君は頑張っても忘れているだけ
拝啓 Y
今日も手紙を書かせて下さい。今日といっても正確には日付はとうに翌日なのですが、わたしが眠って忘れる前に書かせて下さい。
一、用事中に先輩Gが「君は自分の功績も成果もすぐに忘れてしまっている。積み上げるべきことを忘れて、何も出来なかったと思っている。出来なかったんじゃない。忘れてしまっているんだよ」とわたしに言いました。
確かに何も出来た気がしないというと、それはしたことを忘れてしまっているだけともう一度助言もらいました。
二、先輩Mが「尽力していることを感じ取れない相手と見たら、受け取ってもらえないと感じたら、もう余程愛着でもないなら、尽くしたら駄目だね」と言いました。
社交場で勘定を黙って誤魔化そうとする人を見つけたのだと言っていました。当人は払うときには特にしっかり勘定してきちんと払う人です。
三、月が建物の横に大きく光っていてあなたとそれを言い合ってはしゃげたらどんなに嬉しかろう。
四、友人Kが悪夢を見たときの自分の呻き声が録音できたと、その時刻の監視カメラの動画を切り取って送って来ました。
恐怖の滲んだか細い震える声で二回、たしかに呻いておりました。でも夢の中ではもっと大きな悲鳴で二回叫んで、自分の悲鳴が大き過ぎて自分で聴こえて驚いて起きたつもりだったそうです。
わたしにも、自分が夢の中で力いっぱいでも現実では思ったよりも非力だったことがありました。
「あれはなんて気持ち悪くて情けないんだろう。全然力が入ってない」と返事して「その非力さがこの録音で立証されているわけだ」「本当に情けない声だ」と笑っていました。友人とは可笑しいもの。
(楽器で確かめると、友人Kの悲鳴の音は2回とも、Kにとっての上の「ドの#」でした)
不誠実は暴かれるし、報われない誠実の原因は自分にあるとヒントを貰えるし、夢の中の必死は割と現実では足掻きにもなってないと思って笑ってしまう。良い一日でしたよ。
いろんなこと見つけて、長くなりました。
令和4年1月20日付 Jより
11.729光年彼方へ枯渇しても愛を湧かす
難しいです……。