それは自分の愛を捨てない犬です
拝啓
絵本を発行したことがあります。
わたしの描いた絵本、もう一冊でも売れてほしいと毎日頭の片隅におもっていました。
最初は、えんぴつで手描きした紙を貼り合わせて、無理矢理A4のコピー用紙で本の形にした絵本でした。
(母にプレゼントしたら、去年シミだらけのボロボロになって戻ってきて、それをまた描き直して、今度は本当の絵本にしました。)
これは初めて教えてもらったときはショックだったけれど、ペットだった動物が住む家をなくすと、死刑に近いことになるという話です。
今は、人間も住む家や家族など、拠りどころをなくすと、似たようなものだと思います。
わたしは家を失くした犬になりきって、その絵本を描きました。
わたしが居場所を失ったとき、死ぬことになっても失いたくなかった気持ちが、その絵本の中では表されています。
ーーーーその気持ちは、失っても、自分や周りをなんとかしたいと思う気持ちです。
かわいそうにおもって、たすけてくれる何かがいると幸せだけれど、いないとき、ただ死んでゆかないで、ふんばろうとする気持ちです。
わたしが、そういう風でい続けるために描いたのです。
印刷屋さんは「絵本は通常カラーですが、モノクロでよろしいのですか?」と、ちょっとびっくりしてわたしの発注を聞いていました。
「原稿を送ります。カラーのほうが良いですか?」
「これは、モノクロで、表紙の紙色をカラーにして少し柔らかくしてはどうでしょう」
などとやりとりして、印刷屋さんおどろきながら前向きに提案してくれて、やさしいですね。
そうやって、そういう絵本になりました。
絵本の絵も字もえんぴつだったけれど、字は印刷屋さんに渡すときに、活字に直しました。
拠り所を失くした!と思っても、あなたやわたしの強い気持ちが、最後にはちゃんと届きますように。
草々不備
追伸:今日は下書きまでしか書ける時間がありませんでしたから、見た目がとても悪くて申し訳ありません。本当に、こういうことは悔やまれます。
令和4年2月4日金曜日付
Y.J
11.729光年彼方へ枯渇しても愛を湧かす
もしどういう絵本なの?とおもったら、ここを見てみて下さい。
よろしくお願いします。
印刷屋さんは、銀河書籍さんです。