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#50 ”いい本”とはなんぞや

1月15日。金曜日。今日は、色々と濃い1日であった。普段からこんな1日が過ごせればなあと思う。勉強も頑張った。あと、気温的にもやたら温暖で嬉しかった。

生協でいろいろ本を買ったりしたので、今日の話題は【いい本とはなんぞや】ということで。”いい本”って、何なんですかね。

今日の記録

12時頃、起床。昨日も遅くまでnoteを書いていたので、午前は起きれず。深夜更新は、よくないな。今日もそうなってるけど。朝食、フルグラ。

13時から図書館でバイト。座ってるだけ。原則何をしててもよいとのことなので、平行して別のバイトをする。ベジ系のお店をデータベースに登録するバイト。時給にバフがかかる。

飽きたので、少しだけ就活も。就活、思い立ったときに大量に企業にエントリーして、あとはメールが来るのを待つという感じになっている。なんというか、あんまりいい就活のやり方じゃないとは思う。とりあえず5社ぐらいエントリーしといた。

17時、バイト終わり。その後、生協で本の購入。3冊購入。目当てだった『フェミニスト現象学入門』がなかったので、一応取り寄せを頼む。もう少し買いたかったが、お財布的にきついので我慢。

夕食、のち、今度は図書館で物色。4冊借りる。今日だけで7冊入手。1日に集めたが、これもあんまり、いい本の集め方じゃないと思う。多分全部は読まんので。

その後は研究室でお勉強。19時から23時まで。今日得た本にざっと目を通すなど。バイトして就活して研究して、今日は濃い1日だった。疲れたので、家に帰ってクイーンズギャンビットの続きが見たい。

”いい本”とはなんぞや

(4000字ぐらい)

今日は本、とりわけ学術書の話。個人的に、1月は「フェミニズム強化月間」としている。フェミニズムは今まで「なんとなくしか分からん」という感じだったので、今月はちゃんと向き合ってみようということ。
「フェミニズム」と一言でいってもかなり多様だろうと思うので、その類型や主張をちゃんと理解したいなと思っている。で、今日もそれ系の本を買いに生協に行ったのだが、目当ての本『フェミニスト現象学入門』がなかったので、迷いに迷って、次の本を買った。

江原由美子・金井淑子編(1997)『フェミニズム』新曜社

色々あったけれど、こちらが一番よさげだなと思ったので。フェミニズムって「これだ!」っていう入門書がないような気がするんですが、どうなんでしょう。上野千鶴子読んでおけば間違いないっていうこともないだろうし、かといってギリガンとかマッキノンにいきなり手を出しても「長すぎるわ」ってなりそうなので。

ページをめくると、いきなりこんな図が現れてくる。「わあー」という感じ。

ここから本題。基本的に、学術書というのは高価なものである。↑の本は1冊2800円したし、もう少し厚い本になれば、4000円、5000円することもざらである。というか、普通はそのぐらいしてしまう。高い。学生に優しくない。僕の財布のお金も無限ではないので、そうすると当然、「できるだけよい本を買おう」、もっといえば、可能な限り「トンデモ本」は避けたいという心理が働いてくる。

で、今日はまあ、僕が何をもって「いい本」「そうでない本」の判断を行っているか、という話をします。「お前如きが?」とか思った方もいるかもしれないけど、判断基準をご教授してやろう、というものではなく、あくまで「自分の中でどういう基準を用いているか」を整理してみよう、という感じです。ふわっとした感覚で「いい本・そうでない本」を判断しているのではなくて、意外と言語化できる基準を持ってるかもしれんので。今日はそういうのをできるだけ文字に起こしてみます。

<いい本の基準>

① 反論をちゃんと扱っている

まあ、当たり前といえば当たり前ですね。自分の主張について、「私のこうした主張には、こうした批判が考えられるかもしれない」とか、「これには従来、こうした反論がなされてきた」というのを、ちゃんと取り上げている(検討している)のは、いい本と判断しています。簡単に言えば、特定の立場を一方的に断罪する論調ではない、ということ。

”トンデモ本”(と僕が思うもの)にありがちなのが、次のようなもの。すなわち、「従来、○○ということが言われてきた」ということを挙げて、即「これはもう全部誤りだ、ダメダメのダメ」とするもの。「全部誤り」とすること自体はそんなにまずくないのだが(そういう議論もあると思うので)、ただその「従来言われてきたこと」側から出てきそうな抗弁を全く取り上げなかったり、取り上げたとしても「こんなのは後進的な人間の言うことだ」と矮小化するタイプのものは、だいぶまずいと思う。

