さあ羽ばたくよ 空が呼んでいる【蓮ノ空感想文】
こんにちは。タテウオです。
皆様は蓮ノ空で一番好きな楽曲は何でしょうか?
ユニット曲や全体曲、誰かが作った曲や伝統曲、本編では披露されていないけれどストーリーに関わる楽曲。蓮ノ空の特性上、単純な分類分けでもたくさんの種類があるでしょう。
その中でも僕が一番好きな楽曲は、「ツバサ・ラ・リベルテ」です。
今回は、活動記録13話「追いついたよ」やその他の情報を通して、1人のスクールアイドルが後輩たちに託したこの楽曲とそのストーリーについて語っていきたいと思います。
曲の概要
最初に基本情報から。
ツバサ・ラ・リベルテは、Fes×LIVE11月度にて初披露された楽曲です。
この楽曲はスクールアイドルクラブの101期生、大賀美沙知が後輩たちのために作った楽曲であり、彼女が好きな「雨上がり」を題材にしています。
さらには衣装も沙知先輩がデザインしたもの。
曲名の意味はフランス語で「自由への翼」。この曲には、沙知先輩の「後輩たちに、スクールアイドルクラブに自由に羽ばたいてほしい」という願いが込められています。
活動記録13話「追いついたよ」
さて、ここからはこの曲が登場する活動記録の好きな部分を語っていきます。
内容は大きく分けて二つ。「沙知先輩に教わったスクールアイドル像」と「綴理の沙知先輩への思いと気づき」です。
沙知先輩に教わったスクールアイドル像
この活動記録では、綴理にとってスクールアイドルとはどういうものかが語られています。
「不完全でも熱を持ったボクたちで作る、芸術。」
これは綴理にとってのスクールアイドル像であり、沙知先輩から受け取った大切なもの。そして、102期生の3人全員が受け取っているものでもあります。
ずっとスクールアイドルになりたくて、憧れて、それでも自分の望むものにはなれなくて。そんな彼女の中心にあったのはいつも沙知先輩の言葉。
これは沙知先輩との仲が元に戻ったから思い出したものではなく、それより前のオープンキャンパスの準備の時期から垣間見えるのがとても好きです。
自分の実行委員としての仕事も、
バスガイドとして未来の後輩を案内するときも、
綴理自身がスクールアイドルと思って何かを頑張れば、それはスクールアイドル。それは沙知先輩が生徒会や先輩としてみんなを支えていることがスクールアイドルであることと同じです。
綴理にとって沙知先輩がどれだけ大事な人かが言葉の端々から伝わってくるのが、この話の好きなところの一つです。
綴理の沙知先輩への思いと気づき
これはまだ綴理が沙知先輩を生徒会長と呼んでいた時に、梢と慈に沙知先輩のことを聞かれての返答。
あまりにも不明瞭で曖昧な答え。とても彼女らしくないなと思いました。
なぜこう言うしかなかったのか。それは、沙知先輩に気持ちを直接聞くことが怖くて、聞きに行くことができなくて、沙知先輩の気持ちがちゃんとわからなかったから。
後に綴理はこの時のことをこのように語っています。
信じていた。このことを教えてくれたのは、やっぱりいつもの相方。
まさにこれが歌の内容と一致しているようで。
ツバサはもうひとつじゃない。だからこそ、夕霧綴理はスクールアイドルとして羽ばたいていける。
大切で大好きな二人からもらった言葉で、スクールアイドルとしてどこまでも羽ばたいていく。
それが最後に歌として表現されるところもとっても大好きです。
雨上がりの歌「ツバサ・ラ・リベルテ」
お待たせしました。ここからやっと曲自体についてのお話になります。
前提として、この曲は歌詞を含めてすべて沙知先輩が作ったものだと仮定しています。
雨上がり、その瞬間
そもそも、なぜ沙知先輩は雨上がりの曲にこのような歌詞をつけたのでしょうか?「後輩たちに自由に羽ばたいてほしい」という思いをこのメロディにのせたのはなぜか。
それは、スクールアイドルとして羽ばたいていく瞬間を「雨上がり」にたとえたから。僕はそう考えました。
雨が降っていたら、空に羽ばたいていくことはできません。雨がやんで初めて空に飛び立つことができる。
