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GR3片手に朝散歩する習慣

普段より早く朝起きたら、GR3をポケットに忍ばせ散歩に出かける。

簡単に洗顔をして、洗濯物が溜まっていれば洗濯機を回す、そして帽子を被り散歩へ出かける。帽子を被れば寝癖がひどくても、人の目を気にすることはない。

とにかく、起床から散歩までをノータイムで行う。あーだ、こーだと準備に時間をかけていたら、午前中の予定が脳裏に浮かび、散歩のハードルがどんどん上がっていってしまう。

帽子とGR3、冬であれば厚着。それだけ用意ができたらすぐに外へ出る。


朝日は気持ちが良いし、写真を撮る上でも朝日は街を幻想的に映す絶好の機会である。他の時間帯よりも、シャッターを切る回数が自然と多くなる。

前日が雨であればなお良い。朝日の温かさに照らされて蒸気を立ち上げる。それがより一層、光が形を作っていく。


基本的にGR3の設定は絞り値優先しか使っていない。一番ベーシックで、絞り値を変えることで、ボケ感や明るさを調節できる使いやすさ第一でこれを選択している。

GR3で好きに設定ができる3つのショートカットは、イメージコントロールだけ「モノクロ」「ハイコントラスト白黒」「スタンドダード」のように変えている。

特にモノクロは最近のマイブーム。

モノクロにすることで、明暗の度合いでしか写真を撮れなくなる。色がなくなることで、より光と影に目がいくようになる。カラーからモノクロに変更することで、世界の見方、何を見るかが変わる。

そのカラーバス効果が、イメージコントロールの設定ひとつで変わるのがGRの魅力。ポケットに忍ばせられるGRだからこそ、よりその効果は顕著に現れる。


あと、上手く撮るとかは考えなくて良いと思っている。ただ街を歩いて、何かを見る。そして見たことよって生まれる感情の揺れを瞬間的に捉える。それだけに価値があると思う。

この写真の所要時間は1秒ぐらいだろう。ポケットからGR3を取り出し、電源ボタンを押しレンズを出す。それと同時にカメラを構え、シャッターを押す。

構図も考えず、ただ撮った。

でも、たったこの1枚だけで、同じように過ぎ去っていたあの日の朝を思い出すことができる。

パッとと振り向き、たまたま光が差し込み、それがスポットライトのように清掃員を照らす風景を見て、感情が揺れたあの瞬間を、思い出すことができる。


朝は1日の始まり。朝日がのぼり、街が動き出す。

そんな時間をGR片手に歩けば、世界の見え方が変わる。そして、感情の機微が写真となって形に残る。

GR片手に朝散歩する習慣は、より良い1日と、より良い人生の助けとなるだろう。






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多々田たた
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