その声、天上に響き
私の住んでいる一関市は合唱の町として市内の中高で盛んにおこなわれていました。市内全中学の発表会。高校の発表会。
その中でも全国の学校が目指すのがNHK合唱コンクールでしょう。
確か私立桜町中学校がかつて全国大会金賞を受賞していたはずです。
もしかしたら青春時代に合唱に参加したかたはいらっしゃいますか?
文化祭などで強制的に参加させられうんざりしたよくあるパターンですかね(笑)
先日「スポーツは楽しいはずなのに……」というエントリーで、私がいた小学校は小さな小さな学校と書きましたが、中学は三つの小学校から集まるため、少しだけ規模が大きくなります。
といっても一学年50人くらい、全校生徒150人くらいでしょうか。それでも小学校では同級生6人だったのですから「多いなぁ…」というのが正直な感想でした。
まず入学式で度肝を抜かれます。
入場すると全校生徒による合唱「大地讃頌」に迎えられます。
体育館を飛び越え天井も超えて、天上に届く勢いに感じました。
私が中学生に入るまえに、有名な合唱指導者 S先生が赴任してきたことで機運が高まったのだそうです。
そこでS先生が中心に希望者を募って臨時合唱部が作られました。みんな運動部との掛け持ちで、コンクールの間だけの編成です。
一年生の時、特に私は興味がなかったので私は参加しませんでした。
しかし、あれは夏休み中の校舎の午後。
部活を終わって校舎をふらふらしていた私の耳に混声の美しいハーモニーが聞こえてきたのです。
校舎の一番隅の音楽教室。
近づくと声量は高まり木造校舎がぴりぴり震えるほどでした。
すぐ隣、二階に上がる階段に腰を掛けて練習をずっと聞いてました。
練習していたのは、その年の自由曲 「もえる緑を心に」
全校生徒の合唱はその声量に驚かされましたが、こんどはハーモニーの美しさに感動を覚えました。
あの時の興奮と突き動かされるような衝動。
音楽にはこんな力があるのか。好奇心がまたむくむくと沸き上がります。
「今からでも一緒に参加できないかな?」「でも」「うーん」と煩悶したことを今でも思いだします。
結局、その年は参加することはなかったのですが、二年生の時には率先して立候補しました。
金賞は取れませんでしたが、その時の経験がもとで高校時代にも臨時合唱部に参加することになったのですから、いい選択をしたのだと思います。それが縁で知り合えた方もいます。
一冊の本が人生を変えてしまうことがあります。
同じように一曲の音楽が人生に衝撃を与えてくれるのですね
。
定番曲をYouTubeで聞いてみるのも一興ですよ?そいういえば学校で歌ってたの聞いたことあるなと思い出に浸れるでしょう。
今の若い方はポップミュージシャンの合唱曲書き下ろしが課題曲になったこともありますから、昔よりもなじみがあるかもしれませんね。
アンジェラ・アキ「手紙」 いきものがかり「YELL」など。
私が一番すきな曲は「いざ起て戦人よ」 男声でも混声でも面白い曲です。フレーズが短くて退屈しません。
すべてのパートを覚えたので、私があと三人いればなんとかなりますね(笑)
動画投稿サイトなどでは一人ですべてのパートを多重録音して合唱動画を作っているかたもいますのでそちらもおすすめです。
男性諸氏にとってはトラウマになりがちな学校での「合唱」の話題でした。
了
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