Live2Dアドベントカレンダー16日目 マスコットキャラクターのモデリング
皆さんこんにちは!会社員として働く傍らでLive2Dモデリングを楽しませてもらっています、ひたつらと申します。
よく動くモデルが大好物です。
Live2Dアドベントカレンダーも半分が過ぎましたね。
皆さんとてもためになる記事がたくさんで、私嬉しいです。ニコニコしながら読んでいたら気が付けば自分の番でした…。
【マスコットキャラクターのモデリングについて】
皆さんマスコットキャラクター系のモデリングは挑戦したことがありますか?
最近はVTuber等の配信用モデルが多いと思いますが、そのほとんどはスタンダードな人型が多いですよね。マスコットキャラクターはデザイン上付属している場合が多い気がします。
そんなマスコットキャラクター、頑張って人型と同じようにモデリングしてみると色んな発見がありましたのでご紹介できればと思います。
それでは、稚拙ながら本題に入っていきたいと思いますね。
目次としてはこんな感じ
① 今回紹介するモデル
② マズルの立体表現
③ おてての立体表現
④ 身体の立体表現
それでは、お付き合いくださると幸いです。
① 今回紹介するモデル
今回紹介させていただきますのは、「スコッテ」さんのモデル
基本的なモデルの動きとしてはこんな感じ…
よく動いてて、気持ちが良いです。
一見、「デザインがシンプルなのでモデリングも通常のモデルに比べればそんなに難しくないでしょ」…と思われてしまいそうなんですが、これが逆にシンプルであるがゆえの難しさもあったりします。
② マズルの立体表現
マズルとは、動物の鼻先、いわゆる「吻(ふん)」の部分ですね。
人間のマズルはとても短いのであまり気にかけることは少ないですが、動物モデルだとこの部分が結構難しかったりします。
これは、デフォルメされたマスコット系でも同じです。
いい感じに左右マズルのまるまるした立体感が出たと思ってます。
スコッテさんのモデルでは、マズルを
・鼻先(ピンク)
・中央線
・マズル本体
の3つに分割しました。もうお気づきですね。
ええ、力技でござい。
人の目は、実は立体を認識する能力はありません。立体を認識するのは脳です。物理的に正しくても、脳が立体を認識できる要素が無ければ、勘違いをします(錯視や騙し絵なんかがいい例です)。
デッサン力が重要なのはいわずもがな、立体感を認識するためには何が決め手になるのか、どうすれば錯覚させられるのかを考えるのには、デフォルメの効いたマスコットキャラクターのモデリングは良い教材になると思っています。
頑張っていきたいですね。
③ おてての立体表現
こちら、おてての動きとなります。
このおてても、マズルと同様に横を向いた時に立体感が大事なパ-ツだと思います。丸い感じが大事なのは本件全部そうですね。
このおてての作り方はこのようになってます。
おててを立体的に表現するうえで決め手となるのは、横を向いて体からはみ出た際に見えるはずの「輪郭線」です。多分。
スコッテさんのモデルでは、おてての輪郭線のアートメッシュを体の後ろに置いて、横を向いた時におてての輪郭線が見えるようにしています。
輪郭線を描画順下の方に置いて隠す小技は、顎下を追加するときも使われるテクニックですね。
④ 体の立体表現
マズルとおてての立体感が出来てきたところで、今度は体のまんまる感を作っていきましょう。スコッテさんのモデルでは、
・身体の線画
・体の影
・体の下色
と3つに分け、下色にクリッピングした影を動かす事で立体感を出しています。球体はどこから見ても球体のように、アウトラインが変わらないようにすると、円柱感が出ますよね。
ですがそのまま動かすと…
何となくですが、恐らく動かした影が影響してそうな気がします。影の境界が明確なので、ここまで動かしたときに段差があるように見えますね。
そこで、この影が硬い感じを解消すべく、影を下色で隠す用のパーツを用意して、角度X+30の時に影を少しだけ隠してあげると…
何となくですが、影のパキッとした感じが解消されて少し柔らかくなりました。
このようにして、与えたい印象と現状のパーツから、何をどうすれば与えたい印象に近くなるかを追及して行くと、より表現力の高いモデルが作れるのではないでしょうか。
マスコットキャラクターのモデリングは、デザインがシンプルであるがゆえ、印象付けの原理をよく理解して動かす必要があります。
崩れなくいい感じに大きく動かせたときはとても楽しく勉強になるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
少し複雑な造形でもこのとおり。
https://nizima.com/Item/DetailItem/23721
nizimaにも置いてありますので動かしてみることができます!
それでは、簡単ですが紹介した小技が役に立てばうれしいです。
アドベントカレンダーも残り半分、楽しんでいきましょう!
ありがとうございました!