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学園ベビーシッターズから考える待機児童問題

アニメで考える社会問題
本日は「学園ベビーシッターズ」を通して待機児童問題について考えていきましょう。

「学園ベビーシッターズ」は2009年から現在にかけて連載中の漫画が原作のアニメで、2018年に放送されました。

主人公の「鹿島竜一(かしまりゅういち)」と弟の「鹿島虎太郎(こたろう)」は両親を飛行機事故で亡くしました。
2人は同じ事故で息子夫婦を亡くした森ノ宮学園の理事長に引き取られました。
引き取る条件として、竜一が成人するまでの間面倒を見てもらう代わりにベビーシッターをすることになりました。
森ノ宮学園では、働く女性教員のために作られた保育ルームがあったのですが、人手が足りず、竜一はそれを補うために作られたベビーシッター部の部員第一号となるところから話はじまります。
見る立場としては、学生も幼児も可愛くて楽しめる作品となっております。

とはいえ、私は本作を視たことが無いので、本作のタイトルとあらすじを読んで感じた社会問題と掛け合わせることにしました。
本作の舞台である森ノ宮学園には保育ルームがあり、本来は専属のベビーシッターがいるべきなのでしょうが、人員不足により竜一が部員となって助ける形になっております。
ここからだけでも、日本の社会問題を垣間見ることができませんでしょうか?
それこそ、保育施設・従事者の不足によって発生している「待機児童問題」です。

「待機児童」とは、保育を必要とする未就学の児童で、保育園の入園を申請したが、入園できない状態にある児童のことです。
現在、待機児童は約3000人おり、減少傾向にあるのは良いことではありますが、油断は許されない状況です。
減少した理由として、「認定こども園の増設」「0~2歳児の受け入れ施設の拡充」「保育士の処遇改善」など、国によって様々な取り組みが行われたことが挙げられます。
とはいえ、全国的なレベルで解消されたわけではなく、現在も都市部を中心に待機児童は存在します。

では、待機児童が増えるとどういう問題があるのでしょうか?
一番は、働きたくても働けない人が増えることです。
実はこれが問題の原因であり課題の1つなのです。
社会での考え方も変わり、「女性=専業主婦」という認識から「女性も働く」が定着しかけております。
そのため、今まで母親が家に常駐していたため不要だった託児が必要になる世帯が増えたのです。
また、都市一極集中による核家族化も原因の一つです。
「核家族」とは、夫婦とその子どもだけ構成される家族のことです。
昔だったら三世代で住むご家庭も多く、共働きの夫婦であっても仕事をしている間は祖父母などに子どもの面倒を見てもらう家も多かったのですが、現代では自身達のみで生活するライフスタイルに変わりました。
また、都市一極集中により一カ所のみに需要が傾いているのも原因の1とつです。
実際、待機児童の6割は都心部で発生しているという意見もあります。
ちなみに、都市一極集中は以前記事を書きました。
自信作なので是非読んでいただきたいです。

では、そんな待機児童は、どのようにして解決できるのでしょうか?
私は本作の様な、会社内の託児所は一案としてよいのではと考えます。
企業が福利厚生の一環として導入し、仕事中は預けることができる環境を構築するのです。
このメリットとして、緊急時に対応しやすいという点があります。
例えば急な風邪の時も、いちいち離れた園に迎えに行く必要もなく、同じ敷地内で済ませることができ便利です。
はたらきたい女性が増えている中で、この方法は非常に有効だと考えます。

時代の変化に合わせて、こどもがおかれる環境も様変わりします。
国だけでなく、企業もその責任を全うする必要があるのと、親も親で子供がいる中でどれまで、そしてどこでなら働くことができるかを考える必要があります。
都市一極集中という事実もある中で、親と国と会社はどこまで子供に責任を負えるのか、果たして本当に都市部にいる今の現状が子育てにおいて適切な環境なのか考えてみてください。
私たち大人は、こどもの豊かな成長のために生きているのです。

今回はここまで。
次回もよろしくお願いします


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