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本好きの下克上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜から考える本離れ

アニメで考える社会問題
本日は「本好きの下克上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜」を通して本離れについて考えていきましょう。

「本好きの下克上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜(以降:本好き)」は2019年に第1期、2020年に第2期、2022年に第3期が放送されたアニメです。

現代日本に暮らす本須麗乃(もとすうらの)は、念願である図書館への就職が決まった日に亡くなってしまいました。
もっと多くの本を読みたかったという未練を抱いた彼女は気が付くと異世界の幼女「マイン」として転生していました。
マインが生きている世界は、魔法の力を持つ貴族に支配される中世然とした異世界の都市でした。
厳格な身分制度の中、現代日本の知識を持つ少女マインが、大好きな本を手に入れるために出世していく姿を描きます。

結局なところ、好きなものが何よりものモチベーションになるということを示している本作ではございますが、マインにとっては本がそのモチベーションになっています。
マインの住む世界は「本」というものは貴族が持つ代物であり、庶民のマインには手に入れることができませんでした。
手に入れることができないなら作ったらいいじゃないと決意したのがすごいところで、彼女は現代日本での知識をフル活用し、紙を植物から精製し、本を作り上げました。
その後、読み書きや算数等の知識を共有したり、潜在的な高魔力を見抜かれるなどして、貴族と共に住むことになります。

そんなマインが執着するほどの「本」ですが、今若者を中心に読まなくなっていることをご存じでしょうか?
本離れ、もっと言うと「活字離れ」は先進国で特に問題となっています。
インターネットが普及すると、いかに識字率が高い水準でも本や新聞の利用率が低下してしまいます。
とはいえ、「活字」とは広い視野で考えた場合。インターネット上の文字を活字であり、そこに移行しているという考え方であれば、活字離れ自体は進んでいないとも言えます。
どちらかというと本などの紙媒体に触れる割合が減っているように感じます。
特に若者の読書離れは顕著であり、2005年時点での20代の無読(本を読まない)率は全体の4割弱にも及び、インターネットの普及ばかりが原因ではないのかもしれません。
とはいえ、実は若者の読書離れは衰退ばかりだけではなく、ライトノベルやベストセラー小説などの青少年層をターゲットにした書籍が増えたことにより、関心事態は増加しているのではないかという意見もあります。

私の意見として、技術の進歩により紙媒体から人が離れるのは致し方ないことだと思います。
むしろ、ペーパーレスが推進している以上、本や新聞が電子化していくことは避けられないことだと思います。
もちろん、本には紙媒体だからこそ得られる良さがあるのも事実ですが、本質が中に書かれている文字を読むことであるならば、電子であってもその目的はクリアしています。
また、本や新聞といった「読む娯楽」は音楽といった「聴く娯楽」や動画といった「視る娯楽」よりどうしても劣ってしまうのではないでしょうか?
例えば、ある作品があったときに、アニメと小説の両方の媒体のどっちを先に見ますか?と聞かれたら、多くはアニメを先に見るのではないでしょうか?
それは、アニメによって原作人気に火が付く現象と一緒で、まずは見やすい方から見始めて、そこからハマる人が多いのです。
しかし、それはデメリットばかりではありません。
アニメや動画という新しい媒体は、原作人気の火付け役になる場合があります。
そこから書籍に手を伸ばし、原作のファンとなってもらう。
そこから紙媒体への興味を持ってもらうことも可能です。
勿論、それは長期的な解決策にはならないかもしれませんが、1つの短期的な本離れの是正にはつながるかもしれません。

私自身、本を買うとなったら漫画ばかりですし、ニュースを見るときは、新聞ではなくネットニュースが主です。
昔ほど、本や新聞に依存する社会ではないのかもしれません。
また、新聞はどうしても出版社によって意見や思想がブレてしまいます。
そういう負の側面を今の若者はかなりよく思っていないようにも感じます。

今回はここまで。
次回もよろしくお願いします。

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