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仮面アサシン ワイルドフリッジ 第1話「Wake Up!! 戦いの始まり」
(ナレーション)私の名前は冷蔵庫。ハンドルネームだけど、みんなは私をこう呼んでいる。ある日私の家に、小包が届いた。ずっしりとしたそれを開くと、そこにはアサシンブレードが入っていたんだ。
「これ……本当にオモチャ?」
冷蔵庫は訝しむ。送り主不明のそれは、ゲームのグッズというにはずっしりと重く、そしてあまりに鋭利であった。人の肉などあっさりと斬れるほどに。
「こんなもの一体誰が──」
呟いたその時、外から悲鳴!
慌てて扉を開けた冷蔵庫の目に飛び込んできたのは──天狗の面を被ったトマト怪人である!
「ssshhh!」
BLAMBLAM!!
怪人は叫び、銃を我武者羅に撃つ。流れ弾が頬を掠めて、冷蔵庫は慌てて物陰に避難する。
「なに!? なんなのあれ!?」
その時であった。
「なにボーっとしてんの!」
「エッ!?」
声をあげた冷蔵庫の首根っこを何者かが掴んで引き上げた。驚いて飛び出しかけた心臓を抑えつつ、冷蔵庫は声の主を見た。
「え…誰?」
背の高い女だ。金色の髪をなびかせた彼女は怪人を一瞥すると、冷蔵庫に向かって言った。
「しっかりしなさい! それでもアサシンなの!?」
「アサシン!? なに!?」
「いいからそれ! 腕に巻いて!」
彼女が指さしたのは、先ほど届いたアサシンブレード。そういえば持ったまま出てきてしまった。
「え、これは玩具の…」
「いいから早く!」
「ssshhhhhh」
二人のやり取りに気付き、天狗面トマト怪人がこちらを向く。時間がない!
冷蔵庫は急ぎ、言われたとおりにそれを腕に巻く。
「ま、巻いたよ!?」
「ハァ!? もしかしてアンタなにも──」
BLAM! BLAM!
金髪女の声を遮る銃声!
二人は慌てて柱の裏に隠れるが、天狗面トマト怪人は柱を抉るほどの銃弾を浴びせてくる!
「うわうわうわ!?」
「ああもう…!」
唸った金髪女は冷蔵庫の右腕を掴んだ。そして、そこに巻かれたアサシンブレードをなにやら操作し──
《User Auth Complete》
「しゃ、喋った?!」
「黙ってて! 時間が──ッ危ない!」
GBAMNN!!!
柱が砕けた! 咄嗟に伏せた二人の頭上を、天狗面トマト怪人の触手が通過!
そんな中、冷蔵庫の右腕でアサシンブレードが機械音声を放つ。
《Activation...Complete!》
「よしっ!」
金髪女は声をあげ──傍にあった消火器を手に、立ち上がった!
「いい!? 一回勝負だから! 覚悟を決めなさい!」
「ええ!? ナニガ!?」
「行くわよ!」
言うが早いか、金髪女は柱の陰から飛び出し──天狗面トマト怪人に向かって、消火器を噴射!
「ssssssssssshhhhhhh!?」
「手首のボタンを押して!」
「ハ、ハイ!」
もはや冷蔵庫は言われるがままだ。
ジャキンッ!
手首のボタンを押すと、鋭い音と共にアサシンブレードの刃が飛び出す!
「出した!」
「オーケー! そしたらオープンコードを叫ぶの! コードは──」
BLAMN!
金髪女の言葉を遮る、銃声。
「──カハッ」
彼女は血を吐き、崩れ落ちる。
「ちょっ…お姉さん!?」
慌ててそれを支えた冷蔵庫に、彼女は優しく微笑んだ。
「お願い…あいつを…」
金髪女の身体から、力が抜ける。彼女は冷蔵庫の腕の中で冷たくなっていく──
「shshsssh」
消火器の煙の向こうから、天狗面トマト怪人の嘲笑う声がするのを聞いて──冷蔵庫の心に、火が灯る!
「…よくわかんないけど…お前だけは、許さない!」
(ここでオープニングテーマのイントロが流れる)
冷蔵庫は金髪女を横たえて踏み出した。白煙を割って出てきた天狗面トマト怪人は「お前になにができる」とばかりに肩を揺らし──銃を抜いた!
BLAMN!
銃声が響く中、冷蔵庫は右腕のアサシンブレードを天に向け、叫ぶ!
「オープンコード:ワイルドフリッジ!」
《Wake Up,WILD FRIDGE》
機械音声が響き、その身体が光に包まれる! 天狗面トマト怪人の放った銃弾はその光にぶつかると同時に消滅!
「sshshsh!?」
「アサシン…そうか、私は……アサシン!」
光の向こうから響くのは、冷蔵庫の声である。そして眩い光が晴れ──そこに佇んでいたのは、白灰色の戦士!
天狗面トマト怪人が銃と触手を構えて警戒する中、白灰色の戦士は高らかに宣言した。
「私はアサシン……アサシン<ワイルドフリッジ>だ!」
(この辺でオープニングテーマのサビ)
「ssssshhhhhhhhh!!」
ワイルドフリッジは右手のアサシンブレードを構え、地を蹴った。力強く、力強く──!
(完)
=== ここまで ===
続かない。
#知らない人から急にアサシンブレードが送られてきた合同 に悪乗りして参加したので自作品だけアーカイブしておこうという記事です。
事の発端
なんかでっかい箱が届いた📦
— 冷蔵庫 (@wild_fridge) May 25, 2019
知らない人からアサシンブレードを頂きました!!!!!!たぶんアサシン教団の師匠だよ!!!!
これがなかなかデカくて超カッコいいんですよありがとうございます!!めっちゃ刃をじゃかじゃかして遊んでます!!! pic.twitter.com/QTpuMsjXkJ
元凶
— お望月さん (@ubmzh) May 26, 2019
まとめ
胡乱窟にまた新しい遊びが流行っていたので混ぜてもらいました。たのしかった(なお仕事中)
事の発端にあたる冷蔵庫さん(@wild_fridge)のことは一方的にフォローしているだけなのだけど、日々お望月さんとかアロ天さんとかに可愛がられているのを見てほっこりしています。
とはいえ、男性なのか女性なのか、年齢はどのくらいか、そもそも本当に人間なのかもわからない謎の存在だと思っていて、そんな人の二次創作ってなんやねんって脳内の冷静な自分がツッコミしてる中書き上げました。
内容的には仮面ライダー電王に近くなったけど、敵怪人のムーブを鑑みるにどっちかっていうと昭和ライダーの趣があるのでそっちに寄せればよかったなと内省中。
それはそうと、そもそも「事の発端」とかって普通に書いてるけど、なにがどうなったらアサシンブレードがいきなり家に届くのかマジでわからない。ほしいものリストに冗談で入れた三角コーンが届くことのほうがよっぽど説明がつくぞ。どうなってるんだ現実。
なお、 #知らない人から急にアサシンブレードが送られてきた合同 にはおなじみのパルプスリンガーの皆様も参加している。例えば遊行剣禅さんとか。
他の皆さんの作品はこのまとめで読めるのでぜひ読んでほしい。内輪ネタでごり押ししてる人とか、僕みたいに得意分野で攻めてる人とかいろいろといて、作家としてのスタンスが現れてるの滅茶苦茶面白いと思う。
僕はアロハ天狗さんのやつが好き。人ならぬ声を出すお望月さん・・・
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