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Ableton Live Packを理解する

私が使っているDAW、Ableton LiveにはPackという音源やサンプルのセットがたくさん付属してくる。

現在、ブラックフライデーということで、あらゆる音楽製作用プラグイン販売会社が特売メールを送ってくるが、新しい音源を買う前にまずは手持ちのPackを理解したい。

だがAbletonのPackに関する情報をネットで調べてもほとんど公式ページしか出てこない。これは自分で調べて理解する以外には方法はないようなので、このページをメモがわりにPackについての知見を記録していきたい。

さて、無数にあるPackの中でも特にわかりにくいのが、これだ。

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ここに並んでいる三つのDrumなんとか。

Drum Booth、Drum Essentials、Drum Machines。

この三つの違いを今日は理解したい。

まず記憶のためにこの三つのDrumなんとかを『ドラム三兄弟』と名づける。

そしてこの三つのパックのデフォルトレッスン(説明書のようなもの)を見てみる。

最悪なことに、なぜかDrum BoothとDrum Essentialsのデフォルトレッスンは英語である。(同じ表記が公式ページにもあり、そちらは日本語なので、単に日本語に差し替え忘れているのだと思われる)

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上に書いた通りこの文章の和訳されたものはAbletonの公式ページで読めるのだが、記憶の定着のため自分で訳してみよう。

ようこそ! ドラムブースへ!

ドラムブースは慎重にキュレートされたアコースティックキットが入ってます。それはドライルームでタイトに録音されたものです。それ自身で完璧ですが、電子ドラムの補佐として使えます。またドラムブースには、普通では聞けないユニークな実験的なセレクションも入っています。

もしあなたがリアルなドラム表現を必要ならマルチサンプリングされた32あるいは64パッドのキッドを選んでください。そうでなければ、16パッドを使って下さい。それはハードヒッティングでストレイトフォーワードなグルーヴで……まさにエレクトロニックなジャンルにピッタリでありつつも、トラディショナルな演奏にも使えます。

(最後よくわからなかったので適当になりました)

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ようこそ! ドラムエッセンシャルへ! ドラムエッセンシャルは、ドラムラック、MIDIクリップ、ワンショットを、全ジャンルのビートメーカーやプロデューサーやソングライターが使うために含んでいます。サンプル探しで創作の気が散らないよう注意深く作られています。いつでもMIXできる音が入ってます。

あらかじめマップされたマクロとビルトインエフェクトによって、ドラムを簡単に作り替えることができます。サンプルを簡単に入れ替えられるので、サウンドをミックスしたりマッチしたりすぐにできます。

さて、三つ目、Drum Maschinesの日本語説明文は以下の画像の通りである。

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で、ここまで訳したり、説明書きを読んだりしてきたが、いまだにこの三つのPackの違いがよくわからない。

いや、一番上のドラムブースは、どうやらアコースティックな音がメインのようである。なぜならデフォルトレッスンの写真が本物のドラムだからである。この推理が合っているかどうか音を鳴らして試してみよう。

なるほど。確かにDrum Boothはアコースティックな音である。

その他の特徴として、16パッドのドラムキット以外に、32パッドと64パッドがある。32パッドと64パッドにはRockキット、Jazzキット、Specialキットが入っており、さらに64パッドには二種類のフィンガースネアキットが含まれている。

ところでAbleton Liveには、Drum Booth以外にも、さらに三つのアコースティックドラムのPackが含まれている。

Session Drums Club、Session Drums Multimic、Session Drums Studioの三つである。

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これをセッションドラム三兄弟と名づける。

で、このセッションドラム三兄弟とDrum Boothは、アコースティックドラムのキットということで被っているように思う。

使い分けのポイントはもしかしたらDrum boothには32パッドや64パッドがあるということなのかもしれない。

とにかくセッションドラム三兄弟プラスDrum Boothは生ドラムのキットということで非常に役割的に被っているように思う。

そこでこの4つのPackを、生ドラム4兄弟と名づけることにする。生ドラム4兄弟の中ではセッション三兄弟が仲良しで、ひとりDrum Boothだけは異端な扱い、というイメージである。

よし、これで大体、アコースティックドラムのPackは理解できた。(生ドラム4兄弟という名前を付けただけであるが)

だがまだ最大の謎、Drum EssensialとDrum Maschineが残っている。

この二つは、上の方のデフォルトレッスンのスクリーンショットを見てもわかる通り、二つともドラムマシンのPackである。

どこがどう違うのかは名前からは判別するのが難しい。

ということで中身を覗いて聴いてみよう。

すると意外にも、この二つのPackは結構、コンセプトが違うものだとわかった。

まずわかりやすいのはDrum Maschineの方である。

フォルダを開けると有名ドラムマシンのキットがずらりと並んでいる。

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606、707、808、909とお馴染みのローランドのドラムマシンの他、私はよくわからないがリンドラムやその他歴史的なドラムマシンの名前が見える。

その上にあるEffected Drum Kitのフォルダには、素のドラムキットにエフェクトがかけられたキットがたくさん入っている。

だがどうやらこのDrum Maschineというパックは、基本、歴史的なドラムマシンをキット化したものと考えていいだろう。

909など普通のドラムマシンを使いたければこのパックを使えば良いということのようだ。

ただまだ疑問はあり、Ableton LiveのCore Libraryなるものにも909や各種のドラムマシンのキットが含まれている。

そこでCore Libraryの909とDrum Machinesの909を比べてみたところ、Drum Machinesのキットの方がそれぞれの音を実機のように細かく調整できるとわかった。よって、ざっくりと909の音を使いたいときはCore Library、細かくあれこれいじりたい時はDrum Maschinesのキットを使うなどという使い分けが考えられる。

さて、Drum Maschinesのコンセプトを理解したので、次はDrum Essentialsを調べてみよう。

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Drum Essentialsのドラムキットは4つのフォルダに分けられている。それぞれアコースティック、ドラムマシーン、ハイブリッド、シンセサイズドという名前だ。

聴いてみたところアコースティックのフォルダに入っているキットは、アコースティックと言いつつも、かなりエレクトロニックな音がする。

ドラムマシンのフォルダには、かなり加工されたドラムマシンのキットが入っている。

ハイブリッドのフォルダには名前から察するに、アコースティックドラムと電子ドラムが掛け合わされたようなキットが入っているような感じがする。

シンセサイズドのフォルダには、サンプルではなくoperatorなどのAbletonの内蔵音源を元にしてリアルタイム生成されるドラムキットが含まれているようである。

このパックは全体的な傾向として、かなり色々エフェクトがかかった突飛な音が多いと感じられた。

というところでこのメモ書きはこれで終了したい。

わかったことのまとめ

Drum Booth、Session Drum Club、Session Multimic、Session Studio、この4つがアコースティックドラム。

Drum Boothには32パッド、64パッドのキットが含まれている。

Drum Maschinesには本物のドラムマシンのように細かく各音をいじれるキットが入っている。素のドラムマシンをいじる感じでトラックメイクしたい場合はこのパックを使うと良さそう。

Drum Essentialsには訳のわからん突飛なドラムキットが入っている。

ということがざっくりと朧げながらわかった。

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