小中学校の給食費無償化など菊地新町長の政策第一弾が発動します。
4月20日に臨時議会が開かれ、菊地新町長の新しい政策への予算が提案され、議会でこれらを承認しました。
追加予算は2億4900万円で、これにより全体の予算総額は131億3700万円となりました。
以下、主だったところだけを簡潔に書き出した上、個人的な印象を添えています。
1. 小中学校の給食費無償化 4100万円
かねてより要望の多かった小中学校の給食が無償になります。
一食あたり小学校270円、中学校310円を徴収していましたが、無償化され、子育て世代の負担軽減になります。
子育て世帯の経済的負担軽減
安心して子育てできる環境の充実ア51
食の安心安全の確保
子育て世代の負担軽減として、高校生の医療費無償化と通学手当支給の声も多く聞かれるところですが、今回には盛り込まれませんでした。
2 自治振興会ワークショップ 100万円
町内5つの自治振興会で、地域コミュニティの維持や町内会未加入問題といった課題を解決するためのワークショップを町主体で開催するというもの。
自治振興会のこれからの役割、在り方などについて
「対話」する機会・きっかけとして位置づける。
役員、町内会(班)、一般の会員、それぞれの立場での課題、困りごとなどを共有する。
自治振興会?町内会? 東川町では住民自治の仕組みがうまく機能していない面があるようで、それらの改善を図るきっかけになっていけばと期待します。
3 行政懇談会 タウンミーティング 100万円
町民の声を町長が直接聞く機会として、5つの自治振興会に出向いて懇談を行うというもの。
町民、事業者、行政という異なる3者が、それぞれの特性と立場をお互いに理解・尊重し、連携協力することにより相乗効果が高まり、共有する地域社会の将来像の実現することが可能となる。
それぞれ特性が異なるため、いい緊張関係があるのが自然であり、そうした関係のうえで東川町の課題や夢について、「対話」する機会として位置づけとなる。
無投票当選となった菊地町長には、町民の生の声、小さい声をていねいに拾っていただくことを町民も期待していることでしょう。
今回5つの自治振興会に各1回づつの予定となっていますが、例えば商工会や商工会青年部、農協や農協の婦人部、シニアクラブなどもっと細かく懇談の機会をもつべきだと思いますし、例えば5名以上のグループから要請があれば出向くなど、フットワーク軽く動くのも良いなと感じます。
住民自治や民主主義の熟成は、東川町の今後の大きな課題です。
4 定住者向け町内魅力発見バスツアー 100万円
新しくできる施設や、普段行く機会の少ない公共施設を町職員が案内するバスツアー。町内のカフェにも立ち寄る予定となってます。
町に誇りを持てる住民が増える。
町の事業に対する理解者が増え、語れる人が増える
町民同士の出会いの場を提供し、仲間を増やすことができる
「せんとぴゅあ」にもまだ行ったことがないという町民も少なからずいるようです。「KAGUの家」や「リモートオフィス群」はなおさらでしょう。
もうすぐ出来上がる「キトウシ温浴施設(TOPの写真)」や「共生プラザ」も見学コースに含まれるようです。
なお「共生プラザ」は東川町のホームページで建設の様子が随時アップされています。以下の画像リンクをクリックしてみてください。
また愛称も募集中です。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScK2ULPQx9Mj_5biKE-38SuHohz_8NPTser284vCWA7E6INbA/viewform
5 空き家対策推進事業(中間管理住宅事業) 1500万円
移住定住促進を目的として、町が所有者より空き家を賃借し、許可を得て改装を行い、「所有者←町→入居者」の賃貸契約を締結し、移住希望者へ賃貸するもの。
子育て世帯等、移住希望者の確保(人口の確保)
景観の向上
所有者の資産価値の向上、移住希望者の充実した生活の確保
東川町に移り住みたいという需要は多くあるものの、住める住宅や新築する土地も少ないという需要と供給のバランスが揃わない中、高齢化社会でこれから増えていくであろう空き家のうち、特に古い住宅を町が借り上げリフォームし、住まいを望む方に賃貸するというものです。
この「中間管理住宅」制度は四国の四万十町で多くの実績を上げているとのこと。
6 電力ガス食料品価格高騰福祉支援事業 5100万円
非課税世帯・均等割のみ課税世帯・令和5年1月以降家計急変世帯を対象にHUCポイントで助成を行うというもの。ポイント数については非課税の夫婦2人で3.3万円。ひとり親で子ども2人で4.6万円。などとなっています。
物価高騰支援策になりますが、今回も非課税世帯・均等割のみ課税世帯という区分になりました。
住民税を納税している世帯も物価高騰の影響を受けていることは間違いなく、線引きは難しいところだと感じます。
またコロナ不況も相変わらずの中、事業者にとって物価や資材の高騰は切実な状況です。
運転資金もままならない状況の事業者がいないか、どのような支援が求められているか、商工会への聞き取りなど町長に要望しています。
個人的には以前町で行ってくれた運転資金融資の利子と保証料の支援を再度行っていただきたいところです。
7 酒造施設整備事業 1億円
売上好調の公設民営酒造「三千櫻」の日本酒の安定供給のために、製造スペースを増築し、サーマルタンクを3基増設するものです。
〇東川米の日本酒出荷量増による農家所得の増
Oふるさと納税返礼品供給増による町寄附額増
〇東川町全体のブランド価値の向上
売上好調、品評会でも金賞を受賞するなどの三千櫻酒造です。
今後は町民への還元やイベントへの参加など、町民に親しまれ町に根付くような動きに期待します。
例えば、金賞を受賞した彗星55の道新記事では、販売先として旭川市内の酒店の名前がいくつか掲載されていたのみで、道草館やハマナスクラブなどの東川町内のお店の記載がなかったことは、町の公設酒造としては残念に感じました。
8 日本一健康なまちづくり推進事業 2250万円
「オーラリング」という指輪型のデバイスで、睡眠や心拍数、運動量や体のコンディションなど包括的な健康管理ができるスマートリングを町民175名に貸与、そのデーターを元に健康な町づくりに繋げるというもの。
詳しい説明が事前になされなかったので詳細を把握するには至っていませんが、数値を元にした客観的なデータの把握は、健康的に生きていく上で重要なことだと思います。
ただ7万5千円という高額な商品で、目標達成者?にインセンティブとして約3万円をHUCポイントで支給するという内容に、175名をどう選定するのかが気になるところです。
また東川町では企業案件が多くなってきている中、自治体としての公平性をどう担保するのか、住民にとっての公益性があるのかを注視していかねばと感じています。
6月の定例会には菊地町長の施政運営方針も発表されビジョンが示されますし、追加の政策予算も組まれ、より具体的に菊地町政が見えて来ることでしょう。大いに期待します。