ショートショート【隣の座席が】
(ふぅ…なんとか今日は座れたぞ。やっぱりこの時間の電車は人が多いな。
全部の席に座ってて立ってる人もいるしな。1番前に並んで待っててよかったぞ。よし、駅に着くまでyoutubeでも見てようかな。
たしか昨日見たゲーム実況があるからその続きでも見よう。
あった、これだこれ、やっぱり面白いな。)
「ふふっ…」
(あっ危ない危ない、声出して笑いそうになった。電車の中だから気をつけないと。
ん…?隣の座席の人がなんかちょっと落ち着いてないな。なにしてるんだろ?
え…?弁当出してる…?!
いやいやいや!ここ電車の中だぞ!
しかも人が結構いるからな!
しまえしまえ!電車の中で食べるな!
小さい声で美味しそうって言ってるんじゃないよ!弁当だして食べるなよ!
席変えたいけど人多くて移動すらできないからな。駅着くまでこのままなのかよ。
せっかく座れたと思ったらついてないな。
え…??ちょっと待って
コロッケにソースかけてる…??
なんで??
コロッケに…?ソース…?
いやいやいやいやいや!!
コロッケには生クリームと七味唐辛子だろ!!
七味唐辛子がないのはまだ分かるよ。
でも!生クリームはあっただろ!せめて生クリームはかけろよ!
ソースって!ソースはシュークリームにだろ!シュークリーム専用だろ!
それをコロッケに…?!何してるんだこいつは。
なんで周りの人は何も言わないんだ。コロッケにソースかけてるんだぞ。痴漢よりやばいだろ。全く見て見ぬふりをする人間がいるからこうなるんだ。自分がお手本を見せないと。)
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(やった、今日は座れたぞ。ここの電車は人が多いからな。席いっぱいに座ってるぞ。
てか今日は急いでたからな朝ご飯食いそびれたぞ。
昨日買っといた弁当ならあるんだけどな。でもその弁当は今日の昼ご飯のだからな。
でもお腹すいたなぁ。昼までもつかなこれ。ていうか昼ご飯まで食べる時間そんな無かったよな。
見るだけ!見るだけだから弁当出そう!
これこれ!昨日から食べるの楽しみにしてたんだよな。このおかずのコロッケが美味しそうなんだよな。)
「美味しそう…」
(あっやべ、今つい声出てたわ。ていうかすごい美味しそうだな。
……もう我慢できない!食べちゃおう!
無理だこれは、お腹がすきすぎている!
申し訳ないけど食べちゃおう。すぐ食べ終わればいいか。
よし、このコロッケにソースをかけて。
わぁ、すごい美味しそうだな。やっぱり今食べるべきだ。
自分のお腹がそう言っている!今すぐ食べなさい!と。
それではいただきます!
ん…?隣の座席の人が立ったぞ。
あっこっち見た…
そうだよな…流石に注意されるか…
仕方ない次の駅で降りるか)
隣の座席の人
「コロッケには生クリームと七味唐辛子だろ!!ソースなんてどうかしているのか君は!!」
「……………はい?」