町民が主体となる住民自治の考えは。東川町長への質問。
6月の東川町議会の定例会では町長に対し2つの質問を行いました。
1つ目が先日noteに記した「キトウシの温浴施設」についてで
2つ目が町長の行政執行方針から「町民との協働」についてです。
なぜこの質問をしたのかと言うと、東川町はいろいろな施策がヒットし、住民増など大きな成果を挙げましたが、役場行政が主導になってスピード感を重視した一方で、住民の意思を拾い上げることに重きをおいてこなかった経緯があります。
東川町のこれからの発展、住民の幸福、あるべき姿を想うと、住民自治や民主主義の熟成が欠かせないと感じています。
令和5年春からスタートした菊地新町長での体制が、そこをどう考えているのかに関心があり、町長の考えを質問しました。
ただ、一般質問の制限時間が45分と限られているなかで、この2つ目の質問が残り10数分しかなく、十分な議論にはなりませんでした。
それでも町長の指針は確認できたと思います。
Q:飯塚
この度示された町長の行政執行方針には「町民との協働」の欄があり、町民との意見交換会「タウンミーティング」を行い、町づくりや財政の仕組みを分かりやすくまとめた資料を提供するとあります。
資料を提示する、すなわちビジュアル化するということは、見た人全てが同じ絵を見るということに繋がり非常に有効だと期待してます。
さらに「新町づくり計画策定委員会」を今年度、公募も含めて行うということで、これは町民の声を聴く広聴、あるいは傾聴として評価に値すると見ています。
これまで、東川町は行政主導で町政を執り行ってきて、結果、住民増と、大きく成果を出してきました。
一方で、昨今の政策の中では、町民の要望を元にした町の課題を解決するために行ったのではない事業だとか、誰のための事業か見えにくい政策もあるねと耳にすることが数少なくあります。
あえて今、伺いますが、東川町で町の主役は誰なのか。
町民が主体となる住民自治に関しての町長の考え方を伺います。
A:町長
町民の皆さんと十分に理解し合い、共有し合い町づくりを進めていきたいという思いに基づいて、今後、行政運営をしていきたいと考えています。
資料については、同じビジュアルのものを、町民の皆さんに共有をすることによって、共通理解が図られるのではないかと思っています。
財政運営の東川町としての考え方、やり方、例えば、基金造成をするときにどういう考え方で、実質負担について基金造成をしているのか。
日本語教育事業やサテライトオフィス「KAGUの家」の運営の財源負担の考え方、そこで生んだ利益について、町民に対してどう還元をしていくのか、施設運営に対して充当していくとか、それらを分かりやすく伝えるものを作っていきます。
町の主役はもちろん町民の皆さんが主役であります。
東川町はここ20年30年、行政主導で進めた結果が今、成果として出ているねという声はよく聞きます。
町民の声を反映した上で、他町に先駆けたいろんな事業を率先して迅速に進めてきたという成果が今、表れてるんだろうと思います。
しかし、町民の皆さんの中に、そこを理解している方と、少し理解できてなかった方が出てきている。
例えば、関係人口づくりをどんどん進めましょう、外から人を呼び込みましょう、外の人と関係を構築していきましょう。
その表現を聞くと、町民の私達には関係ないのかなと思ってしまう。
特に高齢者の方々については、私達にはそういう難しいこと分からないので関係ないのかなというイメージを持って、東川町はどこに向かって町づくりを進めているのかという不安感を抱いているということが、私としても感じることが最近多いと考えています。
これまで実施してきたことは、全て町民の皆さんが幸せに生活し続けるために、どうすべきかということを関係人口の方々の協力を得ながら、外の知恵を借りながら実施してきたことであります。
サテライトオフィスも、外から来た人がそこに住んで、事業を行うことによって、町税の増加や、いろんな事業を推進していくときに、いろんな助言でや、ヒントをいただいて一緒にこの先の町づくりを進めることができるなどいろんなことに繋がっていくわけであり、それが町民の生活の向上に繋がるという考え方で実施したことです。
そのことからも、このスタンスは、私は変えるつもりは、ほとんどありません。
ないというのは、外との人との関係を縮小していくのではなく、外の人の知恵を借りながら、協働した町づくりを町民の生活に反映していく、それをしっかりと、今後、町民に分かりやすくやっていくということが、私としてやらなければならないことの中心だと思ってます。
Q: 飯塚
隣町の美瑛町では、この4月から「美瑛町自治基本条例」が施行されました。
そこには基本原則として、町民主体の原則、情報共有の原則、町民参加の原則が冒頭にうたわれております。
東川町の町づくり計画においても、似たようなことが書いてはありますが、美瑛町ではさらに一歩踏み込んだ自治基本条例が施行されたわけです。
その第5章には、町民の役割として「町民は自治の主体であること認識し、自治を推進するために主体的かつ積極的に町政へ参加することに努めます」という項目もあり、町民も一緒になって町づくりを進めていかなきゃならない、責任を負わなきゃならないと記されています。
このあたりが、当町の町づくり計画との差異です。
つまり行政はこうしますよっていうことはたくさん書いてありますが、町民が果たす役割もあることも強く訴えるべきではないか、東川町も自治基本条例を制定するのがいいのではないでしょうか。
もしくは、新たに制定される「新町づくり計画」にその住民自治ということを明記して、住民に町政に参加する責任もあることに触れ、前段には、町民が町の主役ですと書く、一歩踏み込んだことをやっていくのがいいのではという提案です。
A: 町長
自治基本条例、美瑛町の例をもってお話しいただきましたけれども、東川町には、平成27年6月に制定した『写真文化首都「写真の町」東川町まちづくり基本条例』があります。
ほかのそれぞれの自治体で、様々な制定の仕方がありますが、自治基本条例的な中身も盛り込んだ条例ということで、東川町まちづくり基本条例を定めているということです。
その中で、町民の権利ということであったり、そのほかの町民の責務ということも、ちょっと説明を省きますが、定義づけられています。
それらを基本にしながら住民参画での計画策定というものを進めますし、町づくり計画の中に、住民との協働をどうするのか、という文言についても、改めて整理をして項目につけて入れていきたいと考えています。