その一言、一行、一瞬を意識しよう
TATEITOでは、定期的に全メンバーに向けて社長からのメッセージが動画で届きます。その名も「社長の小言」。
今日はそんな社長の小言シリーズから「小さな違いが、大きな効果を生む」というタイトルで伝えられたお話をみなさまにもお裾分けします。
合気道がさまになってきた
合気道を習っている弊社代表の平野。この話は習い始めて1年ぐらいが経過した頃のことです。
合気道の稽古というのは、技のお手本が見せられて、見たままをやってみる、それを何度も繰り返す。基本的にはただそれだけ。
それが1年ぐらい経って、だんだん動きがわかってきました。自覚だけではなく、周りの人たちからも、「動きが合気道になってきましたね。」と声をかけてもらえるくらいに。
一挙手一投足を事細かに教えてもらうわけではなく、お手本を見て真似をするので、最初は動きを理解するので精一杯です。見て覚えるだけでも最初は大変でしたが、だんだんそれが頭にも体にも入ってきたのでしょう。
技の一連の流れには意味がある
「同じ技でも、稽古してくれる相手によって驚くほど違いがあるんだ。」と平野は言います。
平野には、お気に入りの人がいて(仮にYさんとします)、終了後にもYさんに話しかけに行って、個別に教えてもらいます。Yさんはおそらく道場内で最高齢と思われるおじいさんですが、すごく好きなんだそうです。
年齢差や体力を考えれば、明らかに平野の方が力はあるはずですが、Yさんにはどんなに技をかけても全く通用せず、簡単に投げられてしまいます。
技をかけようとした平野に、Yさんは例えばこんな風に指導してくれます。
「そこでその手がこちらに向いていたら、敵がこう来たら交わせないでしょ」
「そうしたら、この足は当然こうなるでしょ」
お手本として見せてもらう技の所作の1つ1つには、その動きがそうであるための意味があります。その意味をわからずに、ただ見えている流れを真似しているだけでは、技がきちんと動きとして完成しない。
逆に言えば、本来の技の意味を考えて動くと、全ての動きが一連の流れとなってうまく動き出すのです。
そこを理解すると、家での一人の稽古の際にも気をつける部分がわかり、それを意識して繰り返し練習して、週に一度の道場での稽古に赴くようになりました。
その小さな積み重ねが「動きが合気道になってきましたね。」になり、できていない部分についてはフィードバックをもらうことで、またそこを意識して練習を繰り返します。
仕事もまったく同じじゃないか
「仕事も同じことでね。」と平野は続けます。
メールやプレゼン資料を作る際、平野は読みやすさや見え方などを考えて、必ず意識するポイントがいくつかあります。
例えば、メールの文章の場合、1つの段落が3行以上にならないようにする、プレゼン資料であれば、フォントの大きさ、バランス、色づかいの制限など、いろんな作業の中に意識して行っているこだわりがあります。
それを続けた結果、一緒に仕事をする人に、「平野さんとの仕事はとてもやりやすいです」と言ってもらえたり、今では資料を一目見ただけで、「これは平野さんの資料だなとわかります」と言われることも増えました。
その人なりの工夫やこだわりが、ブランドだったり、その人ならではのものになっていきます。きっと、そういうものこそがAIでは簡単に作れないものなのでしょう。
ここに到達するのに必要になるのが、先ほどの合気道の稽古の原理。
すなわち、「意識して所作を繰り返す。そしてフィードバックをもらって、またそこを意識して繰り返す。」この流れの反復です。
大事なのは、やっていることの意味を意識して繰り返すこと。考えずに繰り返していても上手くなったり、洗練されたりしません。
その一言、一行、一瞬を意識しよう
その日を締めくくる“今日の小言”は「その一言、一行、一瞬を意識しよう」でした。
些細に思えることでも、自分がやっているひとつひとつの事柄に、きちんと意識を向けて取り組む。
「自分独自のものって、特別なものだと思っていたけど、積み重ねてできるものなんですね。」
と最後に聞き手の児山が漏らしたセリフに、イチローさんの名言がフラッシュバックしました。
みなさんも自分が取り組む仕事のひとつひとつに、改めてきちんと意識を傾けてみませんか。その積み重ねがいつか「とんでもないところへ」連れて行ってくれるのだと思います。