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夜叉ノ町 章ノ一
夜叉ノ町
はじめから
▷つづきから
押し入れに眠っていたニンテンドーDSに、見覚えのないソフトが挿さっていた。
興味本位で立ち上げて「つづきから」を選ぶと、画面に俯瞰形のマップが表示される。中央に刀を持ったアバターがいて、妖怪みたいな奴らに囲まれている。
「やっぱ覚えてないな…」
方向キーでキャラが歩き、Aボタンを押すと正面の妖怪が両断される。アクションRPGのようだ。とはいえ特にイベントも発生しないし、メニュー画面も見当たらない。なにをすべきかわからず、とりあえず私は妖怪を倒しながら歩き回る。
「…あれ?」
それに気付いたのは、5分ほど散歩した頃だった。
店や家の配置が私の町とそっくりなのだ。学校や病院、近所の公園なども再現されている。
「へーすっご! 再現度高っ!」
興味が湧いて、私はキャラを家の前に進めた。
妖怪が居たのでそれを倒し、キャラを家に入れた。
その時。
──ガチャン。
階下から、ドアが開いた音がした。
(つづく)
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