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小山薫堂 「恋する日本語」 幻冬舎文庫

カノッサの屈辱、料理の鉄人、京都造形芸術大学の教授。別名 うどん熊奴。

超短編集、2点ほど紹介。

あえか

古い本棚を整理していたら、昔の彼に借りた写真集が出てきた。

表紙を開くと、二人で見つけた葡萄の葉っぱがひらりと落ちた。

消えかけた思い出をかろうじて記憶していた薄茶色の葉っぱ、、、。

そうっと拾い上げようとしたら、掌の上で静かに崩れた。

思い出に、さよならをした気がした。

滝枕

金木犀の季節に、彼は交通事故で突然逝ってしまった。

あれから数年が過ぎたけれど、彼は今も心の中にいて、いつも私を励ましてくれる。

そんな彼が、ゆうべ、久しぶりに夢に出てきて、朝起きたら、枕がびっしょり慣れていた。

窓を開けたら、金木犀の香りがした。


抜群のイラストも込みでオススメの本です。

(縦、横の字の配置違い、句読点の行替えなど雰囲気が違うので本物の本でお読みください。)


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