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世の中には振っていいコーヒーと振ってはいけないコーヒーがあるのはなぜ

みなさんこんばんは、福田達也です。

先日友達と一緒にいる時に、ボトル缶コーヒーを振っている所を見かけて、「それ振っちゃ駄目だよ」って話をしてました。

そこでふと疑問に思ったのは、なぜ振っていいコーヒーと振ってはいけないコーヒーがあるのかです。別に炭酸ガスが入っているというわけでもないですし、円柱型の缶コーヒーならむしろ、よく振ってお飲みくださいと書かれていた記憶。

わざわざそういう仕組にしているのには理由があるはず。せっかくなので調べてみました。

窒素充填は振っちゃ駄目

なぜボトル缶コーヒーは振ってはいけないのか。サントリーのFAQでは、以下のように解説されています。

「開栓時は振らないでください」と書いてあるのは、窒素充填による圧力で空気と一緒にコーヒーが噴き出してくることがあるからです。

お客様センター| サントリー

そして窒素充填とは、

窒素充填とは、中味を詰める際に、容器内の空気を窒素ガスで置きかえる製法です。

お客様センター| サントリー

とのことです。つまり、ボトル缶コーヒーの中には、窒素充填されているものがあります。ここでの窒素充填とは、ボトル缶の空気を抜いて、かわりに窒素を詰めるものです。

特にコーヒーにおいて、空気に含まれる酸素は、酸化の原因となり味や風味を変化させ酸っぱくさせます。窒素充填することで、酸化の原因となる酸素をボトル内から排除し鮮度を保つことができるというわけです。

混合物は振った方が良い

逆に、よく振ってくださいと書いてあるものは、どういうものなのでしょうか。多くの場合、スチール缶で作られており、特にミルクや砂糖が含まれているもののようです。

スチール缶を開ける前に”よく振る”理由
特に、ミルク・砂糖入りの缶コーヒーは、時間の経過とともに、成分が沈殿・分離することがあります。

なぜ、缶コーヒーは開ける前に「よく振る」タイプと「振らない」タイプがあるの?

素材の違いにもある

また、素材の違いからも窒素充填の有無があるそうです。

振れる缶コーヒーは缶の内圧が陰圧(外気圧より低い圧力)になっています。陰圧にする理由は、レトルト釜による加熱殺菌を行うためです。そうしないと加熱で缶の中の空気が膨張し、缶が変形してしまうからです。

振ってはいけない缶コーヒーは缶に窒素ガスを充填し、内圧を陽圧(外気圧より高い圧力)にしています。そのため、缶を振ってしまうと内圧が上がってしまい、開缶すると中身が噴き出てしまいます。

振っていい?振っちゃだめ?缶コーヒー178本大調査!

陰圧缶の場合、缶に剛性が無いと凹んでしまうため、スチール缶を使用します。スチール缶には底が白い缶をときどき見かけますが、これは東洋製罐のTULC(タルク)と呼ばれる缶です。この缶は製造時の環境負荷を大幅に低減した缶で、白い色は熱圧着されたポリエステルフィルムの色です。

陽圧缶の場合は、内圧を利用して強度を保つことができますので、スチール缶よりも柔らかいアルミ缶を使用することも可能です。

振っていい?振っちゃだめ?缶コーヒー178本大調査!

アルミ缶は素材が柔らかいため、窒素充填をして内圧を高めることで強度を保つという意味合いもあるようです。一方、元から剛性が高いスチール缶は、内部を陰圧にして殺菌加熱処理による変形を防いでいるということ。

ということは、スチール缶は殺菌加熱処理をされているが、アルミ缶はされていないのでしょうか。そして、それが風味や鮮度につながっているのでしょうか。こちらについては、また別途調べてみたいですね。

ちなみに、軽く振った上で落ち着かせる必要があるものもあります。下記の写真では予想通りアルミ缶でした。砂糖やミルクが含まれる飲料のため振った方が良いが、剛性を保つために窒素充填をしているため、吹き出さないように落ち着くまで待つとのこと。両者の合わせ技ということですね。

「ジョージア」の缶製品で『軽く振り、少し待ってから、あけてください』と書かれているのはなぜですか?

こちらの製品は、容器内の圧力が大気圧よりも高くなっており、スチール缶製品よりも泡立ちやすくなっています。強く振ってしまいますと噴き出すことがありますので、「軽く」お振りくださいとお願いしています。また、軽く振っていただいた後は、容器内の泡立ちを落ち着かせるために、少し待ってからあけていただくようお願いします。

コカ・コーラお客様相談室

終わりに

今回は、振ってはいけない缶コーヒーと、振ったほうがいい缶コーヒーの違いについて説明しました。

鮮度を保つために窒素充填されているものは振ってはいけなく、混合物は振った方が良い。アルミ缶は窒素充填されているため、振ってはいけないものが多く、スチール缶は内部の圧力が低いため振っても良い。という事が分かりました。

なぜよく振ったり、振らなかったりといった飲料が出ているのか、その歴史的な経緯なんかも調べると面白そうですね。機会があれば調べてみたいと思います。

本日も読んでいただき、ありがとうございます。
また次の記事でお会いできることを楽しみにしています。


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