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普段やらないことをやってみる

僕は普段バスに乗ってアルバイトへ向かう。その時は大体バスの後ろ半分の空いている席に座り、目的地まで読書をする。

だがその日はいつもと違った。

その日の僕は何を思ったのかバスの最前席に座った。バスが発進し、いつも通りカバンから本を取り出そうとしたところ、見慣れない光景が飛び込んできた。

どれほどの車が通っているか。人が通っているか。坂の勾配。空気の明るさ、空の色。

いや、確かにアルバイトの度に通る道だから見慣れないはずはないのだが、なぜかカバンから本を取り出そうとした手が止まった。その光景にくぎ付けになった。


何が起きたんだろう。その答えは明確だった。


バスの先頭に座っているから受け取る外の景色の量が多いのだ。バスの前方の窓はご存じの通り開けており、見通しが良くなっている。

そんなの誰にでもわかっていることだ。僕自身も頭ではわかっている。

別にバスの前に座ろうが後ろに座ろうが大したことじゃない。けれどその時の僕にとってはとても大事なことだった。

無意識でわかっていることを、もう一度意識的に理解するという行為。

それをすることで生活が豊かになるまではいかなくとも、何かひとつの刺激だったりきっかけになったりするんだと感じた。


ルーティンみたいなものも大事だけど、たまにはいつもと違うことをして何か発見するようにしよう。まずは飲食店でいつも同じメニューを頼むところから直していきます。



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