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天籟

「音が鳴っていない時も"音"がある」

それを意識している時期があったのを
ふと思い出した。

中国の古典『壮子』斉物論篇という書物?には
「天籟」(てんらい)という言葉があるらしく

「地籟は地上の穴が和して発する音楽、
人籟は人が楽器で奏でる音楽。
天籟とは、人籟、地籟を超えた宇宙の音楽で、
地球上の万物があるがままに調和している姿。」

という意味らしい。

この「天籟」という言葉を知ったのは
「マエストロ!」という映画を観た時。

その映画の中では、
音が鳴っていない時に鳴る音、みたいな
表現だった気がするのだけれど(うろ覚え)

まさに、今述べてきたようなことを
無意識的にも意識的にも感じてきたのだと思うし

これからもそれを感じながら
音楽をしていこうと思っている。

今まで感じてきた
個人的な感覚としては
以下のような感じ。

余韻、休符、残響、減衰音、

ただ何も弾かず
ピアノと向き合う瞬間。

自分という存在や
自分以外の存在が

空間全てに広がりながら
全身でひとつを感じる瞬間。

肌の触覚、
指先と鍵盤が触れる場所。

音と音、ピアノと自分の
隔たりがなくなり、ひとつになる瞬間。

様々な分野の方と繋がりながら生まれる発想や人生観を、作曲・CD創作・出版物の制作に活かしながら、芸術活動を行っています。