スクールアイドルとして羽ばたきはじめる瞬間がきっと誰にでもあって、それが「雨上がり」なんじゃないか、と。
僕は、この曲には明確に雨上がりの瞬間があると思っています。
それがここ。
雨が通り過ぎて、雲が晴れて、綺麗な雨上がりの空が広がっていく。そうして羽ばたいていけるようになった綺麗な空は、見る人によって形容する言葉が変わる。まるで、スクールアイドルの定義が人によって変わるように。
羽ばたいていくその瞬間が、きれいな景色を表すフレーズとして表現されているこの歌詞が好きです。
雨、通り過ぎた後には
この曲の歌詞はどれも素敵なのですが、その中で特に好きな歌詞があります。
102期生は1年生の時にたくさんの失敗と挫折を繰り返してきました。でも、今となってはその思い出すら「素敵」と言い換えられるものになっている。
それに加え、恐らくこの歌詞を書いたのは曲を作った沙知先輩でしょう。
スクールアイドルクラブを退部しなければならなくなった時に流れた涙、その涙が「素敵」と言えるものになっていたとしたら。
沙知先輩がこの歌詞をつけたのがいつかは分かりません。もしかしたら未来にこの歌詞を歌える日が来ることを夢見て書いたのかもしれないし、生徒会長になって生徒たちを支える日々も良いものだと思えるようになってから書いたのかもしれない。
なんにせよ、この歌詞にはその時に感じた強い想いを込めている歌詞に聞こえるんです。
「伝統曲」という風習がある蓮ノ空。だからこそ、いつかまたこの歌を歌うかもしれない誰かが、この曲に自分の思い出を詰め込んで歌う日が来る。そう思うと、このワンフレーズが直接的な意味以上に素敵なものに感じます。
「君」となら
もう一つ、僕が好きな歌詞として挙げておきたい部分があります。
この「君」とは誰の事なんでしょう?誰からの言葉なんでしょう?
綴理にとっての沙知先輩との思い出やさやかちゃんのこと?沙知先輩にとってのスクールアイドルクラブ自体のこと?他のメンバーにとってのユニットの相方?
きっと思い浮かんだことは大体間違ってなくて。
どこへだって飛べる気がするのは、ツバサがひとつじゃなくなったからです。この歌を受け取る人や歌う人、その人たちにとってのツバサとなりえるものだったらなんでも「君」になれる。
「不完全でも熱を持ったボクたちで作る、芸術」が誰のものでもあるからこそ、「君」はどんなものでも当てはまる、そう捉えられる。
つまり、僕はこの歌詞がスクールアイドルの普遍性の象徴ともいえると思っています。
だからこの歌詞が大好きです。
余談:抱きしめる花びらから感じる綴理の想い
ここからは余談…というか、こうだったらいいなーって願望に近いものになるんですが。
3月度Fes×LIVEにて披露された楽曲、「抱きしめる花びら」。
102期生が卒業していく沙知先輩に向けて作った曲です。言うなれば、ツバサ・ラ・リベルテの対の曲です。
その曲の綴理パートを見てみましょう。
102期蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブの活動の記録は、僕たちのいる世界では見ることができません。
それでも、僕たちは沙知先輩の歌を一度だけ聞いたことがあります。
いつの日か彼女たちが聞いた「雨上がりの歌」。それだけは僕たちも聞いたことがあります。
そして、活動記録13話のタイトルは「追いついたよ」。
別れを目前に大好きな人に感謝の気持ちを伝えるために歌われた「あの日」のことがこの瞬間のことで、綴理の中に響いた歌声のメロディがこの歌だったら。
綴理にとってあの時間がかけがえのない大切な思い出だったらいいな。そう思います。
本編はここまでになります。
ツバサ・ラ・リベルテ、本当にいい曲です。たくさんの人の強い想いが込められた曲です。それでも、104期で歌われるかどうかは分かりません。長い間聞くことがない曲になるかもしれません。
でもいつの日か、この記事を見たあなたがふと思い出して聞いてくれると嬉しいなと思います。きっと僕はこの曲を聴き続けるから。
それはそれとして…
この曲の良さが少しでも伝わってくれているといいなと思います!