Dr.STONEから考える優生思想
アニメで考える社会問題
本日は「Dr.STONE」を通して優性思想について考えていきましょう。
「Dr.STONE(ドクターストーン)」は人類全員が謎の石化現象によって絶滅してしまった未来を描いた作品で、主人公「石神千空(いしがみせんくう」の持つ科学知識を活用し、文明を取り戻すために奔走する話でございます。
千空の持つ科学知識は、他の追随を許さず、義務教育で学ぶものからとても専門的な内容まで様々です。
これらはすべて実際に活用される内容であり、教科書に採用されても問題ないくらいの精密さでございます。
そんな作品を描いた作者の知識にはには度肝を抜かされてしまいます。
アニメも3期まであり、続きが大変気になりますね。
私も原作漫画を買おうか一生迷っております。
さて、そんなDr.STONEの2期では千空率いる科学王国と「獅子王司(ししおうつかさ」率いる司帝国の戦争を描いております。
司の目的は、既得権益者を完全に排除し、純粋な若者のみを石化から復活させることで、人類全員を復活させようとしている千空と敵対しています。
そんな司の右腕で、事実上のナンバーツーのキャラクターが「氷月(ひょうが)」であり、彼の思想は司以上に偏っています。
彼は優秀な人材のみが生き残るべきだと考えており、現に彼は同じ司帝国の仲間であっても気にせずに犠牲にしております。
完全に、「優生思想」の持ち主です。
今回のキーワードが出たところで本題に移りましょう。
「優性思想」とは氷月の例のごとく、同じ人間のなかに優れた者と 劣った者が存在するとみなした上で,優れた者の増産と劣った者の淘汰を 目指す考え方です。(引用)
「優生」とはもともと、遺伝子における表面的に発現する遺伝子のことを指す「優生遺伝子」から来ていますが、優生思想におけるそれは、前述した「優れている人間」として扱われることが多いです。
では、「優れている人間」というのはいったいどんな人間なのでしょうか?
頭がいい人?
スポーツ万能な人?
文武両道な人?
人間的な人?
お金持ちな人?
様々なとらえ方があると思います。
ちなみに、氷月は「ちゃんとしている人間(論理的・理性的に考えられる人間)」と表現しており、逆に脳筋な人間を嫌悪しております。
ちなみに、AIであるチャットGPTに聞いてみたところ、以下の解答をいただきました。
おそらく、優生思想的には上記の様な要素は含まれず、人種・性別・所属しているグループを指して言っていることが多いように見受けられます。
では、優生思想における「優れた人間」のみが残り。「劣った人間」が淘汰された場合、この世はどうなるのでしょうか。
「人類の滅亡」だと私は考えます。
そもそも優劣とは比較する何かがあって初めて発生します。
仮に優生思想者における劣等者が排除された場合、優秀な人間の中でも優劣が生まれ、劣等者が排除される。
また残った人間の中で優劣が決まり…..。
その繰り返しですね。
結果的に人間は残らず、滅びます。
そんなことはだれも望みません。
また、一見劣っていると思われている人間も存続のためには必要なのであります。
「働きアリの法則」と同じで、優れた人間(法則における、よく働くアリ)のみを残す行為は短期的に見れば能率の上昇が見込めるものの、長期的に見た場合、能率は下がるとされています。
一見働いていないアリだって、働いているアリが動けなくなったら代わりに働いてくれます。
それぞれに役割があるからこと、社会は回っています。
「劣っている」と一概に決めつけるのではなく、その人の「優れている」ところを見つけるのも大切なのではないでしょうか?
余談ではございますが、戦後間もなくから約50年間、日本において「優生保護法」という法律があったのはご存じでしょうか?
ザックリ説明すると、「遺伝子疾患を持つ人間の不妊治療と人工妊娠中絶を合法化する」法律です。
勿論現代ではこの法律は廃止されていますが、約50年間で対象になった人は約84000人にのぼります。
昔の日本では、このようなことが平気で行われていたと思うとぞっとしますね….
今回のテーマに直接的にかかわっているわけではございませんが、是非日本に住む人として、このような悪法があったということを頭の片隅にでも置いておいてほしいです。
今回はここまで。
次回もよろしくお願いします。
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