
【ドラム】ZOOM R8で同期演奏のライブをした
クリックをイヤモニで、オケを外音で流しながらバンドライブした (初挑戦)
はじめに
結果的には成功
ZOOM R8は同期機材として非常に扱いやすい
重要なのは「根気強い準備」と「動じないこと」
買ったもの
ZOOM R8 (同期機材)
TRANSCEND TS32GSDC300S (同期機材用 SDカード 32GB)
SHURE SE215 Special Edition (イヤモニ)
SHURE EAC64BK (イヤモニ用ケーブル 1.6m、付属品(1.2m)より長い)
フジパーツ 3.5mmステレオミニプラグ(オス) - 6.3mmステレオ標準プラグ(メス) 変換プラグ AC-666 (イヤモニ - 同期機材接続用)
CANARE G05 (シールド 5m 同期機材 - PA機材接続用 )
1. 同期機材は安定性が高く便利なR8を
- PC、スマホはフリーズ、ダウン、システム音混入などが怖い
- R8はクリックとオケの流し分けがしやすい
2. イヤモニは激しく動いても外れにくいものを
- SE215はSHURE掛けできる
3. ケーブル、シールドはPA機材が遠くてもつなげるように長いものを
つくったもの
クリックの音源 (wav 44.1KHz 16bit イヤモニ用)
オケの音源 (wav 44.1KHz 16bit 外音&イヤモニ用)
クリック + オケの音源 (mp3 個人練用)
1. セットリストに沿って音源の分け方を決める
- 基本的にはMCをはさむ前後で音源を分ける
- 例) 1曲目⇒2曲目⇒MC⇒3曲目⇒4曲目の場合
- 1曲目+(曲間クリック)+2曲目、3曲目+(曲間クリック)+4曲目 の2音源を用意する
2. クリック、オケの音源はR8のプロジェクト設定にあった形式でないとR8に認識されない
- 通常はwav 44.1KHz 16bit
3. オケの音源の注意点は以下
- ベロシティやパンの調整はほどほどに
- やりすぎると曲同士の音量バランスが崩れやすい
- EQやコンプなどはかける
- 大音量で鳴らすので素の音源だとキンキンしやすい
- リバーブは外す
- リバーブはPAでかけてもらう
4. クリック、オケの音源の注意点は以下
- 曲の末尾に数分~十数分無音を入れる
- 演奏後に止め忘れてMC中に別のオケが流れてしまう事故の予防
5. クリック + オケの音源は自分と他メンバーの個人練習用
- こちらは↑の無音はない方が扱いやすい
準備
R8をPC接続 & 起動
1. R8にSDカードを挿す
2. R8に付属の電源用USBケーブルでPCと接続
3. R8の電源スイッチを入れて起動
R8のSDカードにプロジェクト作成
1. R8の[PROJECT]キー -> 液晶の[NEW]で[ENTER]キー
- NAMEは曲順がわかるものを 例) PRJ001、PRJ002、…
- SETTINGは初期のまま (Continue)
- RATEは初期のまま (44.1KHz)
2. 液晶の[EXECUTE]で[ENTER]キー
3. 曲数分プロジェクトをつくる
クリック、オケの音源をR8に設定
R8/R24をライブの同期に利用① ~外部WAVファイルをSDカードに取り込む~ に沿ってSDカードの各プロジェクトにクリック、オケの音源をそれぞれ取り込む
R8/R24をライブの同期に利用② ~トラックに取り込んだWAVファイルを割り当てる~ に沿って各プロジェクトのチャンネルにクリック、オケの音源をそれぞれ割り当てる
R8/R24をライブの同期に利用③ ~クリックの音をヘッドフォンのみから再生~ に沿って各プロジェクトのクリックの設定を行う
1. チャンネル設定のおすすめはクリック:1/2、オケ:MASTER
- MASTERにオケを割り当てるとシーケンスプレイ機能が使える
2. BALANCEノブのおすすめは12時
- クリックとオケ両方をイヤモニから聞く形
- クリックのみにするとオケの返しが弱かったときに聴き取りが外音頼みになる
再生確認
1. R8にイヤモニを繋ぐ
2. チャンネルのフェーダーとPHONESのボリュームノブを上げる
3. R8の[PROJECT]キー -> 液晶の[SELECT]キーでプロジェクトを選択
4. R8の[PLAY]キーでイヤモニに音が流れるか確認
- 流れなかったときはフェーダーをもう一度動かすと流れるときあり
- [STOP]キーで一時停止
- MARKER[|◀◀]キーで曲頭に戻る
全体の流れ
個人練習
R8は使わず、個人練習用音源を聴きながら練習
- R8は接続と再生確認に少し時間がかかるため
バンド練~ゲネプロ
R8 + 関連機材をスタジオに持ち込んで同期演奏形式で練習
演奏時にR8の各プロジェクトの再生を開始するタイミングを確認する
- R8はスタジオのミキサーにシールドで繋ぐ
合わせてみて課題が出た場合は各種音源を作り直す & R8に設定し直す
- 曲間が長い/短い、音色が合ってない、音量バランスが悪いなど
- あるいはアレンジを変えたくなったときなど
- 変更作業はとても時間がかかる、ゲネプロまでに完成できると理想的
当日リハーサル
R8 + 関連機材をライブ会場に持ち込んで同期演奏形式でリハーサル
R8と会場のPA機材をシールドで繋ぐ
会場によってはPA機材にキャノンケーブルしか繋げない場合も
その場合はDIを会場で借りるか、自前で持ち込むのが理想
- 会場の椅子を一脚借りたりしてその上にR8を配置
- オケで複数の音源を使っている場合は各音源が網羅できるようにリハの曲を選ぶと無難
本番
R8でプロジェクト再生⇒同期演奏⇒MCの前後にR8でプロジェクト停止&プロジェクト切替⇒R8でプロジェクト再生⇒… を繰り返して進行
やらなかったこと
R8のマーカー
曲の特定の秒数にマーカーをつけることで、その位置に移動できる機能
曲の尺が変わるとマーカーも付け直す必要が出てくる と思い、試さず
- バンド練の議論で曲の尺を変えることはよくあるので
R8のシーケンスプレイ
プロジェクトのプレイリストを作ることで連続再生できる機能
再生を停止した状態で前後の曲に移動できない ため、使わず
- 「前の曲の先頭から再生」「次の曲の先頭から再生」しかできない
- 操作ミスしたときにリカバリできない気がした
やってみて
結果的には成功
本番は幸い機材トラブル0
- 練習ではオケが流れないトラブルが何回かあった
だいたい想定通りに音を流せて観客の反響もまずまず
初挑戦でもなんとかできるZOOM R8の扱いやすさはホントに素晴らしい
本番中は常に事故と隣り合わせ
事故が常時起きやすい状態
- 機材トラブルで音が流れない or クリックのみ流れる
- 演奏中の感情や心拍の変化でいつのまにかクリックとずれる
- テンポが機械的になったことでグルーヴが揃わない
- テンポチェンジが機械的になったことで入りがずれる
- オケの返しが弱くて進行を見失う
など
本番中はメンバー全員大変。。
重要なのは「根気強い準備」
一番大変だと感じたのは音源づくり、とにかく作業量が多い (分担推奨)
色々な機材を使う必要があり、省けない作業も多いので時間を多めにとって根気強く進めるのが大事
重要なのは「動じないこと」
事故やミスが起きたときにとにかく冷静に続けることが大事
あれこれリカバリーを考えて心が折れると進行が止まってしまう
本番中細かいミスをした時にこの教えに何度も救われた
おわりに
成功してよかった!次やるときも上手くいきますように🙏