっ」
「おっと、大丈夫?怪我してない?」
桜:「ありがとう...大丈夫」
「そっか、それは良かった」
桜:「...」
「?」
その視線の先を見ると手を繋いでいた
桜:「あぁ...ごめん!」
手を離そうとしたら強く手を握られて
桜:「はぐれちゃうから、繋いだままでいい?」
「えっ...あ、うん...はぐれない為だもんね」
桜:「う、うん。」
今この瞬間だけは君とずっと居たいし別に周りから見ても変じゃないよね?
桜:「...とりあえずあっち行ってみようよ」
指さす先には今回の目玉の豆まきが開始されようとしている
「人凄いね」
桜:「うん、ちょっと窮屈だね」
台にそれぞれの福男福女立ち「福は内」の掛け声で撒かれる
「おー圧巻だなぁ」
桜:「えーん取れない...」
「確かにすごい降ってくるけど、取れないもんだね」
桜:「お、見て見て!1個取れた」
「おぉ、凄いね」
桜:「ふふっ〇〇くんは取れてないね」
「くそぉ、まだまだ!」
結局その後一つも取れず終わった
桜:「取れなかったね。ふふっ」
「うん、なんか取れなかったなぁ、あと笑わない」
桜:「ふふふ...」
「いや、笑いすぎ! てか川崎さん親から連絡来た?」
桜:「えっとね...」
通知は0と表記されている
桜:「まだ来てない」
「うーんじゃあ露店でも見るしかないよね」
桜:「じゃあおみくじ引きたいかも今年まだ引いてないし」
「そうなの?じゃあ引きに行こうよ」
そうして2人はおみくじを引く
桜:「あ、やった!大大吉!」
「何それ!? 聞いた事ないんだけど...運良すぎじゃない?」
桜:「〇〇くんはどうだった?」
「えっとね、僕は大凶...」
桜:「...」
「何も言われないのが1番辛いよ」
桜:「そ、そうだ内容はなんて書いてあるの?」
「うーんと、願望叶わず...これもう他見る意味あるんかな?そっちはなんて書いてあった?」
桜:「あんまり見ない方がいいかもね、私は...願望は叶うと書いてあるよ」
「まあそりゃそうだね、他は?」
桜:「...あ、他はね、失せ物見つかるとか書いてある」
「なんだろ、聞いといてアレだけど自分の方は散々だからか聞いても悲しいね」
桜:「じゃあお守り買おうよ、いいでしょ?」
「う、うん」
――――――――――
「えー色んなお守りあるけど...何が違うのか」
桜:「ちゃんと違うよほら書いてあるじゃん」
「違う意味の方だよ」
桜:「あ...」
「開運お守りかな、いや厄除お守り...」
桜:「なら二つ買っちゃえば?」
「それいいかもしれない...財布」
突然あわあわし始める
桜:「どうしたの?〇〇くん」
「いや...財布が取り出せない」
桜:「あ、そっか今手繋いでるから...ごめん」
そう言い繋いだ手を放す
「じゃあちょっと買ってくる」
桜:「うん行ってらっしゃい...」
――――――――――
数分後
「ごめん川崎さん、混んでて買うのに時間掛かった」
桜:「ううん、平気だよ」
「流石に悪いと思って、たこ焼き買ってきた」
桜:「え!ありがとうちょうどお腹すいてたの」
「おー買って良かった、というかこれ買うのに時間掛かったかも アハハハ」
桜:「わざわざありがとう〜じゃああっちで食べよ?」
「ふぅ、立ちっぱで疲れてたから座れてラッキー 美味っ」
桜:「私も食べたい!串一本しかないの?」
「あーそうみたい...じゃあはいどうぞ」
桜:「そこはあーんする所でしょ!」
「えーそうなの?じゃああーん、どう?」
桜:「凄い恥ずかしくて味分からない」
「えぇ...やらせといて」
桜:「だって、こういうの1回はやりたくて」
「こういうの好きな人にやるんじゃ...」
桜:「...」
「え、なんか言ってよ」
桜:「だって〇〇くんにして欲しかったんだもん」
「ご、ごめん気づかなくて」
彼女は手を握り
桜:「私の気持ちは今こうしたいかな...」
「川﨑さん...」
桜:「名前で呼んで欲しいかな」
「さ、桜さん?」
桜:「さん付け要らないよ」
「桜...なんか恥ずかしいな」
桜:「なんでよ!まだ名前だけじゃん」
「まだって他にもあるの⁉」
桜:「聞いてないもん答えを」
「答えって...」
桜:「私から言わせる?」
「えっと...じゃあ」
姿勢を正し正面に座り
ゴホン「桜、僕と付き合って欲しい」
桜:「はいお願いします、てかさっきからそうしてるじゃん!」
「いやぁ緊張しちゃって つい...」
桜:「もう!そうだ折角カップルになったから写真撮ろ」
スマホを構えた時親からメッセージが来る
「お、親から連絡来たね」
桜:「うーん」
そうして私はメッセージを見ずスマホを閉じて
桜:「ねぇ、この後どうする?」
終
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?