フェミニズムとの関連で言うと、たまに一方的に「男性中心的な社会構造」を非難するタイプの議論がある。何か特定の「女性が被っている害」を挙げて、それを全部「男性主義的な社会」のせいとするもの。こうした論調それ自体に問題があるというわけではないのだが、仮にここで、当の「男性中心主義」なるのがどのようなものであり、自身の批判を受けて、その立場からどういった反論がなされるかということが全く考慮されていない、あるいは考慮されたとしても、「それはしょせん、性差別主義者の言い訳である」などとして、取るに足りないものとして扱われるならば、これは問題含みだと思う。主張の「検討」というプロセスがすっ飛ばされてしまっているため。こういう本を買うぐらいなら、相手の意見もきちんと検討・考察している本を買った方が、より深い学びが得られるとは思う。

② 事実がちゃんと整理されている

自分の見解がずっと述べられているのではなくて、ちゃんと事実問題や先行研究についての整理があるということ。

たまに、自分の思想や見解をひたすら述べるタイプの本がある。「まず事実を整理しましょう」とかじゃなくて、自分にとっての敵と味方があらかじめはっきり決まっていて、それに対する私見を書き殴るというもの。こうした本の問題としては、第一に、そこに乗れない人が置いてけぼりにされるということがある。「事実」の話については誰でもふんふんと読めると思うのだが、著者の思想が色濃く出るとなると、ちょっとついて行けないという人も出てくると思う。といっても、これは別にたいした問題ではない。「ついて行けない」本については、人は多分買おうとしないので。
こういう本の問題はどちらかというと、読んでいる人を「盲信」させかねないということにある。「資本主義批判」だとか、なんか世の主流になっていそうだけれど、実態がはっきり決まっているわけではない概念を批判する際に、こういう風になりがち。こうした本は面白いのだが、「なるほどねぇ!」となりすぎると、自分から反論を探しに行くということをやめてしまいがちなので、あんまよくないと思う。
本としては、あくまで基本的事実を押さえつつ、「こうした事実から、○○ということが言えそうだ」ぐらいの論調のものの方が、個人的には信頼できると思っています。あんま、具体的じゃなくて申し訳ないけれど。

③ 相手の立場に尊重を示している

まれにではあるが、相手を「絶対悪」のカテゴリーに押し込めて批判するタイプのものがある。こういうのは、よくない。最近見たのでは、「こいつの言っていることは単なるヘイトに過ぎない」として非難するものがあった。相手を「ヘイト」として認定しまえば、もうそれだけで「悪い」ということになり、議論がストップしてしまうので、よくないと思う。もちろん、中には「ザ・ヘイト」という言説もあり、それを非難する分には構わないのだが、世の中にはただ相手を批判したい一身で、「ヘイト」「レイシスト」「ナチズムの再来」だとかの絶対悪のカテゴリーに相手を押し込める人が多数いる。そういうのは疑ってかかりたいという話。

<この本はよくないぞという基準>

主に、上で言ってきたことの裏返しになる。のだが、1つだけ追加で言いたいことが。すなわち、

ネットでよく言われていることの焼き増しでしかない本

これ、これである。もうすでにネットとかで散々言われているでしょというのを、単に書籍化して主張しているもの。今日本屋でざっと見た感じ、一般の方(研究者ではなく、弁護士、実業家、学生など)が書いたフェミニズムやジェンダー系の本には、これが結構多い印象(よく読んでもないのに、批判してすみません。そのうちちゃんと読みます)。

個人的に、どうしてこういう本を避けたいかというと、単に新規性がないというのもそうのだけれど、傾向として上で挙げた3つに役満で反していがちなことがある。特定の問題を挙げて、自分の立場からのみの感想を挙げて、批判して、考えられる反論や事実の整理などは行わないなど。

もちろんこれらは、一般人の雑感というか、「学者以外の人の見解」を取り上げるという面で重大な価値があると思う(学者がやっていたら相当まずいけど)。事実の整理などをガチガチにやっていない分、ほんわかとしていて、一般の人にもわかりやすいという利点がある。こうした本を入り口にしてどんどん問題を広げていくというやり方もあるはず。ただ、それでもやっぱり「ネットの焼き増し」のような本となると、書籍にする価値があるのかは問われると思う。

一応、そんな感じです。終盤疲れて、書くのしんどかった。同じことの繰り返しになっているところもあるけど、許してください。お許しください。

もう少し具体的な話ができるかと思ったけど、そうでもなかったです。書き切れなかったこともたくさんだ。反省。あとは一応、入門書なら索引がついているかとか、前書きのテンションが高すぎないか(特定の読者を置いてけぼりにしていないか)、洋書なら訳者解説(あとがき)が付いているかもちょっと重視しています。こういう本の方が、議論がしっかりしているという経験が多いので。お前ごときにそれがわかるの? というのは、やっぱりそうなんだけども、、、

今日はさっと書き終えてクイーンズギャンビットを見る予定だったけど、この分だと無理だな。結局深夜になっているのは、反省。深く反省したいと思います。ブログ更新が生活の負担になるのは、ほんとよくない。

今日得た本。積んでみる。

ちなみに明日・明後日(今日と明日)は共通一次試験らしい。大学に行かず、家にこもっていよう。