七夕と労働と恋愛
今日は2024年7月7日。七夕です。七夕の日は、晴れたほうがいいとか、雨が降りやすいとか色々言いますが、今年は全国的に晴れのようです。そして地獄のような猛暑です。
今日は七夕の話です。
皆さんは七夕というイベントに、どのような感情を抱いているでしょうか? 子供の時は短冊に願いを書いたり、笹に飾ったりしたかもしれません。しかし大人になってからは全く...... という人も多いのではないでしょうか。ちょっと子供向けイベんな感じはありますよね。
ただ、僕個人としては、七夕という行事はもっと推されていいのではないかと感じています。今日はそんな想いを書いていきます。
日本には七夕がある
まず、七夕を推すということで、スピッツを思い浮かべた方もいるかもしれません。僕も実際影響を受けています。
スピッツはこれだけ曲を出しておきながら、実はクリスマスソングもバレンタインソングも書いていません。代わりにあるのが、1995年リリースの「涙がきらり⭐️」。この曲、七夕をモチーフとしたものとなっています。
Wikipediaによると、
とのことで、日本には七夕があるぞという気持ちのもと作られたそうです。
ぶっちゃけ、クリスマスもバレンタインも欧米の文化を取り入れたもので、特にクリスマスなんかは「キリスト教でもないのになぜ?」という気持ちはあると思います。言うて七夕も中国伝来の物語ですが、江戸時代には日本に定着していたとのことで、歴史の長さはそれなりにあるといったところでしょうか。
個人的には、クリスマスもバレンタインも、企業の商業戦略に乗せられてる感じがあってちょっと嫌なんですよね。その点、七夕はまだまだ商業的にクリーンなので、そこも推しポイントの一つです。
そもそも七夕とは?
ちなみに、そもそも七夕とはどのような物語でしょうか。みなさんも子供の時に聞いて以来で忘れているかもしれないので、ざっくり振り返っておきます。
まず、これは天界の話です。そこに織姫という女性がいました。「そして5回とも..... 同じ人を好きになる」の織姫とは別人です。
織姫はせっせと機を織っていましたが、独身でした。これをみた天帝は、いい男を紹介してやろうと考えます。それが牛飼いの彦星です。
2人はすぐに結ばれて、一日中いちゃいちゃするようになりました。あまりにラブラブな余り、織姫は機を織るのを止めて、彦星は牛をネグレクトし始めます。
それを見た天帝は、二人が労働を放棄していることにブチギレます。
怒った天帝は、天の川を挟んで二人を別々にし、元通り仕事に専念しろと言います。しかし二人は、お互いに会えない悲しみで、仕事どころではありませんでした。腑抜けてしまいます。
これには天帝も困ります。引き離した意味がありません。そこで対処法を思い付きます。
天帝は、「一生懸命働く」ということを条件に、二人に年一回の面会許可を与えます。それが7月7日というわけです。織姫と彦星は、年に一度の七夕の日を心待ちに、今日も労働に励むのでした.....
悪魔か?
そんなわけで、七夕物語は、現代の我々からするとツッコミどころが多いです。まず天帝。全体的に、織姫の人権を支配しすぎです。
彦星を紹介する所まではよいとして、一生懸命働かないなら引き離した上で年1でしか会わせないというのは、お前に何の権限が? と感じてしまいます。まあ天界の話なので、神が絶対で人権とかはない世界なのかもしれませんが......
もう一つ、労働の放棄を叱責するとしても、真面目に働いた上で年1回しか面会させないというのは、ペナルティとして重すぎだと思います。しかも話によっては、7月7日に織姫と彦星が会えるのは、カササギがやってきて天の川に橋をかけてくれるから、となっています。このパターンの場合、雨が降ると二人は会えません(川が氾濫しちゃうから)。年一回の面会機会が天気に左右されるという、より残酷な物語となっています。もし7/7が雨の時、7/8からどんな気持ちで働けばいいのでしょうか。
そんなわけで、七夕は結構残酷な物語だという話でした。
労働からの解放と恋人との逢瀬の物語
で、七夕を推すといっても、こんなパワハラ人権侵害物語を推していいのか? という気持ちもあります。サンタさんとかは、もっと純粋にハッピーな感じですよね。七夕については物語を知るほどモヤってしまいます。
ただ逆に、そこに現代的な意義があるのかもしれません。
というのも、七夕から読み取れるメッセージの一つに、今日ぐらいは労働をやめて、恋人との逢瀬を楽しもうよというのがありそうです。これは、労働に追われる現代人にピッタリのメッセージではないでしょうか。たまには休もうよと。
また、恋人と一緒にいられる喜びを噛み締めようというのも、メッセージもの一つとしてあるかもしれません。我々も会社の出向命令などで、いつ好きな人と離れ離れにされるか分かりません。ので、年一でしか会えない織姫と彦星を思いながら、「毎日会える私たちって幸せだね」といちゃつくのもありなんじゃないでしょうか。やっぱりなしか。すみませんでした。
さらにいえば、この物語からは、このような強制労働を許してはならないという教訓も読み取れると思います。いまでもブラック企業は、労働者のプライベートに立ち入ったりしてますよね。それを受けて我々も、労働法を学んだり、労組を組んだりしていかなければならないのかもしれません。
織姫と彦星の悲劇にちなんで、7/7を「労働法の日」とするのもありだと思います。ストップ!! 雇い先によるプライベートの侵害!! それがこの七夕伝説から学べる一番の教訓ではないでしょうか。
以上
そんなわけで今日は、七夕について思っていることを書いてみました。なんだかんだ言って、クリスマスやバレンタインほど資本主義や商業主義の匂いを感じないし、日本らしさもあって、よいイベントなのではと思います。もっと推されてよいはず。
ちなみに、短冊に願いを書くと言うのは、機織りのプロである織姫にちなんで、我々も自身の技巧の上達を祈願する、という意味合いがあるそうです。だから基本的に、短冊への願いは「自身の努力によって向上すること」を書くそうです。部活で勝つとか資格を取るとか、そういうことですね。
みなさんは今年、どんな願いを星に捧げたでしょうか。そして、好きな人と楽しい時間は過ごせていますでしょうか。
僕は今日、大阪・京都観光に来ていますが、暑すぎて烏丸のカフェに閉じ籠り、こうしてnoteを更新しています。星に願いを託すならば、この暑さをどうにかしてほしいですね。自分の技巧の上達とは何も関係ありませんが....... そんな感じです。