
白ビモーは黒くなる夢を見る ~コーヒー編~
耳たぶには視神経がとおっている。
そんな話を聞いたことがあるでしょうか。
ピアスの穴をあけると、白い糸が出てくることがあって、切ると目が見えなくなってしまうというのです。
んなわけあるかい!
という内容ですが、ともかくそんな話がありまして。
なんの話かと言いますと、ワタクシ耳たぶではなく、鼻の中に白い糸を見つけまして、とっさにこの話を思い出したのであります。
白い糸というかハイ、ハナゲです。驚きました。ハナゲも白くなるんだ...…
しかし白ハナゲはいただけない。
白髪はまだよい。場合によってはロマンスグレーです。ありです。
白ひげもよい。なんだか強そうで、ありよりのありです。
しかしそこにきての白ハナゲです。
これはダメです。オモシロ枠にしかなりません。
カッコよさを追求するあまり、時にジョジョ立ちを決めにいく私に、白ハナゲなどもっての他。
コーヒーを淹れながら考えました。白髪染めならぬ白ハナゲ染め。コーヒーで鼻うがいをしたら、白ハナゲは黒ハナゲに戻らないだろうか。
名案ですが、実行する勇気がわきません。ついでに染まるかどうかも怪しいところです。
あれこれ考えを巡らしているうち、とある記憶がよみがえってきました。もう2年も前にnoteに書いた記事です。
↓ ↓ ↓
これを思い出した私の脳裏にはあの日の続きが、物語が展開しはじめます。
その穴の中は適度に暗く、過ごしやすい。
だが外は過酷だ。
彼らは穴の中で、息をひそめる日々を送っている。
これはそんな彼らのジュブナイルかつサーガでクロニクル的ななにか。レジェンドすなわちミスティックかのようなあれ。群像劇になる予定は未定の小話なのだ。
「やーい、白んぼ白んぼ!」
「気持ち悪い、なんでお前なんかがここにいるんだよ」
「もう最悪、なんであんたが隣なの?」
生まれついての色が一人だけ違う白ビモー。みんなで暮らす小さな穴の中で、あまりに目立つその色のため、いつも黒ビモー達からのけ者にされてしまうのでした。
「俺だって、好きで白く生まれたんじゃない! あぁ、どうしたら俺も黒くなれるんだろう……」
息苦しい日々を送る白ビモー。いっそ、穴をでて外の空気に触れてみようかとも思いますが、ふんぎりがつきません。
そんなある日のこと。穴の外に、これまで見たことのないような黒い液体が現れます。
近づいては離れるその色は、黒に憧れる白ビモーに、とてもとても魅力的にうつります。
「あぁ、あの中に飛び込んだら、俺も黒くなれるかもしれない...…」
見ていると、その黒は近づくたびに減っていくようです。
うっくつした日々、将来の不安、黒への憧れ、焦り...…
様々な想いがないまぜとなった白ビモーは、ふらふらと誘われるように穴の外へ伸びあがります。そして白ビモーは...…
「鼻毛が白い!コーヒーに落ちた!いやだナニコレあーもうやっちゃった~!!」
お粗末様でございます。それでは皆様よい週末を。