友情の総重量
ピロリン。
スマホから通知音が鳴る。
ピロリン。ピロリン。
LINEアプリの右上、
赤く縁取られた数字が
2,3,4と積み重なっていく。
グループで会話が行われているらしい。
ピロリン。
インスタにメッセージが届く。
ピロリン。
Twitterにいいねがつく。
重い。
重い。
重い。
繋がりが、重たい。
気軽な繋がりが、
私をがんじがらめにする。
アプリをタップする。
メッセージを送る。
たったこれだけの行為が、
増えていく数字に比例して億劫になる。
でも。
もし返信しなかったら?
きっと皆からはぶかれる。
友達が、いなくなる。
だけど、それは本当に友達なのかな。
そんなに簡単に切れてしまうのが友達なのかな。
違う。
そんなのは本当の友達じゃない。
わかってる。でも怖いんだ。
この重たさが無くなったら
私は自由になれるのかもしれない。
でも、怖いからできない。
疑問を抱きつつも、
重たい指をスマホの板上に滑らせた。
私自身も誰かにとって重たいのかもしれない。
この世は面倒くさい。
あまり捻りのない作品になってしまった感じがしますが、どうだったでしょう…?
ともかくお読みいただきありがとうございます。