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隔週警察
俺にはジンクスがある。
長く生きていれば自ずと見えてくる、人生の法則というやつだ。
このいわば呪いというか、宿命に近いものはつい最近、1年ほど前から始まっている。
それが隔週、警察へと何かしらの理由で出向いていることだ。
先々週も俺の泊まっていたホテルで殺人事件があり、隣室であったことも相まって事情聴取を受けた。
もちろん今はこの通り自由の身。
この1年、隔週で警察と会っているのだから、手続きも慣れたものだ。
さて、本日は日曜日。
だが今週はまだ警察の世話になるような事件には巻き込まれていない。
このまま今日という日が終われば、
何か新しい生活が待っているに違いない。
ついに解放される時が来たのだ。
夕方5時のチャイムが鳴り、ありふれた鐘の音が祝福してくれているような心地にすらなる。
もうすぐ今日が終わる。
ーーピンポーン。
誰だ?
戸を叩く音がする。
「警察だ。さっさと開けろ」
こうしてジンクスは終わった。
これからは毎日刑務所暮らしだからな。
(410字)
読んでいただきありがとうございました!
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