【美味クレソン】3話 わぁっはっはっはっ、外国かぶれとはお前のことじゃな!
どうも、はじめまして、私の名前は不幸田幸子(ふこうださちこ)
不幸でもない幸福でもない。アメリカの友人からは
50/50 フィフティ・フィフティの女と呼ばれています。
水口新聞社に入社して1年目の新人なのに、
『究極のクレソンメニュー』の担当に抜擢されたの。
そして、もう1人の担当者がミズグチスイデンたつじさん。
いつも寝てばかりで何を考えているのやら、んもう、先が
思いやられます。
幸子「今日はアメリカの友人ジョンが訪ねてくるんだけど、そろそろ来るかしら」
ジョン「サチコヒサシブリデース。ボクハナヤンデマース」
幸子「どうしたの?」
ジョン「ホンバアメリカノロールパンガタベタイデスー」
幸子「ホームシックってヤツかしら。そうだ!たつじさんに相談してみよう」
たつじ「アメリカのロールパンは歴史があるからなぁ。ヨシ!作ってみるか」
海遊「ぶあはあはー外国かぶれのとっちゃん坊やとはお前のことかな?」
たつじ・幸子「山原海遊!」
山原海遊とは?
自称、大芸術家。食もまた芸術と考える稀代の美食家であり、それが嵩じて会員制料亭「美食クレソン倶楽部」を主宰している。ミズグチスイデンたつじとの関係はいかに?
海遊「所詮、アメリカは日本の歴史に比べると、たいしたことなどない。映画を見てもやたらとヒーローとやらが出てくる。このヒーローかぶれが‼︎」
ジョン「ガッデーム!」
たつじ「待てジョン、この人間は一筋縄じゃいかない。オレに任せろ」
幸子「……」
たつじ「どうぞロールパンです」
海遊「普通のロールパンじゃないか、どれどれ」
海遊「う、なんだ?トマト、卵、ハムの良さを上手く結びつけている食材がある。ピリッと辛みが効いてなおかつ、他の食材とのバランスが絶妙だ。一を知って十を知る、何なんだ!この野菜は?」
たつじ「水口水田のベビークレソンです」
海遊「クレソンの新芽なら暑い時期でも多少は利用できるのか。少し固い部分はしっかりと味がついて香ばしささえ感じる」
海遊「悪くはないだろう。しかし、うぬぼれるなよ。油断した途端に崩壊は始まる。千里の道も一歩から、三歩歩いて二歩下がる」
ジョン「ヤッターブシノカガミデスー‼︎」
たつじ「こらジョン、なんでもかんでも武士に例えるなよ。オレは腹は切らねーぞ」
ジョン「ショウジョウガワルイトキニノムクスリノコトデスカー?」
たつじ「それは頓服(とんぷく)オレが言ってるのは切腹。こらこら」
ジョン・たつじ・幸子「はっはっはっはぁー」
【美味クレソン】続くかも…