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海が私を呼ぶなんてかわいい

 久しぶりに『ゴーストブック』を観た。劇場公開されていたとき以来だ。久しぶりに観たらきっとまた新しい発見がいっぱいあるんだろうなと思っていたけれど、今回は始めから終わりまで一つのことだけが気になって、ずっとそのことばかり考えながら観ていた。

 橘湊。桧吏くん演じる主人公一樹の幼なじみで、一樹がひそかに?思いを寄せるクラスメイトの名前だ。湊…。この映画で「海」を連想させる存在は彼女だけだ。桧吏くん(一樹)は何しろこの映画では「山」なので、その桧吏くんが命を懸けて助けようとする相手の名前が湊であることになんだか運命を感じてしまった。

 橘湊という人物に何か海にちなんだ要素や設定があるかというとそういうわけではなく、むしろ海とは何の関係もないようだった。だけど、だからこそ? 一樹が「湊!」と呼ぶたび私は勝手に(だってきみは山だもんねえ)と思って、心の中でにっこりしてしまう。山が海を呼ぶなんてかわいい。

 これが何をもたらすかというと、海が山を呼んでもかわいいということであり、実際、桧吏くんが大志くんを呼ぶとかわいかったことを思い出す。大志くんとは桧吏くんがグループにいたときのメンバーの佐藤大志くん。桧吏くんが「大志!」と呼ぶたび私は勝手に(だってきみは海だもんねえ)と思って、心の中でにっこりしてしまう。海が山を呼ぶなんてかわいい。

 山とか海とかいうのはもちろん喩えであって、実際にはどっちでもあるし、どっちでもいいことだ。大切なのは、喩えではなく現実に、彼が私とは異なる存在で、遠く離れた人であるということ。私は海でも山でもないし、桧吏くんとは全く違う存在で、だから私にとって桧吏くんはいつも海や山のように遠くから眺める憧れのような存在だ。特典会って私はほとんど縁がなかったけれど、どきどきするのも仕方のないことでした。海や山から名前を呼ばれるのだから。

 桧吏くんからのメッセージが書かれた生写真やサイン入りのチェキを見ていると私は勝手に(だってきみは海だもんねえ)と思って、心の中でにっこりしてしまう。海が私を呼ぶなんてかわいい。

 


 

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