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プレッシャーを感じたら

vol.1370

仕事をしていると、日々プレッシャーの連続かと思います。

プレッシャーがあるということは、簡単な仕事ではない証拠で、簡単ではない仕事ということは、自分が成長している証拠でもある。

…とはいえ、「苦しい…」と思えば、そんなに悠長なことは言ってられないでしょう…

そこで、プレッシャーを感じている方に、少しでも気持ちが軽くなる、賢人たちの知恵をお届けしたいと思います。

ぜひ最後まで、お付き合いくださいませ😊


人生はRPGではない

ノンフィクション作家として数多くの方、とりわけ虐げられた方や弱者の人生を見つめ続けてきた石井光太さんが、養老孟司さんの最新刊『人生の壁』について語った解説記事に、プレッシャーと上手く付き合うヒントが溢れていると感じました。

〈ブックバン / 2025年1月21日〉

まず前提として、そんなに人生は理想通りにはならないと思っています。

武道茶道など、「道」の世界と同じで、仕事完璧はない

仮に、上手くいった案件だとしても、「もう少し、ああすればなぁ…」反省することもしばしば。

むしろ、そうした反省がなければ、成長はないでしょう。

また、様々な知識資格などを必死に勉強して得たとしても、それが成功を約束してくれるわけでもありません

石井さんも

現実世界RPGのように、多少の武器を手に入れたからといってクリアできるものではない。広い世界の中から自分の役割を見いだす、あかの他人と適切な関係を構築する、些細なことに人生の幸せを見出す……。(子どもの教育は)高額な月謝を払って早期教育を受けてたくさん習い事をしたからといって、それらができるようになるわけではないのだ」

と仰っています。

人生の豊かさは、酸い甘い様々な経験をして磨かれていくもの。

上手くいき続けている人生ほど、逆に危ういものははないと考えています。

「とらわれない、偏らない、こだわらない」

そして、養老さんは人生の壁を乗り越えていく上で、3つのことを大事にしているそうです。

「とらわれない、偏らない、こだわらない」

社会には、人が生きるという自然の摂理から外れた観念が数多ある。

それにとらわれたり、偏ったり、こだわったりするからこそ、人は壁にぶつかり、進むべき道を見失い、絶望に陥ると仰っているのです。

逆に言えば、生きることの本来的なあり方をしっかりと把握し、それに逆らわずにすべきことさえしていれば、人生の壁を乗り越えることができる。

そうすると、これまで壁と思っていたもの壁ではなくなるということなのです。

自然の摂理社会全体の秩序に逆らわず、身を委ねながら自分がやるべきことを淡々とやる

これは、仏教の「無我」にも通じる考え方ですね。

自分を過剰に主張せず、他者や環境と調和することが大事

そして、過剰でない方が良いと思うのが、物事の「正解」についてもそうです。

人は失敗したくないので、最適解を求めるわけですが、ここにも「待った!」をかける方がいらっしゃいます。

「最適解」を求め過ぎない

『世界は経営でできている』の著者で、慶應義塾大学商学部准教授東京大学博士岩尾俊兵さんは、

「日常生活で我々は最適解など求めていないし、そもそも最適解を求めるとかえって馬鹿なことになる。最適解など現実には存在しないと割り切る方が合理的」

だと仰っているのです。

例として、ランチの計画を挙げていらっしゃいます。

財布に5,000円あるとし、そのお金で5日間乗り切らないといけないとします。

例えば、1日1/5ずつ使った方が良いのか?

予算に強弱つけた方が良いのか?

はたまたカードを利用した方が良いのか?

それとも、1日は家の冷凍庫にある食材を弁当として持っていった方が良いのか?

選択肢は数多あり、「最も良い選択」というものは、突き詰めれば突き詰めるほど、分からなくなります

仮に最も良い正解が見つかったとしても、次の飲食店選びでは交通費労力満足度(料理の美味しさや経験価値など)も考慮することになりますが、それらの要素は複雑に絡み合い最適な選択が困難になるでしょう。

ゆえに、厳密に最適解を求め続けると、食事そのものが不可能になりかねない…

ということからも、日常を見返すと、厳密な最適解はなく、何となく、そのときの気分で決めていることを「最適解」と捉えているに過ぎない。

これが、岩尾さんが仰る「最適解は求めていないし、求めると馬鹿なことになる」ということの正体なわけです。

人生は探索の連続

そういうわけで岩尾さんは

ある程度の計画ができた段階で、まずは実行してみて結果を踏まえてよりよい解を探索すればよいだろう。
何か気になることがあっても、周囲が最適な行動をとっていないように思えたとしても『そもそものゴールに到達できるのならば別にいい』と吹っ切ってしまうのである。そして、『ゴールに到達できない可能性がある場合だけ、自分から何かアクションを起こせばいい』とあらかじめ決めておけば、意識すべき対象が絞られ、気も楽になり成果も出やすくなるだろう」

と、結論づけていらっしゃいます。

非常に共感するのは、「まずは実行してみて結果を踏まえてより良い解を探索すれば良い」というお言葉。

結局、生きることとは探索続けることだと思うからです。

ですので、もし今、プレッシャーを感じながら取り組んでいる挑戦も、その挑戦自体はゴールではなく通過点に過ぎないと考えてみる。

むしろ、そこから長く続く探索の入口にしか過ぎないかもしれない。

そう考えれば、プレッシャーの憂鬱も少しは軽くなるのではないでしょうか?

私もそんなことを意識しながら、何事も前向きに取り組んでいきたいと思います😊

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!

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