
50歳からの「活躍人生」
column vol.1117
あと3年経つと50歳ということもあり、今年は特に50歳からの10年間についてよく考えます。
3年といえば「石の上にも3年」とも言いますし、中学校と高校は3年間。
3年あると努力したことの土台ができる。
人生を振り返ってみても、そんな気がします。
ということで、50代を意識し、この3年間でしっかりと準備をしていく。
人によっては「もう50代」ですし、あるいは「まだ50代」でもある。
まさにキャリアの分かれ道です。
50代をどう捉えるかで、人生の後半戦が大いに変わってくると予感しています。
実際、50代を人生のターニングポイントとして考えている人は多いようです。
50歳からの「起業」が増えるワケ
定年退職した60代以上のアクティブシニア層を対象に起業支援サービスを手がける「銀座セカンドライフ」では、最近ある変化が生まれているそうです。
それは「5年前に比べて50代の起業相談が増えている」こと。
〈東洋経済オンライン / 2023年9月21日〉
まず、そもそも起業自体が増えているのですが、東京商工リサーチの調査によると、全国の新設法人数は2020年以前まで13万件前後で推移していたところ、2021年には14万4622社と過去最多を更新。
2022年も14万2189社と、高水準が続いています。
その増加の牽引役となっているのが、50代。
なぜ、50代が起業の主役になっているのか?
その理由は「会社での働き方への疑問」が背景としてあるそうです。
プレイヤーから「管理職」にシフトすることへの戸惑い
…さらに悲しいのが、管理職に働きがいを見出したとしても
役職定年
を迎え、まだまだ活躍したいのに、自分の向かう先を見失ってしまう。
そうしたもどかしさから一念発起して起業する人が多いのです。
また、起業しやすい環境が整ってきたということもあるでしょう。
例えば、副業を推奨する企業も増え、副業制度の枠内で起業を検討する人が増えています。
週35時間未満で副業起業の仕事を行う「パートタイム起業」という手もあるわけです。
起業家向けのスクールや、相談窓口が多くなってきていることも後押しになっている要因の1つでしょう。
「売り込む」よりも「聞き込む」営業
会社に残るにせよ、起業するにせよ、まず求められるのは「キャリア(自分の価値)」の棚卸しでしょう。
自分にはどんな強みと経験値があるのか?
同時に「どこを目指していくのか」も重要です。
その上で足りないものはリスキリングしていく。
…と、まぁ、こういった話は今さらな部分もありますので、本日は違う点に触れたいと思います。
銀座セカンドライフ代表取締役の片桐実央さんは、起業のキーポイントに「営業」を挙げていらっしゃいます。
もともと営業スタッフの方は良いとして、専門的なスキルを生業にしている方は、せっかく良い技術を持っていたとしても、売り込まないことにはなかなか仕事を獲得できないからです。
そうした方に対して片桐さんはこのようなアドバイスを仰っています。
人付き合いが苦手な人でも、自身のビジネスを売り込む営業は、成功のためには避けられません。特に起業したての場合、お客さまはその製品やサービスを買うというより、それを売る『人』を買っています。まずは人の話を聞くだけでも良いから交流会に出かけましょう。
「それを売る『人』を買っている」、ここがポイントなのですが、やはり重要なのは「相手の求めていることを充分に聞き出してから、売り込むこと」。
「売り込み」よりも「聞き込み」がカギを握ります。
…なぜなら、…当たり前にはなりますが…、人は「自分にメリットのない話」は聞いてくれないからです。
だからこそ「売り込む商品・サービス」を相手の「自分事」に重ねて提案する必要があります。
例えば、SNS(インスタグラムなど)の運用を売り込みたいとします。
ここで相手が「新規顧客の獲得」を求めている場合は
今やインスタグラムは検索ツール。新しいお客さまの出逢いに最適です。
と切り出しますし、もしも相手が「顧客のファン化」を求めている場合は
SNSで等身大の社長(社員)を発信することで愛着が深まっていきます。
と提案します。
「まずは人の話を聞くだけでも良いから交流会に出かけましょう」という片桐さんのアドバイス通り、最初は「聞き込み力」から磨いていくことが良いでしょう。
ちなみに「聞く力」は、内向型の人の方が向いているのです😊
「スキル」を生かした海外進出
…それでも、…やはり、営業はちょっと…という方は、スキルを活かした「転職」という選択肢もあるわけです。
50代の起業と同じように50代の転職も増加しています。
今の会社では当たり前のスキルも、他社に移れば「特別なスキル」である可能性はあります。
ちなみに、義父は外資系メーカーの人事部長で働いた後、セカンドキャリアにマンションの管理会社で働きましたが、前職で培ったスキルとノウハウを重宝されたとのこと。
そんな中で、新たに私が注目しているのがスキルを活かした海外進出です。
最近では、セカンドライフの選択肢としてタイで働く人が増えているそうです。
〈テレ朝NEWS / 2023年9月30日〉
その数は実に8万2000人。
日本の技術力やノウハウをタイで活かし、人財を育てるのに役立てています。
例えば、60歳でタイに移り、14年になる白木春光さんはタイ国内でトップクラスの大手・潤滑油製造会社「ZERECLOR」に勤務。
日本では化学者として自動車用などの潤滑油の製品開発に携わってきたそうですが、ZERECLORでは週3日で働いています。
月収およそ60万円。
しかも、自宅の部屋は26階の1LDKでプール付き、なのに社宅なので家賃は0円。
さらに、携帯電話などの通信料、自家用車のガソリン代まで全て会社持ちとのことです。
結果、住まいにかかるのは電気代と水道代の8000円程度。
かなりの高待遇ですね。
今後はタイのみならず、アジアシフトは加速していくでしょうから、50代の現役世代も海を渡る人が増えるかもしれません。
(…家族のある方は単身赴任になってしまう可能性が高いかもしれませんが……)
まぁ、1つの選択肢、未来への予見と捉えていただければ幸いです。
〜ということで、本日は50歳からの活躍人生についてお話しさせていただきました。
会社に求めらている目の前のことを黙々とクリアする20代、30代とは違い、40代、50代は会社に残ったとしても「長期的な視点で、今の会社にない新しい価値」を創造する気概がないと、なかなか活躍の場が保てないのが現実です…
つまり、「自立(自律)心」がキーワードになる。
「残留」「起業」「転職」、いずれの選択肢を選んでも、詰まる所、20代・30代の時の仕事意識からの切り替えがキーポイントになりそうです😊
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!