夜の陽だまり
わたしの従兄は、絵を描く。絵を昔からよく描く人だった。
使ってくれるかわからないけれど、紙を送ったらすぐに絵を描いてくれていた。わたしは嬉しかった。
これは、kiyoという名前で絵を描いているわたしの従兄の絵。
わたしは、しげしげと見た。夜だな。星がたくさん見える。夜の道で、横に猫が三匹、談話している。夜なのに、談話している猫の周りは陽だまりのように見える。あったかそうな
用事が終わってしばらくじっと見ていたけれど、ここまで思ったところで、気が付けば、こんなものを書いている。
君が友達なら、春に来る
別れの稲妻の痛みも越えよう
真夜中ひとりこの道歩むときにも
微笑み思い出そう
人は薄情だという言葉を
裏切ろうとして生きてきた
木の葉みたいに風に舞う
裏に表にはらはら散るわたしは情けないね
道の隅に君の陽だまり
救い取って守り抜くの
水面の月 幻みたいな愛も
ポケットにしのばせて
息の止まるそのときまで
あたたかい思い出が消えて
冷たくなるわたし ねじを巻き忘れた時計だよ
マッチ箱みんな擦り切れても
消えないで燃え続けよう
君を思うなら、秋に来る
狂った嵐もくぐり抜けよう
真夜中背中丸めて笑い合えるよ
もう少し消えないで
微笑みを浮かべてよう
わたしの従兄は絵が、本当に、心に響く絵を描く人だよと、わたしがもう少し説得力を持って言える存在だったらと思って、悔しい。
難しいです……。