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香港へ視察 東川町に建設される公設民営ジン蒸留所の本社訪問

11月下旬に公務で香港に行ってきました。
現地2日間は自由時間なし&観光なしの行程でなかなかハードでしたが、初めての香港。久しぶりの海外は多くの気づきを得られました。

2025年の春に東川町に公設民営のジンの蒸留所ができます。
その運営を行うのが(株)丹丘蒸留所で、本社が香港の完全子会社の日本法人になります。

そこで東川町の担当課長や議長とともに、その香港本社「Cheung Brothers' Enterprise Limited」を訪問するのが今回の大きな目的です。
同社の実態や看板商品「Perfume Trees Jin パフュームツリージン」などの香港での実績などを視察し、創業者から東川町に蒸留所を構える意図や将来性などの話を聞いてきました。

経緯をかいつまんで書くと・・・
その香港のジンの会社が日本で蒸留所を構えたいとJETRO香港に相談に行ったところ、北海道東川町を紹介され、周辺の環境の良さ、水の良さに惹かれて東川町に蒸留所の設置を切望。
東川町も米や野菜などの地産品を使ったジンの製造で町の付加価値を高められることや香港市場への米の輸出などメリットがあると判断し、公設民営方式での蒸留所を作り、(株)丹丘蒸留所に運営を任せるということになりました。
というのがホントにざっくりした経緯です。
過去記事も参照してください。

丹丘蒸留所からは東川町へのメリットとして

1) 国際的な販売網での東川ジンやウィスキーなどの製品展開を通じて、東川町ならではの豊かな天然資源、高い美意識、雄大な景観などを知らしめる。
2) 香港本社に東川町とその産品を紹介するスペースを設ける。
3) 香港本社が窓口となり、香港人の東川町への留学を斡旋する。
4) シンガポール、台湾、英国などで、東川町やその産品を紹介するイベントの開催する。
5) 香港からの観光客誘致


香港のファッションビルにテナントを構える丹丘蒸留所
テイスティングルームも併設、香港にジンカルチャーを拡げている

香港では強アルコールのお酒を作れない(販売はOK)という制約から現在オランダの蒸留所でジンを製造しています。そのため輸送コストが高く日数もかかる事情もあります。
こだわりのスパークリング梅酒(紀州産の梅を厳選しびっくりするような美味)、コーヒーリキュールなどは香港の自社工場で生産されてます。

また香港人は日本が好き。とりわけ北海道が大好き。
香港の人口は740万人。そのうち2019年の訪日客は220万人いたというからすごい割合です。
香港ではすでに同社の「Perfume Trees Jin」は若い人を中心に愛飲されているジンですが、メイドインジャパン、メイドイン北海道となった暁には多くの話題を産むのはどうやら必至のようです。

こだわりのボタニカルを配合

「Perfume Trees Jin」を試飲してきましたが、香りがとても良くまろやかで爽やかで、ともすれば薬臭いと評されるジンとはまるっきり趣が異なるもので、日本人の口にも合うジンだと感じました。
トニックウォーターで割るJIN&TONICも清涼感があって最高です。

香港やイギリスで人気の高いバーテンダーであるキットと、共同経営者のジョセフの二人を中心に13種のボタニカルをブレンドするなど、大いなる探究心とこだわりを持って作られた「Perfume Trees Jin」は、国際的なアワードを数々獲得するなどの評価と実績を得ています。


著名なバーテンダー キット氏
共同経営者のジョセフ氏とスタッフ


そのこだわりぶりは、日本の職人そのものと言った感じを受けました。
香港滞在中はジョセフたちがずっとアテンドしてくれたのですが、細かい心配りやおもてなしの心は、日本人以上のものでした。
すでにジョセフは東川町のアパートに居を移しているところからも、東川町へ進出は不退転の決意のよう。
これらのことからも彼らのことを誠実で信頼を置けるビジネスパートナーだと感じた次第です。


こだわりのPerfume Trees Jinは高級酒で一流のホテル、レストラン、バーで供される
スーベニアショップに並ぶ Perfume Tree Jin

香港では他に、富裕層向けの最大手ツーリスト会社にてインバウンド誘客のためのプレゼン披露。
JETORO香港では新造中のJA東川ライスターミナルで導入される虫がつかない米を香港で広めたいとアピール。
香港領事官とも面談し、東川町のPRを行いました。
またアジア最大の現代美術館でありデザインミュージアムのM +も見学。
アテンドしてくれた日本人キュレーター横山いくこ氏は、東川町のデザインミュージアム構想のことを承知されており、その課題について言及していただきました。

香港においても東川町の認知や評価が高いことを知った今回の訪問です。
誇らしいですね。
また東川町の課長たちのプレゼン能力の高さも褒められていましたよ。
民間企業のプレゼンでもここまで簡潔に魅力が伝わるものは見たことないと!

海外で自分の暮らす町のことを考えてみる機会が得られたことは、なかなかに稀で良い経験になったと感じました。

2025年春頃に出来上がるメイドイン東川のパフュームツリージンを味わうことが楽しみです。2027年にはウイスキーも出荷予定とのこと。
皆さんもご期待ください。

M +では草間彌生の展示中 ここにも香港人の日本愛を感じる