バッカス・ザ・トレジャーハンター 第1話
「これは俺の持論だがな。酒場に行けばその町がわかる」
フードを被ったその男は、店の入り口にいた女を撃ち殺してそう言った。
「シケた町なら薄めたビールが出てくる。金持ちの町は毛艶のいい獣人がウェイトレス。治安の悪い町はカウンターが防弾仕様だ」
「なんだテメェ!」「死ね!」
店内の二人組が男に銃を向けた。黒いコートが翻り、次の瞬間には二人の眉間にナイフが刺さっていた。
「で、この町はな」と、彼はカウンターの前…子供にナイフを突きつける男を見た。
「最高だ。飯も酒もうまいし、飲んでる奴らも楽しそうでな。気に入ってる。それに──」
「るせぇっ!」
強盗が発った弾丸を、男は素手で受け止めた。
反動でフードが脱げる。
「な…竜人!?」
狼狽える強盗に向けて、男は振りかぶる
「今日はその子供に宝探しを教えるんだ。雑魚は引っ込んでろ!」
叫びと共に投げ放たれた弾丸は、音速で強盗の肩に突き刺さった。
【つづく】
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