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アイドル事変から考える若者の政治離れ

アニメで考える社会問題
本日は「アイドル事変」を通して若者の政治離れについて考えていきましょう。

「アイドル事変」は2017年に放送されたアニメと政治を掛け合わせたアニメです。

舞台は日本とよく似たパラレルワールドの国「ニッポン」。
広がる所得格差、しのび寄る環境汚染、打つ手なしのゴミ問題、当事者不在の議論が続く待機児童、繰り返される汚職の数。
あふれる問題や不満に対し何一つ対策を打つことのできない既得権益にまみれた政府。
そんな八方ふさがりな状況のニッポンでアイドルが政治家として立ち上がる作品です。
本作では、実際の政治の様な「政党」が存在しており、「ヒロイン党」、「賛来党」、「スターライ党」、「美少女党」、「わかば党」、「サブカル新党」、「SOS党」と存在しており、各都道府県の代表として国会議員になります。
例えば主人公「星菜夏月(ほしななつき)」の所属する「ヒロイン党」なら「健やかで笑顔に満ちた国民生活」を、「賛来党」であれば大所帯を活かした多分野の問題対応を目指しています。
このように、実際の政党のようにそれぞれモットーをもって活動しています。

多くのアニメにおいて相容れないジャンルをくっつけることはよくあります。
前回の「アキバ冥途戦争」もそうでした。
このような奇抜な設定は特に目立ちやすいです。
しかしながら、どうしても政治は特に若者の関心が低く本作においてもガッツリ注目を集めきれていなかった印象です。
また、アイドルというのも、当時の2次元アイドルブームがすでにレッドオーシャンだったこともあり、新規で戦うにはいささか厳しかったようにも感じます。
しかし、アイドルというジャンルはさておいても、政治に興味を持つ入り口として本作は良いのではないでしょうか?

では、本題に入りましょう。
日本における若者の政治離れは深刻な問題です。
投票率でみるとわかりやすく、2021年に行われた衆議院議員選挙では、60代の投票率は約70%なのに対して20代は約30%と、半分以下の水準です。
その理由として一番だったのは、「今住んでいる市区町村で投票することができなかったから」というのでしたが、その次に多かったのが「選挙にあまり関心がなかったから」と「投票に行くのが面倒だったから」というのがあり、その2つを合わせると、投票をしない理由の約3割を占めます。
では、なぜ関心を持てなかったり、面倒だと思うのでしょうか?
選挙に参加することは18歳以上の日本人に与えられた権利です。
また、国民の意見を政党や政治家個人に代弁してもらうための唯一のチャンスです。
それを無駄にするのはなぜなのでしょうか?
やはり一番大きいのは、「投票しても変わらないから」というのが大きいのではないかと感じます。
どれだけ新しい政党ができてSNS等を活用して発信しても変わらないと感じてしまう若者が大勢いる。
逆に、大きい政党は人口の多い高齢者をターゲットにした政策を掲げるため、必然的に高齢者はそこに票を入れるわけです。
結果的に覆せない差が生まれてしまうわけです。

そして、私が特に政治離れを引き起こしている原因だと感じているのが、政治や推している政党に関する会話がタブーとされていることにあると考えています。
よくビジネスマナーで言われるのは、「宗教・政治・野球」の3つの話題は、個人の心の奥底にふれる可能性のある話題のため、初対面の人と良好な関係を保つ上でのタブーとされています。
私自身、幼いころに選挙に行った後の母に「どこに入れたの」と聞いた時に怒られたことをよく覚えています。

以上のように、タブーとして会話をさせなかったり、高齢者びいきの政策ばかりで若者が損をしている現状が政治離れを加速させているのではないでしょうか?
勿論、政治に危機感を感じなくても良い国というのは、その分平和であると麻生太郎さんもおっしゃっていました。
日本の若者が政治と向き合わずとも暮らせているのは、それだけ日本は平和で安定しているとも言えます。
しかし、本当にそれでいいのでしょうか?

私はこの状況は問題であると考えています。
未来の日本を支えるのは今の若者であり、そこに焦点を当てた政策を本来私たちは望むべきなのです。
しかし、「知らない」、「わからない」のせいで今後も投票に行かないのは一国民として危機感を持つべきなのです。
そのため、私は3つの解決策を考えました。
1つは選挙の義務化です。
今は権利として認められている程度に収まってはおりますが、ゆくゆくは義務化し、白票でさえ投票しない人にはそれに応じた罰則を適用するべきだと考えます。
それこそ、インターネットも普及しているため、期日前投票も簡単にできるようになったはずです。
そこを活かし、投票率100%も目指し、正しい国民の意見を伝えるべきなのではないでしょうか?
2つ目はタブーの払拭です。
私自身は、推している政党を持つことは自由であり、別に誰も推していなくても良いですし、推している政党があるのであれば積極的に話題に出して議論を深めるべきなのです。
特に高校・大学生は同年代とかかわりが強いため、積極的に話して自他ともに知見を増やすべきだと私は考えます。
むしろ、言わないことによって政治と向き合わない日が生まれることが今の日本と若者に対してリスクだと考えます。
3つ目は義務教育の過程で政党についても学ぶことです。
例えば、今なこの党が一番議席を持っている等、積極的に教育の範疇で学んでもらい、投票する時の意義は理解させるべきだと思います。
また、特に公立では教師の推している政党を公言するのもダメとしていますが、それも併せて撤廃し、多くの意見を聞いて自分の応援したい政党を選んでもらうべきなのではないでしょうか?
勿論、過激な教師が政党などを応援することを強要する場合もリスクとしてありますが、それも一個人の意見として理解してもらい、将来投票に行くときの参考にしてもらうべきだと私は考えます。

この間東京都知事選があり、多くの関心を得ておりました。
あの時は石丸伸二、元安芸高田市長というインターネットを巧みに使ったv市長の参戦もあり注目を集めていたように感じますが、今後も長期的に継続するのであれば、根本的なところにメスを入れ、私たち自身が声を上げて主張するべきなのです。
来年には参議院選挙も行われます。
若者の意見を通すためにも、皆さんの積極的な投票をお望みします。

今回はここまで。
次回もよろしくお願いします。


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